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初のオンライン開催となる「CEATEC 2020 ONLINE」 新規出展社数は昨年の39%を上まわる45%に

見どころやポイントを紹介

2020年10月1日 実施

「CEATEC 2020 ONLINE」は10月20日~23日に開催

 電子情報技術産業協会、情報通信ネットワーク産業協会、コンピュータソフトウェア協会の3団体で構成するCEATEC 実施協議会は10月1日、初めてオンライン開催される「CEATEC 2020 ONLINE(シーテック 2020 オンライン)」のポイントや見どころに関する説明会を実施した。

 2020年のCEATECの会期は10月20日~23日で、参加登録は10月1日から公式Webサイトで開始されている。「CEATEC -Toward Society 5.0 with the New Normal(ニューノーマル社会と共に歩むCEATEC)」をスローガンに、ニューノーマルとは何かを考えて、共創していくための場として位置付けられているという。また、オンラインを実現するためのプラットフォームはCEATECのオリジナル版として準備が進められ、出展者からの意見を参考にプラットフォームを繰り返し作り替えながらブラッシュアップしてきたとのこと。

 CEATEC 実施協議会 エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は、「ニューノーマルを考える場としてオンラインで開催する今年のCEATECですが、ともすればリスクを考えて規模を縮小したり、対象者を限定したり、なんとかリアルで実現したいのでなんとかならないかなと、いろんなことをついつい考えてしまいました。しかしながら、オンライン開催こそがニューノーマル社会におけます新たなチャレンジであり、中途半端ではない完全なオンラインに踏み切ることで、これまでにない展示会の形を実現できるのではないかと改めて考え、覚悟を決めた次第です。従来の開催型式と違いますので、戸惑いやご心配などがあるかと思います。オンラインのCEATECという新たな場ですので、皆さまにはぜひさまざまなトライアルをしていただければと考えております。ぜひご一緒にチャレンジをしてみようではございませんか」と、CEATEC 2020 ONLINEに対する想いを語った。

CEATEC 実施協議会 エグゼクティブプロデューサー 鹿野清氏

オンライン開催だからこその体験を提供

 CEATEC 2020 ONLINEは、「ニューノーマルテーマエリア」「企業エリア」「Co-Creation PARK」の3エリアで構成。出展申し込み数は10月1日現在、300社以上の団体、企業出展が決まっているとのことで、2019年の出展数と比較するとほぼ同等となる見込みだとした。また、2019年は全出展社のうち39%が新規出展となったが、2020年は45%ほどになっているといい、ソフトウェアやソリューションの企業を中心に、オンライン開催だからこそ新規出展したのではないかという見方を示した。

2020年のCEATECは完全オンラインで開催
開催規模見込み
CEATEC 2020 ONLINEの概要

 具体的な参加方法については、公式Webサイトから入場登録を完了するとログインが可能となり、CEATEC 2020 ONLINEを構成する3つの展示エリアに加え、コンファレンスや公式イベントエリアの計5エリアに参加できるエントランスページに接続される。エントランスページでは、アクセスした時間に行なわれているコンファレンスやイベントの情報も表示されるため、ひと目で何が行なわれているか分かるようになっているとのこと。

エントランスページのイメージ

 ニューノーマルテーマエリアでは、ウィズコロナ時代の新たな社会や暮らしとなるニューノーマルをキーワードに、持続的かつ豊かな暮らしを実現するためのソリューションやテクノロジー、サービスを紹介。ニューノーマルソリューションズ、社会を支える要素技術デバイス、デジタル街づくりの3カテゴリーに分けられている。各カテゴリーの中で複数の企業が出展し、それぞれの共通テーマのもとで課題解決型の提案を行なうという。また、そのテーマに連携したコンファレンスも計画されているとのこと。

ニューノーマルテーマエリアのイメージ

 企業エリアは、リアル展示会のフロアスペースのように、出展内容の規模に合わせてプレミアムプラン、スタンダードプラン、ベーシックプランに分けられる。多彩な動画コンテンツなどのほか、キーワード検索も用意され、企業名やテーマ、技術などで検索をすると直接アクセスできるようになるとした。

 Co-Creation PARKは、国内外の100を超えるスタートアップ企業や大学の研究機関に出展を依頼。JETRO(日本貿易振興機構)の協力も得て、45社以上の海外のスタートアップ企業も参加するという。

 コンファレンスについては、これまでは幕張メッセの国際会議場でそれぞれの部屋ごとに100以上を行なってきたが、今回はオンラインということで5つのチャンネルを用意。新聞の番組欄のようなデザインとして、コンファレンス全体をひと目で見られるようにした。また、オンライン開催ということでコンファレンスの参加人数に制限がなく、いつでも好きな時間に見ることができるという特徴があるとした。

コンファレンスのイメージ。5つのチャンネルが用意される

 なお、会期初日となる10月20日の午前中には、チャンネル1でオープニングセレモニーを実施。主催者代表のあいさつに続き、日本経済団体連合会 副会長で三菱電機 特別顧問の山西健一郎氏があいさつを実施。また、ソニー 代表執行役 副会長 石塚茂樹氏、慶応義塾大学 教授 村井純氏、日本電気 取締役会長 遠藤信博氏による3本のキーノートに加え、会期2日目となる21日には日本を代表するゼネコンのトップとなる竹中工務店 取締役執行役員社長 佐々木正人氏、清水建設 代表取締役社長 井上和幸氏、戸田建設 代表取締役社長 今井雅則氏による講演も予定されている。

キーノートやコンファレンスの登壇予定者

 また、一部のチャンネルではNICT(情報通信研究機構)の協力をもとに、AIによる自動翻訳字幕を導入するほか、日本語のコンファレンスは英語の同時通訳でも聴講できるようにするなど、日本語だけでなく英語にも対応していく予定とした。

初めての試みとして、日本経済新聞社が主催するAIの活用ならびに交通移動手段とITとの融合をテーマにした「AI/SUM&TRAN/SUM」と連携したプログラムも用意される
10年続いているCEATEC AWARDは従来の総務経済産業大臣賞に加え、ニューノーマル関連の部門賞を新設

オンラインでも「CEATEC体験」を届ける機能

「展示を見て、コンファレンスを聴いて、未来の社会を感じて考えて、共創に向けて動き出すこと」という「CEATEC体験」を、幕張メッセではなくオンライン会場であっても実現できるように、「コミュニケーションチャット機能」「訪問履歴機能」「CEATEC GO機能」の3つのツールを新たに導入。

CEATEC体験とは
コミュニケーションチャット機能のイメージ
訪問履歴機能のイメージ
CEATEC GO機能のイメージ

 コミュニケーションチャット機能は、来場者が気になった展示をブースの説明員に聞くかのように、チャット機能を使って出展者と1対1でコミュニケーションがとれるというもの。

 訪問履歴機能は、多種多彩な展示が用意されている中であっても、物理的なブースがあるわけではないため、来場者が訪問したブースの履歴を自動的に記録するもの。出展者は、同じ展示ブースの中でも人気のある展示や訪問数がリアルタイムで見られるようになるという。

 CEATEC GO機能は、来場者が予想外の発見をできるように、全エリアの展示がランダムで表示されるというもの。リアル展示会で会場内を歩いていると面白そうな展示を見つける、というようなイメージだとしている。

 最後に鹿野氏は「CEATEC 2020 ONLINEは従来の幕張メッセの会場とは異なりまして、いつでもどこからでも参加をいただける新しい取り組みでございます。枠組みが大きく異なりますので残念ながらこれまでの20年の歴史と単純に比較するものではありませんが、オンラインの特徴を活かし、CEATEC最多となる来場者数を目指せればと期待をしています」と話し、過去最多を記録した2007年の20万5859名を超える来場者数を達成したいと抱負を語った。

2020年の来場目標者数