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GRスープラ、SUPER GTシーズン初の有観客試合を1-2フィニッシュ 優勝は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra

GT300はリアライズ 日産自動車大学校 GT-R優勝

2020年10月3日~4日 開催

SUPER GT第5戦富士、シーズン初の有観客試合を優勝したのは39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)

 10月3日~4日の2日間にわたって富士スピードウェイで「2020 AUTOBACS SUPER GT Round5 たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」(以下、第5戦富士)が開催された。4日13時30分からは決勝レースが行なわれ、GT500は予選5位からスタートした39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)が優勝。2位は14号車 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組、BS)、3位は8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)となった。

 GT300は予選6位からスタートした56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組、YH)が初優勝。2位は5号車 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組、BS)、3位は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)。

GT500、レースは1周目にセーフティカーが出る波乱のレースに

優勝した39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)

 GT500のスタートはめまぐるしい争いが繰り広げられた。ポールポジションからスタートした8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)を、2位からスタートした12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組、BS)がアウトから抜こうとしたが1コーナーを曲がり切れず、アウト側に飛び出してしまう。これで4位に後退する。

GT500のスタート

 その後方でも混乱が発生しており、16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組、YH)に、3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)が接触し、16号車はたまらずスピン、その横にいた38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)も巻き込まれる形で1コーナーの外に飛び出し、ともに順位を落とす。38号車、16号車の順で最後尾となった。

3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)はボンネットが吹き飛んでしまう
コース脇に停止する3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)

 この混乱はさらに連鎖、2コーナーからコカ・コーラ・コーナーへと向かうところで3号車のボンネットが吹き飛ぶトラブルが発生する。接触によるものなのかは定かではないが、3号車はフロント部分から出火もしており、そのままコースサイドに停止してリタイアとなってしまった。

 3号車のデブリが2コーナーの先に飛び散ってしまったということで、1周目が終わる前にセーフティカーが導入されることになった。

 セーフティカーが導入される前に、予選4位からスタートした24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー組、YH)が8号車を抜きトップに立っていた。このセーフティカーが導入された段階での順位はトップが24号車、2位に8号車、3位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)。

 5周目にレースが再々開すると24号車が逃げて行く展開かと思われたが、8号車、さらには23号車を抜いて3位に上がった12号車の3台が1秒以内で接近する展開に。13周目にトップの24号車がGT300に引っかかったところで8号車が1コーナーでアウトから抜いていき、8号車がトップに立った。

 12号車も続くかと思ったところ、12号車にはセーフティカー中に前車を抜いたとしてピットスルーペナルティが出されてしまい、一挙に最後尾まで順位を下げ、今回のレースでの勝負権を失ってしまった。

ピット作業を終えるとトップに立っていた39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra

 26周目あたりからピット作業が始まり、2位を走っていた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rがピットに入り、その翌周にはトップを走っていた8号車 ARTA NSX-GTがピットストップを終えた。

 32周目に全車がピットストップを終えるとトップに立っていたのはこの2車ではなく、39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra。37号車 KeePer TOM'S GR Supraが2位になっていたのだ。特に37号車はウェイトハンデ76kg(実際には50kg+燃リス2段階ダウン)なので、予選11位からスタートしていただけに2位にいるのは驚くべきジャンプアップだ。

 順位が落ち着くと1位は39号車、2位37号車、3位に24号車、4位は8号車、5位は100号車 RAYBRIG NSX-GTとなっていた。

 その後、36周目にここまでいいレースをして表彰台圏内にいた24号車がいきなりスローダウン。24号車はミッショントラブルでピットに入ってしまいトップ争いからは脱落したが、その後修復してレースには復帰して走り続けた。

 レースはトップを走る39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supraと37号車 KeePer TOM'S GR Supra、8号車 ARTA NSX-GTの3台のトップ争いになった。8号車 ARTA NSX-GTが見る見る差を詰めていって、37号車の背後に8号車がつく。すぐ抜けるかと思いきや、ウエイトハンデ50kgと燃リス2段階ダウンでもGR Supraはストレートの速度が速く追い抜くことができず、その後もずっと順位争いが続いて行くことになる。

 8号車が抜きあぐねていると、後ろから14号車 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組、BS)がやってきて、1周の間に2台をまとめて抜いていった。その混乱を利用して8号車も37号車を抜いたが3位変わらずとなる。

 結局レースは39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがそのままトップでチェッカーを受けて今季初優勝。2位は14号車 WAKO'S 4CR GR Supraでこれでポイントリーダーに浮上した。3位はポールからスタートしたが惜しくも優勝を逃した8号車 ARTA NSX-G。

終盤パンクしてしまった36号車

 4位は100号車の追い上げをなんとかしのいだ37号車 KeePer TOM'S GR Supra、5位はその100号車 RAYBRIG NSX-GT、6位は後半追い上げた16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、7位は19号車 WedsSport ADVAN GR Supra、8位は12号車 カルソニック IMPUL GT-R、9位は38号車 ZENT GR Supra、10位は燃リス三段階ダウンと厳しい状況の中で1ポイントを獲得した17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)となった。

GT500クラスの表彰式
優勝した39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)
GT500クラス 第5戦富士 決勝結果
順位カーナンバー車両ドライバー周回数タイム(2位以下はトップとの差)タイヤウェイトハンデ
139DENSO KOBELCO SARD GR Supraヘイキ・コバライネン/中山雄一661時間47分01秒279BS38
214WAKO'S 4CR GR Supra大嶋和也/坪井翔6610秒216BS64
38ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺6611秒162BS8
437KeePer TOM'S GR Supra平川亮/ニック・キャシディ6612秒355BS76
5100RAYBRIG NSX-GT山本尚貴/牧野任祐6620秒069BS64
616Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/笹原右京6640秒174YH24
719WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/宮田莉朋6640秒442YH6
812カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/平峰一貴66BS-
938ZENT GR Supra立川祐路/石浦宏明6657秒894BS56
1017KEIHIN NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲット6658秒794BS86
1123MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリ651 LapMI50
1236au TOM'S GR Supra関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ642 LapsBS82
1364Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹642 LapsDL20
1424リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/ヤン・マーデンボロー615 LapsYH2
R3CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/千代勝正0-MI32
GT500クラス ポイントランキング 第5戦富士終了時点
順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4Rd5合計次戦ウェイトハンデ
114大嶋和也/坪井翔111128154794
237平川亮/ニック・キャシディ2184584692
317塚越広大/ベルトラン・バゲット-2032014488
436関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ151511--4182
539中山雄一6562203978
6100山本尚貴/牧野任祐5615663876
738立川祐路/石浦宏明84-1623060
839ヘイキ・コバライネン--62202856
923松田次生/ロニー・クインタレッリ-2203-2550
1016武藤英紀/笹原右京-1-1151734
113平手晃平/千代勝正4354-1632
128野尻智紀/福住仁嶺31--121632
1364伊沢拓也/大津弘樹--91-1020
1419国本雄資/宮田莉朋2-1-4714
1539山下健太6----612
1639阪口晴南-5---510
1712佐々木大樹/平峰一貴----336
1824高星明誠/ヤン・マーデンボロー1----12

GT300は予選6位からスタートした56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが初優勝

GT300は56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組、YH)が初優勝

 GT300はほぼ予選順位どおりにスタートしたが、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)が予選3位の65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)を抜き3位に上がった。トップはポールからスタートしていた6号車 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組、BS)だが、16周目にスタートから徐々に順位を上げてきた56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組、YH)に抜かれてしまう。

GT300のスタート

 ピットストップを終えると、ブリヂストン勢はタイヤ無交換、さらには2輪交換などの作戦を駆使して順位を上げてくる。トップに立っていたのはタイヤ無交換作戦を採った52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)。すでにウェイトハンデは75kgになっているが、それをカバーする作戦として4輪無交換を選択して、トップに立った。

 だが、今回のレースで最速だったのは56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R。ピットストップ後にはトップの52号車にみるみる追いついていき、51周目に56号車が遂にトップに立った。

 2位は52号車と3位に上がってきた65号車 LEON PYRAMID AMGの争いになっていたが、55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組、BS)がその2台が争っている中でみるみる追いつき、2台のクルマをまとめてオーバーテイクして2位に上がった。その後、65号車も52号車を抜き3位の座を取り返した。

55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)が終盤上位に進出
55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)は、2台のクルマをまとめて抜いて2位へ

 レースはそのままゴールを迎え、優勝は56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-RでKONDO RacingとしてはGT300初優勝。2位は55号車 ARTA NSX GT3、3位は65号車 LEON PYRAMID AMG、4位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、5位は31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)。6位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)。

GT300クラスの表彰式
優勝した56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組)
GT300クラス 第5戦富士 決勝結果
順位カーナンバー車両ドライバー周回数タイム(2位以下はトップとの差)タイヤウェイトハンデ
順位カーナンバー車両ドライバー周回数タイム(2位以下はトップとの差)タイヤウェイトハンデ
156リアライズ 日産自動車大学校 GT-R藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ621時間48分14秒287YH48
255ARTA NSX GT3高木真一/大湯都史樹6223秒787BS57
365LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/菅波冬悟6225秒076BS100
452埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰6228秒041BS75
531TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴6228秒122BS15
688JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥611 LapYH45
76ADVICS muta MC86阪口良平/小高一斗611 LapBS9
84グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也611 LapYH21
97Studie BMW M6荒聖治/山口智英611 LapYH-
1011GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信611 LapDL100
1125HOPPY Porsche松井孝允/佐藤公哉611 LapYH9
1210TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R星野一樹/石川京侍611 LapYH39
1334Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/ジェイク・パーソンズ611 LapYH24
1421Hitotsuyama Audi R8 LMS川端伸太朗/近藤翼611 LapYH27
155マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号坂口夏月/平木湧也611 LapYH33
1661SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝611 LapDL100
1787T-DASH ランボルギーニ GT3高橋翼/山田真之亮611 LapYH-
1818UPGARAGE NSX GT3小林崇志/松浦孝亮611 LapYH45
GT500クラス ポイントランキング 第5戦富士終了時点
順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4Rd5合計次戦ウェイトハンデ
順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4Rd5合計次戦ウェイトハンデ
165蒲生尚弥/菅波冬悟685201150150
211平中克幸/安田裕信15-205141123
356藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ862-2036108
461井口卓人/山内英輝-15811-34102
555高木真一/大湯都史樹411-41534102
652吉田広樹/川合孝汰205--83399
72加藤寛規/柳田真孝-2011--3193
888小暮卓史/元嶋佑弥---1552060
918小林崇志/松浦孝亮--15--1545
1010星野一樹/石川京侍616--1339
115坂口夏月/平木湧也11----1133
1231嵯峨宏紀/中山友貴--5-61133
134谷口信輝/片岡龍也2-3231030
1421川端伸太朗/近藤翼-3-6-927
1596新田守男/阪口晴南---8-824
1634道上龍/ジェイク・パーソンズ34-1-824
176阪口良平/小高一斗-3--5824
1825松井孝允/佐藤公哉---3-39
199藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ1-1--26
207荒聖治/山口智英----226
21360青木孝行/柴田優作---1-13