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三菱ふそうバス製造の新施設「ウェルカムセンター」で落成式典 沖縄バスの新車両を検収

検収施設とショールームを兼備する三菱ふそうバス製造のシンボルに

2020年9月29日 開催

 三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)のバスを製造する三菱ふそうバス製造(MFBM)は9月29日、本社・工場敷地内に新設された検収施設「ウェルカムセンター」の落成式典を開催。ウェルカムセンターにおいて新車両を検収することになった沖縄バス代表取締役社長 中山良邦氏らが参加してテープカットが行なわれた。

 富山県富山市にある三菱ふそうバス製造は、ふそうブランドのバスを製造する唯一の拠点となり、1950年創業から2020年で70周年を迎えるのに合わせてバスのショールームと検収レーンを兼備した「ウェルカムセンター」を新設。納品前の車両を顧客が確認する検収施設となる、ウェルカムセンターを新設することで顧客満足度を高める狙いを持つ。

三菱ふそうバス製造の本社・工場敷地内に新設された「ウェルカムセンター」。5つの検収レーンに加えてバスを展示するショールームを併設した
「ウェルカムセンター」落成式典テープカットの様子。写真は左より、沖縄ふそう自動車株式会社 代表取締役社長 輿那覇明氏、沖縄バス株式会社 常務取締役 新川幹夫氏、沖縄バス株式会社 代表取締役社長 中山良邦氏、三菱ふそうバス製造株式会社 取締役会長兼三菱ふそうトラック・バス株式会社 バス 販売本部長 高羅克人氏、三菱ふそうバス製造株式会社 取締役社長 藤岡佳一郎氏、三菱ふそうバス製造株式会社 取締役 CFO 日出嶋達郎氏

創業70周年を迎えた三菱ふそうバス製造のシンボルに

 三菱ふそうバス製造は、1950年にバスを製造する呉羽自動車工業株式会社として操業を始めてから2020年で70周年を迎えた。現在では、約700人の従業員が働いており、ふそうブランドの大型観光バス「エアロクィーン」「エアロエース」、大型路線バス「エアロスター」、そして小型バス「ローザ」を製造し、国内外に展開している。

三菱ふそうバス製造株式会社 取締役社長 藤岡佳一郎氏

 落成式典に出席した三菱ふそうバス製造 取締役社長 藤岡佳一郎氏は、新たに誕生したウェルカムセンターについて、「このセンターは2019年9月20日の着工から約1年をかけて今日この日を迎えており、延べ床面積2260平米、1階には大型バスを2台展示できるショールーム、それに5つの検収用レーンとそれに併設した形の応接室、2階には大会議室も備えております。これから検収で多くのお客さまをお迎えしてわれわれが作ったバスをご覧いただくための施設として、また当社に訪れるすべてのお客さまをお招きする場のシンボルとして活用し、今後より一層バス事業の発展に生産者として貢献していきたいと思います」との思いが語られた。

 また、「今、世界中がコロナ禍で厳しい状況に置かれている中で、創業70周年の節目の年を迎えるにあたってこのウェルカムセンターが完成したことはわれわれにとって非常に明るい話題であり、今日からまた社員一同新たな気持ちでスタートを切りたいと思っております。今後、三菱ふそうのバスを生産する唯一の工場としてお客さまに喜ばれるバスを作ろう、夢と誇りを持って幸せな職場を作ろう、社会に貢献し愛される会社にしよう、この3つの企業理念のもとここ富山の地でバス製造を続けていきますので、これからも三菱ふそうのバスをご愛顧いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます」との意気込みが語られた。

社会全員をおもてなしする場に

三菱ふそうバス製造株式会社 取締役会長兼三菱ふそうトラック・バス株式会社 バス販売本部長 高羅克人氏

 今回新設したウェルカムセンターは、大型バスを5台同時に検収可能にする5つのレーンに加えて、大型観光バスを2台展示することが可能なショールームを併設。5つのレーンは仕切りを可動式にすることで秘匿性を保ち、製造したバスを事業者へ納車する前に、事業者と共に車両確認作業を行なう検収設備をリニューアルすることにより、より正確な検収作業と顧客満足度の向上を図った。また、MFBM正面入り口道路に面したガラス張りのショールームには、完成車両を展示することで、ふそうブランドと企業認知度向上を目指すという。

検収レーン
検収レーンに併設する応接室
立山連峰を見渡せる休憩室
ショールーム

 今後のウェルカムセンターの活用について、三菱ふそうバス製造 取締役会長兼三菱ふそうトラック・バス バス販売本部長 高羅克人氏からは、「お客さまをお迎えして新車を検収していただく大切な、われわれにとってのおもてなしの場でございます。また、地域社会の皆さま方、工場見学等々のツアーなどいろいろな形で社会から人を迎える。また、社内のイベントや啓蒙にも多くの形で使ってもらえる。そういった意味においてはウェルカムと言っていますけれども、お客さま、社会だけではなく、従業員の皆さま方、全員を心からおもてなしする、そういった場にしていきたいと思います」との考えが示された。

沖縄バスが15台のふそう車両を導入

沖縄バス株式会社 代表取締役社長 中山良邦氏

 今回、新施設のウェルカムセンターで、新たに導入する車両の検収をおこなった沖縄バスでは、観光バス型10台、路線バス型5台の計15台のふそう車両を導入するという。

 落成式典に参加した沖縄バス 代表取締役社長 中山良邦氏は「皆さんもご覧のように新検収棟にはショールームが併設され、室内から検収レーンが見渡せるなど、利用者への細かい配慮が行き届き、送り出す商品に徹底して責任を持つという御社の真摯な姿勢が感じられる実に素晴らしい作りで、感心いたしました」と同施設に対する感想を語った。

完成した沖縄バスの車両
沖縄バスでは観光バス型の車両を10台、路線バス型の車両5台、計15台の車両を導入する

 また、コロナ禍により観光需要に大きな影響を受けている現状に対して、中山氏は「今般のコロナ禍による経済活動に与える影響は計り知れず、観光立県である沖縄県もこれまで経験したことのない壊滅的なダメージを受けております。弊社も大変厳しい状況ではありますが下を向いていては現状を打開せず、会社存続も危ぶまれます。私どもはいかなる場合でも従業員の雇用を守る義務があります。必ずや日本経済は回復します、まだ予断を許さない状況は続きますがバス製造会社、販売会社、事業者一丸となって、この局面を乗り越えてまいりましょう」との意気込みが語られた。

【お詫びと訂正】記事初出時、登壇者のお名前の表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。