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SUPER GT第2戦 富士、予選はホンダ NSX-GTがフロントロー独占 野尻智紀選手が圧巻のタイム

GT300は6号車 ADVICS muta MC86がポール

2020年8月8日~9日 開催

SUPER GT第2戦 富士のポールポジションは8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)

 日本で最も人気のあるモータースポーツ、SUPER GTの第2戦となる「2020 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」(以下、第2戦 富士)が、8月8日~9日の2日間にわたって無観客として開催されている。第1戦は予選と決勝が1日で行なわれるワンデーレースとして開催されたが、第2戦は土曜日に予選、日曜日に決勝という通常のフォーマットに戻っての開催となっている(ただし、感染症対策のためサポートレースなどは開催されていない)。

 8月8日土曜日は午前中に練習走行、午後には予選が行なわれ、日曜日の決勝レースに向けたグリッドが決定した。GT500は8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)がポールポジションを獲得。2位にも17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)が入り、決勝レースはホンダNSX-GT勢がフロントローを独占してスタートすることになる。3位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一/阪口晴南選手、BS)、4位は日産勢最上位となる12号車 カルソニック IMPUL GT-R、5位は23号車 MOTUL AUTECH GT-Rとなり日産勢の復調を印象づけた。

 GT300は今シーズンから参戦を再開したINGINGチームの6号車 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗、BS)がポールを獲得した。

GT500クラスは、2位もホンダ NSX-GTの17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)となり、NSX-GT勢の好調さを印象づけた

GT300 復帰参戦したINGINGの6号車 ADVICS muta MC86がポールポジション

GT300のポールポジションは6号車 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗、BS)

 GT300の予選は、Aグループ、Bグループというそれぞれ15台の2つのグループに分かれて予選1回目(Q1)が行なわれた。各グループの上位8台が予選2回目(Q2)へと進む仕組みだ。

 Q1のAグループでベストタイムをマークしたのは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)で、前戦リタイアでノーポイントに終わっただけに、今回の第2戦で巻き返す意味でも好調なスタートを切った。2番手は5号車 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也組、YH)、3番手は31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)だ。驚きだったのは、開幕戦で優勝したことで60kgというウェイトハンデを積んだ(2020年からGT300は第2戦以降はポイント×3kgが積まれるルールになっている)、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)が7位でQ1を突破してみせたことだ。そのほかの第1戦で上位に入った車両はみな下位に沈んだことを見ても、52号車は健闘したと言っていいだろう。

 Q1のBグループでトップタイムをマークしたのは朝のフリー走行でもトップタイムをマークしていた2号車 シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組、YH)で、柳田選手は2位に対して0.4秒以上の差をつけた。2位は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)で、3位は56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)。開幕戦2位で45kgのウェイトハンデを搭載した11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)は10位でQ2突破することができなかった。それだけにAグループで60kgを積んでいながらQ1を突破した52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTの強さが際立つ結果となった。

 予選2回目(Q2)でトップタイムを記録したのは6号車 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗、BS)で、今季から復活したINGINGチームが初めてのポールを獲得した。小高選手は今シーズンがフル参戦の事実上のルーキーと言ってよく、そのルーキーが初のポールポジションを獲得。

 2位は昨年のチャンピオンである55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組、BS)で、3位には2号車 シンティアム・アップル・ロータスが入った。4位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、5位は65号車 LEON PYRAMID AMG、6位は360号車 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作組、YH)が入った。前戦の覇者は9位となり、日曜日の決勝レースではさらにポイントを積み重ねてシリーズのリードを広げたいところだ。

2019年のチャンピオン、55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組、BS)は予選2位
好調の2号車 シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組、YH)は予選3位
61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)は予選4位
5位は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)
GT300クラス 第2戦富士予選結果
順位カーナンバーマシンドライバーQ1Q2タイヤウェイトハンデ
16ADVICS muta MC86阪口良平/小高一斗1'37.4411'36.270BS-
255ARTA NSX GT3高木真一/大湯都史樹1'37.4791'36.378BS12
32シンティアム・アップル・ロータス加藤寛規/柳田真孝1'36.7751'36.419YH-
461SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝1'37.0111'36.445DL-
565LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/菅波冬悟1'37.2401'36.826BS18
6360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/柴田優作1'37.8911'36.890YH-
75マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号坂口夏月/平木湧也1'37.3681'36.969YH33
856リアライズ 日産自動車大学校 GT-R藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ1'37.5601'36.980YH24
952埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰1'37.7441'37.089BS60
104グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也1'37.6411'37.387YH6
1134Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/ジェイク・パーソンズ1'37.5141'37.643YH9
12244たかのこの湯 RC F GT3久保凜太郎/三宅淳詞1'38.0141'37.677YH-
1330TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学1'37.7241'37.947YH-
149PACIFIC NAC D'station Vantage GT3藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ1'37.7601'37.951MI3
1521Hitotsuyama Audi R8 LMS川端伸太朗/近藤翼1'37.8511'38.065YH-
1631TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴1'37.4461'38.219BS-
1718UPGARAGE NSX GT3小林崇志/松浦孝亮1'38.034-YH-
187Studie BMW M6荒聖治/山口智英1'37.885-YH-
1911GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信1'38.399-DL45
2010TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R星野一樹/石川京侍1'37.892-YH18
2135arto RC F GT3佐々木雅弘/堤優威1'38.492-YH-
2288JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥1'37.910-YH-
2387T-DASH ランボルギーニ GT3高橋翼/山田真之亮1'38.586-YH-
2460SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本大樹/河野駿佑1'38.055-MI-
2550ARNAGE AMG GT3加納政樹/山下亮生1'38.864-YH-
2696K-tunes RC F GT3新田守男/脇阪薫一1'38.426-DL-
2733エヴァRT初号機 X Works R8ショウン・トン/松村浩之1'39.068-YH-
2825HOPPY Porsche松井孝允/佐藤公哉1'38.452-YH-
2922アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹1'39.861-YH-
3048植毛ケーズフロンティア GT-R田中優暉/飯田太陽1'38.955-YH-

GT500の予選はNSX-GT勢がフロントロー独占 GR Supraは3位、GT-Rは4位、5位

 GT500の予選1回目(Q1)で、トップを切ってコースインしたのは64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)。GT500の中で唯一ダンロップタイヤを履く64号車はほかのチームよりも1周前にコースに入り、ほかのタイヤ勢に比べてゆっくり温めようという作戦だとみられる。その64号車に少し遅れて、そのほかのチームが続々とコースインした。

 このQ1でトップタイムをマークしたのは100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)。2番手は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一/阪口晴南組、BS)で、3位は12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組、BS)。そして4位だったのが36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組、BS)で、開幕戦2位で30kgというウェイトハンデを積んでいるのにもかかわらずこの4位は賞賛されてしかるべき結果だ。

 開幕戦を優勝して42kgのウェイトハンデを積んでいる37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)は10位だったことを考えると、このQ1突破は大きな意味を持つ。

 日産勢は12号車の3位に加えて、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)も7位に入っており、徐々に巻き返している様子がうかがえる。

 ポールを獲得したのは8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)。8号車はQ1では8位のタイムだったのに対して、Q2では野尻智紀選手が圧巻のタイム 1分27秒300をマークして、2位になった17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)の1分27秒459に対してコンマ1秒以上引き離してポールを獲得した。これにより明日の決勝レースはホンダNSX-GT勢が1-2からスタートすることになった。3位は開幕戦に引き続きヘイキ・コバライネン選手が入国できなかったことにより、替わりに抜擢された阪口晴南選手がQ2をドライブした39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一/阪口晴南選手、BS)。4位は日産勢の最上位となる12号車 カルソニック IMPUL GT-R、5位は23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが入り、4位、5位とGT-Rの復調を印象づけた。6位は36号車 au TOM'S GR Supra。

GT500クラス 第2戦富士予選結果
順位カーナンバーマシンドライバーQ1Q2タイヤウェイトハンデ
18ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺1'27.9911'27.300BS6
217KEIHIN NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲット1'27.9521'27.459BS-
339DENSO KOBELCO SARD GR Supra中山雄一/阪口晴南1'27.6021'27.729BS12
412カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/平峰一貴1'27.6341'27.795BS-
523MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリ1'27.9711'27.799MI-
636au TOM'S GR Supra関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ1'27.8871'27.863BS30
7100RAYBRIG NSX-GT山本尚貴/牧野任祐1'27.3281'27.987BS10
814WAKO'S 4CR GR Supra大嶋和也/坪井翔1'27.9591'28.049BS22
916Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/笹原右京1'28.089-YH-
1037KeePer TOM'S GR Supra平川亮/ニック・キャシディ1'28.094-BS42
1138ZENT GR Supra立川祐路/石浦宏明1'28.101-BS16
123CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/千代勝正1'28.168-MI8
1364Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹1'28.197-DL-
1419WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/宮田莉朋1'28.236-YH4
1524リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/ヤン・マーデンボロー1'29.073-YH2
ポールポジション記者会見。左からGT500クラスポールポジションの野尻智紀選手、福住仁嶺組選手(後方)、GT300クラスポールポジションの小高一斗選手(後方)、阪口良平選手