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CEATEC 2020 ONLINE、10月20日~23日開幕 開催概要とCEATEC AWARD発表
2020年10月19日 20:08
- 2020年10月19日 実施
電子情報技術産業協会、情報通信ネットワーク産業協会、コンピュータソフトウェア協会の3団体で構成するCEATEC 実施協議会は10月19日に会見を実施。CEATEC 2020 ONLINEの開催概要とCEATEC AWARDを発表した。
CEATEC 2020 ONLINEの会期は10月20日~23日で、スローガンを「CEATEC -Toward Society 5.0 with the New Normal(ニューノーマル社会と共に歩むCEATEC)」として、ニューノーマルとは何かを考え、共創していく場と位置付け、会場をこれまでの幕張メッセから史上初のオンラインに移して開催。12月末までオンデマンド配信される。
会見の冒頭では、CEATEC 実施協議会 エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏が「まさに史上初というのはどんなことでも困難が伴うものでございます。例年以上に短い準備期間の中で、オンライン開催を実現するための根幹となるプラットフォームをCEATECのオリジナル版として準備を進めてまいりました。出展社の皆さまもオンラインだからこそということで、多くの皆さまにご出展いただき、多種多様なコンテンツを揃えることができました」とあいさつを行なった。
CEATEC 2020 ONLINEの総出展者数は、2019年の355社/団体を超える356社/団体。なお、2019年まで発表してきた出展者数は、1社のブースに複数の企業が一緒に展示をする共同出展社の数も出展者数の中に含めてカウントしていたが、今回のオンライン開催では共同展示という形態がないため、“出展者数”=“出展社申し込み数”となる。
内訳は、新規出展数が164社/団体で、全体の割合は2019年の39%を上まわる約46%を占める。スタートアップ・大学研究機関については135社/団体で、主に「Co-Creation PARK」への出展となり、新規出展数も多くなっているとのこと。海外からの出展数は71社/団体で、JETRO(日本貿易振興機構)の協力により、初参加となるトルコやメキシコからの企業/団体も含む45社の海外スタートアップによる出展もあるとした。
最後に鹿野氏は「オンライン開催となります今年も、展示を見て、コンファレンスを聞いて、未来の社会を感じて、考えて、共に創る共創に向けて動き出すというCEATEC体験を感じていただけると確信いたしております。むしろ、オンラインならではの特徴を活かしながら、時間や場所を越えて、多くの人に体験していただきたいと考えております」。
「CEATEC 2020 ONLINEは従来の幕張メッセでの開催とは異なります。いつでもどこからでも、Anytime, Anywhereで参加のできる新たな取り組みとなります。枠組みが大きく異なりますので、単純に比較するのも難しいのでございますが、オンラインの特製を活かし、CEATEC最多の来場者を目指せればと期待しております。来場者数は幕張メッセでの開催と同様に会期中に同じ人が何回入場しても1人としてカウントをいたします。参考までにこれまでの来場者の記録は2007年の20万5859名。なんとかこれを超える数をみなさまにご来場いただければと考えております」と開催に向けての期待を語った。
CEATEC AWARD 2020
CEATEC AWARDはCEATEC AWARD 2020審査委員会が学術的、技術的、市場性や将来性の視点からイノベーションや高く優れて評価できるものを審査して表彰するもの。CPS/IoTによるSociety 5.0の実現を促すとともに、新たな価値と市場の創造・発展に貢献し、関係する産業の活性化に寄与することを目的として、CEATEC 2020 ONLINEに出展される技術や製品、サービスの中から、出展社が事前に応募した出展品や案件など計62件の中から「総務大臣賞」「経済産業大臣賞」「部門賞」が決定した。
総務大臣賞
富士通株式会社(出展エリア:General Exhibit Area)/国立研究開発法人理化学研究所
スーパーコンピュータ「富岳」
富岳は幅広いアプリケーションソフトを高い実効性能で利用できる世界最高水準のスーパーコンピュータ。2021年度の共用開始を目指して理化学研究所と富士通が共同で開発。システムとアプリケーションを協調的に開発し、消費電力性能、計算能力、ユーザーの利便性・使い勝手のよさ、画期的な成果の創出、それぞれを世界最高水準で備える、世界の他のシステムに対して総合力で卓越するシステム。
世界No.1の性能と電力効率を両立し、使うためのコンピューティングを両立させている点が高く評価され、スーパーコンピュータを活用したイノベーションが期待されるライフサイエンス、エネルギー、製造、環境などの分野へ向けた社会課題の解決やDXを支えるインフラとしての利用拡大を推進していることなど、日本の電子情報産業の新たな可能性を広げるとともに、多方面での産業競争力強化に貢献するものと期待されている。
経済産業大臣賞
株式会社東芝(出展エリア:General Exhibit Area)
「マイクロRNA検出技術」
マイクロRNA検出技術は、細胞が分泌するマイクロRNAの血中濃度を測定し、がんの超早期発見を可能にするもの。がん細胞は、特定のマイクロRNAの血中濃度を増加させるが、この変化を捉える独自の電気化学検出法を開発。早期発見が困難とされるすい臓がんなど13種がんのいずれかの罹患有無を、ステージ0の超早期から短時間、高精度に識別できる。研究開発段階では検査時間2時間で、99%の高精度での識別を確認したという。
スペース効率の高い小型装置により短時間で実現できることで、身体的負担の少ない血液検査によって転移を検査でき、がん再発の早期発見も見込めるなど、患者のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を改善するという点でも大きな貢献と評価された。技術を構成する装置とチップは純国産技術であり、他国企業のRNA検出技術と比べても検出時間、コスト面で優位な点から、がんに加えてほかの病気の識別も含めた幅広い国際医療パッケージとしての展開も有望であり、SDGs課題の3となる「すべての人に健康と福祉を」の課題解決に貢献すると期待される点も高く評価された。
部門賞
・ニューノーマル ソリューションズ部門賞 グランプリ
シャープ株式会社(出展エリア:General Exhibit Area)
「透明ディスプレイ パーティション」
・ニューノーマル ソリューションズ部門賞 準グランプリ
株式会社東芝(出展エリア:General Exhibit Area)
「シミュレーテッド分岐マシン」
・ニューノーマル社会を支える要素技術・デバイス部門賞 グランプリ
アルプスアルパイン株式会社(出展エリア:Themed Exhibit Area -New Normal-)「タッチレス操作パネル」
・ニューノーマル社会を支える要素技術・デバイス部門賞 準グランプリ
TDK株式会社(出展エリア:Themed Exhibit Area -New Normal-)
「AR グラス用 超小型フルカラーレーザーモジュール」
・ニューノーマル時代のデジタルまちづくり部門賞 グランプリ
TDK株式会社(出展エリア:Themed Exhibit Area -New Normal-)
「ピエゾ環境発電によるホイール完結型センシング」
・ニューノーマル時代のデジタルまちづくり部門賞 準グランプリ
ローム株式会社(出展エリア:General Exhibit Area)
IoT 時代の白物家電の待機電力極小化に貢献する、業界初のゼロクロス検知IC「BM1ZxxxFJ シリーズ」
・オープン部門賞 グランプリ
技術研究組合NMEMS 技術研究機構
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)(出展エリア:General Exhibit Area)
IoTネットワーク社会を支えるコインサイズの振動発電器
・オープン部門賞 準グランプリ
株式会社村田製作所(出展エリア:General Exhibit Area)
非振動型広帯域超音波発生デバイス
・Co-Creation PARK部門賞 グランプリ
株式会社AI メディカルサービス
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)(出展エリア:General Exhibit Area)
人工知能による胃がん内視鏡画像読影支援システム開発
・Co-Creation PARK部門賞 準グランプリ
該当授賞製品・案件なし