ニュース

三菱ふそう、初の輸出仕様バス「BA」発売 UAE市場向けに100台を生産

ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズのオラガダム工場で製造

2020年9月21日 発表

 三菱ふそうトラック・バスは9月21日、ふそうブランドの初の輸出仕様バス「BA」の生産を、インドのオラガダム工場(チェンナイ)で本格的に開始したと発表した。

 同社ではBAを2019年12月より試験販売を開始して、2020年夏より本格的に発売。UAE(アラブ首長国連邦)市場向けにすでに100台を製造しており、BAの生産台数は2023年末までに累計800台を超える見通しとしている。

 BAは、ダイムラーグループ傘下の三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ(DICV)、エボバスの3社が共同開発。

 同製品の開発は、定員30名以上の大型バスに対するUAE市場の需要に応えるため発足したもので、MFTBCとエボバスは販売戦略、DICVは設計・製造を担当して商品化。ダイムラー・トラック・アジアの協業の新たな段階を示すものとしている。

 BAは、DICVのインド国内向け商用車ブランド「バーラト・ベンツ」の大型バスをベース車両とし、従業員の送迎を運行する法人の需要を満たすモデル。欧州排出ガス規制「ユーロ5」に準拠する3.9リッター4気筒エンジン「4D37」を搭載。また全座席に難燃材料と3点式シートベルトを採用するなど、安全性を確保。さらにルーフハッチにより緊急時の換気や避難が可能となり、より安全な通勤・通学を実現。夏の酷暑に対応し、大容量のエアコンを標準搭載した。既存モデルを設計に活用することで、急速に発展するインフラ建設や製造業を背景に持つユーザーのニーズに迅速に応えた。

 なお、UAEでの2019年のふそうブランドのシェアは53%を超え、UAEはMFTBCにとって中東・北アフリカ地域における最大市場であり、従来からふそうブランドの強力な足場になっているという。

 BAに加えて、現在MFTBC川崎工場から小型トラック「キャンター」や中型トラック「ファイター」、三菱ふそうバス製造の富山工場から小型バス「ローザ」を、そしてDICVのオラガダム工場から中型トラック「FA」や「FI」、さらには大型トラック「FJ」や「FZ」を輸出している。