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賞金総額500万円「AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020 Series」 オートバックスが参画するeモータースポーツ大会12月開幕

2021年3月に賞金制大会となるラウンドファイナルを開催

2020年10月12日 発表

NGM株式会社 代表取締役 北浦諭氏(左)と株式会社オートバックスセブン 代表取締役 社長執行役員 小林喜夫巳氏(右)

 NGMは10月12日、オートバックスセブンをメインスポンサーにして、賞金総額500万円となる国内最大規模のeモータースポーツ大会「AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020 Series」を12月19日に開幕すると発表した。

 NGMが主管となりJeGT実行委員会が主催する「AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020 Series」は、PlayStation4用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」を使用したeモータースポーツ大会。特別協賛にオートバックス、協賛としてロジクール、BRIDE、後援として日産自動車が参画する。

メインビジュアル
AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020 Seriesの開催概要
特別協賛にオートバックス、協賛としてロジクール、BRIDE、後援として日産自動車が参画

 賞金総額は500万円となり、個人戦「INDIVIDUAL MATCH」の優勝賞金が100万円、チーム戦「TEAM BATTLE」の優勝賞金が150万円、優勝者以外の各部門賞金配分については、10月13日にリニューアル予定のJeGT公式Webサイトにて発表予定としている。

賞金総額500万円となるAUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020 Series

eモータースポーツでは国内史上最高の賞金総額500万円

JeGTのあゆみ

 JeGTは、プロレーシングチーム、自動車関連企業、世界大会・全国大会などに出場するトップゲーマーたちによる「リアルとバーチャルが融合したハイレベルなeモータースポーツ大会」として2019年9月に誕生。2020年4月にはオートバックスセブンがメインスポンサーに就任して、それぞれがこれまでに培ったノウハウを持ち寄り、5月と8月にオンライン形式でのエキシビション大会を開催してきた。

大会の基本構成と日程

 公式シリーズとして開催されるAUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020 Seriesでは、TEAM BATTLE(チーム戦)へは12組~最大20組が、INDIVIDUAL MATCH(個人戦)へは12名~最大36名がそれぞれ出場予定となる。

 今後、オンライン形式にて予選ラウンドを計4回開催して、個人戦ポイント上位8名、チーム戦ポイント上位8チームが2021年3月に開催される賞金制大会ラウンドファイナルに出場。ラウンドファイナルでは、オフラインによるリアルイベントと生配信が実施される。

JeGT認定ドライバー
JeGTドラフト会議で指名を受けるとチーム戦に参戦できる

 JeGTに参戦できるのは、主にJeGT認定ドライバーとなり、高度なスキルを有していることを客観的に証明したGTプレイヤーで、「JeGTドライバーズセレクション(JDS)」に合格することで認定を取得したドライバーとなる。

 認定ドライバーの権利として、JeGT GRAND PRIXの個人戦にエントリー可能(他はプロレーサーのみ)。また、JeGTドラフト会議により指名を受けるとチーム戦に参加することができる。個人戦、チーム戦ともに賞金制大会のラウンドファイナルで入賞することにより、賞金を受け取ることができる。

 2020年9月末現在、認定ドライバーの認定者数は19名。以後オンラインでJDSを開催して、認定ドライバーを増やしていく予定としている。

出場予定選手とチーム

 2020年10月現在、個人戦へは、認定番号順で、NO.01:菅原達也選手、NO.02:植木俊輔選手、NO.03:宮園拓真選手、NO.04:龍翔太郎選手、NO.05:太田健選手、NO.08:加藤達彦選手、NO.09:古川拓己選手、NO.11:大田夏輝選手、NO.12:宮部和哉選手、NO.13:岡田衛選手、NO.14:川上奏選手、NO.15:高橋一樹選手、NO.16:井芹颯真選手、NO.18:小木田恭悟選手、NO.19:古畑貴彬選手の計15名が仮エントリーしている。また、チーム戦へはレーシングチームや自動車関連企業を母体とするチームが参加可能予定となっている。

JeGTは、全5ラウンドで実施され、最終戦となるラウンドファイナルがオフライン形式のリアルイベントで開催される。その舞台となる会場は、ららぽーとEXPOCITY(大阪府吹田市)内に2020年に完成した国内最大級のeスポーツ施設「REDEE」を予定しており、横幅40mのスクリーンを有するアリーナで、今までにはなかった大迫力のバトルが展開される

eモータースポーツはリアルとバーチャルの親和性が高い

NGM株式会社 代表取締役 北浦諭氏

 同日開催された記者発表会で、NGM代表取締役の北浦諭氏はeモータースポーツに取り組む理由について、eモータースポーツがリアルの競技動作と極めて親和性が高いこと、クルマ離れが進む若者たちの興味を呼び戻すこと、そうした2つの理由を話した。

 北浦氏は「日本でもなじみの深いジャンルである格闘ゲームを例にすると、プロの格闘ゲーマーの方は必ずしも格闘技が強いわけではありません。同じようにプロの格闘家をやりながら、格闘ゲームもトップレベルという方もほとんどいないと思います。ところがeモータースポーツの場合は違います。レーシングゲームのトップゲーマーが実車のレースでも優秀な成績を収めるというケースがすでにあり、また同じくプロレーサーの方がレーシングゲームの全国トップ3に入るというようなことも実際に起こっています。小さなころからレーシングゲームに没頭し、腕を磨き続けてきた青年がリアルモータースポーツの世界で活躍するというシンデレラストーリーが、この世界ではすでに現実になっています」と話した。

 また、北浦氏は「一方で昨今では若者のクルマのそのものに対する興味が薄れてきているとも言われています。かつては若者の憧れの象徴であったクルマも今では趣味嗜好が多様化して、ほかのさまざまなものにその対象が変わってきています。eスポーツファンの中核を成すのは10代後半から30代前半、平均年齢は約25歳前後と言われています。まさにクルマへの興味を失いつつあるのも同じ年齢層の方々ではないでしょうか。リアルモータースポーツの世界は人気が高いです。今もサーキットには何万人ものファンが訪れるまさに華やかで憧れの舞台ですが、サーキットはクルマがないと行くことができない遠方にあるため、今の若者たちはその楽しさや華やかさを知らない、見たことがないという人も多くいます。それが、eスポーツの要素を加えればサーキットでしか見ることができなかった本格的なカーレースが、例えば駅前の商業施設やご自宅の近くのイベント会場など、一気に身近な場所で楽しめるものに変化いたします。クルマの魅力、レースの魅力をそれまであまり身近に感じられなかった方々に対して訴求していくことができれば、その結果クルマ離れが進む若者たちの興味を呼び戻すことにつながり、クルマ業界はまた再び盛り上がるのではないか、そしてその手段としてeモータースポーツは最適ではないか」との思いを明かした。

100年に一度の変革期、オートバックスはクルマを好きになってもらう活動を続けていく

株式会社オートバックスセブン 代表取締役 社長執行役員の小林喜夫巳氏

 オートバックスセブン 代表取締役 社長執行役員の小林喜夫巳氏は「(eモータースポーツは)バーチャルとオンラインが一緒になって競争ができる。私どもバーチャルではなく、リアルのスポーツとして長年(モータースポーツを)支援をさせてもらいましたけども、これから先“e”という部分で、いろんな融合の結果、なにか化学反応が起こるんじゃないかなと思っています。化学反応はそれは何か分かりません、でも楽しみやワクワクやドキドキ、こんなことが起こるんじゃないでしょうか。プロのレーシングドライバーがゲーマーのトップの方と同じ土俵で戦う、こんなことはほかのゲームであり得るでしょうか。そういったところにこれからの楽しみが出てくるような気がしています」と、同大会への期待感を語った。

 また、小林氏は「私たちのクルマ業界は、100年に一度の変革期と言われています。クルマはあらゆるものと通信で繋がりました、クルマはいろいろな意味で自動化、オート化が進んでいます。クルマは1人で所有するよりもみんなで所有する、シェアする、こんな世界になってきました。そして今年は残念ながら新型コロナの蔓延で、なかなか収束を見せません。こういったところから私たちのクルマと暮らしが大きく変わりました。そんな変化がある社会の中でも、私どもはしっかりとクルマを好きになっていただく、そんな活動をこれからも積極的に展開をしていきたいと思っています」との意気込みが語られた。