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日本の春夏秋冬を考えた横浜ゴムのウルトラワイドベーススタッドレスタイヤ「903W」 グッドデザイン賞ベスト100プレゼン審査

2020年10月8日 開催

横浜ゴムのウルトラワイドベーススタッドレスタイヤ「903W」

 10月30日に発表される「グッドデザイン大賞」。その候補となる「グッドデザイン・ベスト100」受賞デザイナーによるプレゼンテーション「ベスト100プレゼンテーション審査」が行なわれ、横浜ゴム TBR製品企画室の岡部英俊氏がウルトラワイドベース スタッドレスタイヤ「903W」についてプレゼンテーションを行なった。

 グッドデザイン・ベスト100は、10月1日に発表された2020年のグッドデザイン賞1395件以上の受賞デザインの中から、未来を示唆するデザインとして特に高い評価を受けた100件。グッドデザイン大賞は、その100件の中から10月30日に審査委員と2020年度のグッドデザイン賞受賞者による投票を実施して1件が決定される。

2020年度グッドデザイン賞 特別賞審査会 第一部:グッドデザイン・ベスト100 プレゼンテーション審査ルームY(横浜ゴムのプレゼンは:7時間27分あたりから)
日本国内のトラック業界のタイヤカテゴリーの需要構成比を示して、ウルトラワイドベースタイヤにスタッドレスタイヤを用意する重要性を説いた

 ベスト100プレゼンテーション審査に登壇した岡部氏は、日本国内のトラック業界のタイヤカテゴリーの需要構成比は、およそオールシーズン4割、スタッドレス4割とその2つの商品群で大部分が占められていることを紹介。ウルトラワイドベースタイヤにスタッドレスタイヤの903Wをラインアップに加えることで、岡部氏は「それにもまして、春夏秋冬一年を通してウルトラワイドベースをご使用いただけます」と強調した。

大型トラックに採用されている2本1組のタイヤを1本にすることのメリットを説明

 プレゼンテーションでは、トラックに採用されている複輪を単輪することができるウルトラワイドベースタイヤを導入するメリットについて、岡部氏は「通常2本で186kgのところを、1つにまとめることで131kgと、マイナス55kgの軽量化になります」と説明。これによりトラック1台では最大200kg以上の軽量化が可能になるといい、「つまり車体を軽量化できるので、それだけ荷物をいっぱい積めるということで輸送効率のUPにつながります」と話した。

横浜ゴムのウルトラワイドベースタイヤのラインアップ

 また、2019年の日本のトラックバス用タイヤ需要において、約半数がスタッドレスタイヤとなっていることを紹介。「つまりお客さまにとってスタッドレスタイヤがないと冬に履くタイヤがないということになりまして、当社では2019年に(ウルトラワイドベース)の夏タイヤを発売しまして、2020年にスタッドレスタイヤとして903Wを発売いたしました。これにより春夏秋冬一年を通してウルトラワイドベースをご使用いただけます」と強調した。

ウルトラワイドベース化に向けた課題に対して「SpiraLoop」を採用して解決を図った横浜ゴム独自の構造技術を紹介

 タイヤを複輪から単輪にする上で最も重要となるのは耐荷重性の向上となる。岡部氏は横浜ゴム独自の構造技術として「SpiraLoop」を採用したことを紹介。一般的な角度付きのスチールベルトに加え、繋ぎ目の無いスチールベルトを、タイヤ回転方向に対し真っ直ぐに配置。この構造により、安全に複輪分の荷重を支えることが可能となり、ホイールも含めたタイヤユニットの軽量化と省スペース化を実現させたという。