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三菱ふそう、大型観光バス「エアロクィーン」「エアロエース」2019年モデルの試乗会
緊急停止ボタンや左折巻き込み防止機機能を体感
2019年3月9日 00:00
- 2019年3月8日 実施
三菱ふそうトラック・バスは、2月に発表した大型観光バスの2019年モデル「エアロエース」「エアロクイーン」の試乗会を同社の喜連川研究所において実施。新たに搭載した安全装備、アクティブサイドガードアシストや緊急停止ボタンなどを試すことができた。
安全装備を追加した2019年モデル
今回の2019年モデルではフェイスリフトしてLEDヘッドライトを搭載し、最新の「ふそうブラックベルト」デザインを採用したことが見た目の違いだが、三菱ふそうが強調するのは安全装備の追加であることは既報のとおり(関連記事)で、主に新搭載した安全装備は以下のものとなる。
・アクティブサイドガードアシスト
・アクティブ・ブレーキ・アシスト4(ABA4)歩行者検知機能追加
・新型LEDヘッドライト、フォグランプ
・ドライバー異常時対応システム(国交省準拠)
・バスコネクト(BusConnect)
・火災延焼防止装置
試乗会では、アクティブサイドガードアシスト、ドライバー異常時対応システムによる緊急停止、アクティブ・ブレーキ・アシスト4の自動ブレーキを体験することができた。
左側方の安全確認を助けるアクティブサイドガードアシスト
アクティブサイドガードアシストは左折時の巻き込みを防ぐ機能。左後輪の前にミリ波レーダーを2基装備し、左側方の対象物を捉え、運転席左側やメーターパネル内に黄色の表示で注意を促す。さらに、そのままウインカーやステアリング操作をすると赤色で警告、シートバイブレーターも動作してドライバーに回避行動を促すという仕組みだ。
左側方に人がいればミラーやカメラで確認はできるが、常時左だけを見て走行することは無理なため、不意に人などが近づいた場合に黄色のアラートが出ることはドライバーにとって安心。走行中やアクセルを踏もうとした状態でウインカーやステアリング操作をすると赤色点滅とシート左側が激しく振動するため警告を逃すことがない。
乗客用の緊急停止ボタンでバスを停止
ドライバー異常時対応システム(EDSS)は実際にボタンを押して停止状況を体験した。乗客用の非常ブレーキボタンは最前列シートの荷棚のところにあり、カバーを引き上げてボタンを押す仕組み。走行中にボタンを押すと3.2秒間、車内警告ブザーや警告灯が作動した後、ブレーキがかかる。
誤操作やいたずら防止の観点から3.2秒の間にドライバーが解除すればブレーキに至らず、3.2秒を過ぎてブレーキがかかり始めた後でも、ドライバーによる解除操作でブレーキも解除される。
乗客がボタンを押すとすぐに車内の室内灯内部に仕込まれた赤色の警告灯が点滅。車内にはブザーが鳴り響く。3.2秒後にホーンが連続で鳴り車外にも警告をしながら停止する。停止の減速度は0.25Gで、少し強めのブレーキという印象。シートベルトを装着して正しく座っていれば、どこかに体をぶつけるといったことは起こらない。荷物が投げ出されるということもなかった。
また、車外でホーンを鳴らしながらハザードランプを付けて減速するため、何か異常があって停止することが分かるようになっている。
自動ブレーキによる停止
アクティブ・ブレーキ・アシスト4(ABA4)による自動ブレーキは歩行者検知機能が追加された。今回の試乗では人を検知しての自動ブレーキの確認はできなかったが、先行車が停止した状態を見立てた自動ブレーキを体験することができた。
走行状態で前方に停止したクルマに見立てたものを発見すると、早めに減速し、最後のほうで急激にブレーキが強まって停止する。バスの場合は乗客の安全という観点から急ブレーキも慎重になる必要があるが、停止直前で若干ブレーキを緩めて停止の衝撃をわずかに弱めている点も特徴的だ。
AMTによるスムーズな走行を実現
エアロエース、エアロクイーンはすでに2017年の改良において全車が8速機械式自動トランスミッション「ShiftPilot」を採用している。クラッチ操作やシフト操作がなく、アクセルを踏むだけで変速が自動で行なわれるというもの。
発進は大型車の定石である2速からスタートし、アクセルを一定に踏んでいくと変速しながら加速していく。変速時にはアクセルの途切れによるショックがわずかにあるものの、何の操作も必要なく変速していく。
必要ならば手動で変速操作することもできるため、従来のMTのように加速感の途切れはあるものの、ショック感を少なくして変速していくことも可能。慣れればドライバーの意のままに変速が可能であると感じた。