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三菱ふそう、バス室内の密閉を防止する「外気導入固定運転」の実験映像公開

新しい生活様式に対応した換気システム

2020年6月23日 発表

「外気導入固定運転」の実験映像

 三菱ふそうは6月23日、バス室内の密閉を防止し室内の換気を行なう「外気導入固定運転」に関して、室内の空気入れ替えに実際にかかる時間を計測した実験映像を公開した。

 外気導入固定運転は、新型コロナウイルス対策に向けたバスにおける新しい生活様式として同社が推奨している空調の運転モード。

 実験では、三菱ふそう製の大型観光バス「エアロクイーン・エアロエース」、マイクロバス「ローザ」の停車状態と40km/hでの走行中、大型路線バス「エアロスター」の走行中を想定した状態での室内の換気開始から完了までの様子と時間をそれぞれ収めた。

大型観光バス換気機能テスト。停止状態で4分30秒、走行状態で3分30秒で換気完了

 同社による実験の結果、大型観光バスの場合、換気を開始してから完了するまでにかかった時間は、停止状態では4分30秒、走行状態では3分30秒となった。

FUSO | Aero Ace Hi-Decker 大型観光バス換気機能テスト(停車状態)
FUSO | Aero Ace Hi-Decker 大型観光バス換気機能テスト(低速走行時40km/h)

マイクロバス換気機能テスト。停車状態で5分、低速走行で3分で換気完了

 また、マイクロバスの場合、換気扇をOFFにした停止状態では5分、走行状態では3分で換気が完了した。

FUSO | Rosa 小型バス換気機能テスト(停車状態)
FUSO | Rosa 小型バス換気機能テスト(低速走行時 40km/h)

大型路線バス換気機能テスト(路線走行想定)。2分30秒で換気完了

 さらに、大型路線バスの走行中を想定した状態での実験結果では、乗降時のドア開閉時の換気を含めると、2分30秒で室内の換気が完了した。

FUSO | Aero Star 大型路線バス換気機能テスト(路線走行想定)

 実験結果を受けて、三菱ふそうでは今後の新型コロナウイルス対策の新生活様式の1つとして、観光バス・高速路線バスの運行において、バス室内の「密閉」を防止することから、バス車内の換気を推し進める「外気導入固定運転」を推奨していくとしている。

一般的な大型観光バスの換気システム。通常大型観光バスの室内換気に関しては、車両後方の強制排気(強制的換気)と自然換気を設定しており、「自動運転モード」では、室内循環と外気導入を自動切換えで快適な室内環境を提供しており、同社が提案する「外気導入固定運転」においては、約5分で室内の空気を入れ替えることができるという(停車時)
マイクロバス「ROSA」の仕組み。マイクロバスにおいては、「外気導入固定運転」により約6~7分で室内の空気を入れ替えることができるとしている(停車時)
大型路線バスの仕組み。路線バスにおいては、エアコンに外気導入モードはないが、乗降時のドア開閉時換気で室内換気は確保されており、各路線バス事業者で実施している一部窓開放で十分な換気性能アップが見込まれるとしている
大型観光バスの外気導入モードの操作方法の詳細