ニュース

SUPER GT第7戦もてぎ予選、GT300は61号車スバル BRZ、GT500は64号車 ホンダ NSX-GTがポールポジション

ダンロップタイヤが両クラスで最速タイム

2020年11月7日~8日 開催

GT500のポールポジションを獲得した64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)

 SUPER GT 第7戦「2020 AUTOBACS SUPER GT Round7 FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」(以下、第7戦もてぎ)が、11月7日~8日の2日間にわたりツインリンクもてぎで開催されている。通常はシーズン最終戦となるレースだが、今年はコロナ禍に伴いスケジュールが変更され第7戦として開催されている。このためSUPER GTの特徴であるウェイトハンデもGT500はポイントどおり、GT300はポイント×1.5となっており、上位車両のウェイトハンデが減ったレースになるので、最終戦に向けて重要なレースとなる。

 GT500のポールポジションは64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)、2位は8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)、3位は100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)とNSX-GT勢が1-2-3を占め、上位を独占した。

 GT300は前戦となる第6戦富士でセーフティカーのタイミングがわるく下位に沈んでしまった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)。今回のレースではそこから巻き返して、ランキング上位との差を縮めるレースにしたい61号車は、ポールを獲得したことにより1点を加えて、明日の決勝レースでの大量ポイント獲得に弾みをつけた。2位は244号車 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組、YH)、3位は11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)。

GT300のポールポジションは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)。ダンロップタイや装着車がGT500、GT300の両クラスで予選トップタイム

GT300、悲願のチャンピオン獲得に向け61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口/山内組)がポールポジション

 2020年のGT300は全レースでAグループ、Bグループの2つのグループに分けられ予選1回目(Q1)が開催されている。その中で上位8台が予選2回目(Q2)へ進む仕組みになっている。

 グループAのトップタイムをマークしたのは、ランキング5位でウェイトハンデ51kgを積んでいる61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)。61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは、前戦鈴鹿でトップを走行していながら、セーフティカーが出たタイミングが最悪で惜しくも下位に沈むレースになってしまった。今回のレースには賭けているだけに、この結果は決勝に向けて上々の出だしと言える。2番手は48号車 植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/富田竜一郎組、YH)で、ドライバーの富田選手は今シーズン欧州のGTシリーズに参戦しており、今シーズンのSUPER GTには初登場でいきなり結果を出してきた。

 シリーズの上位勢は、61号車は別にしてウェイトハンデが効いており、ランキング6位の52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)が9位、ランキングトップの65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)が10位と、いずれもQ1で敗退にした。

 今シーズンのGT300は前戦までポイント×3kg、最大100kgまでとなっていたが、今回はポイント×1.5kgとなっており、ランキングトップの65号車は77kgとランキング2位の62kgなどに比べて重くなっており不利な状況になっている。

 グループBでもランキング2位で61kgのウェイトハンデを搭載している11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)がトップタイムをマークして、Q1を突破した。ダンロップ勢はまるでウェイトハンデなどは関係のないかのように、Aグループでも、Bグループでもランキング上位の2台がトップタイムをマークしている。2位は30号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(永井宏明/織戸学、YH)、3位は18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮、YH)が最後の最後でタイムをあげてQ2へ進んだ。ランキング上位勢ではランク3位の55号車 ARTA NSX GT3(大湯都史樹/松下信治組、BS)が6位に入りQ2へと進んだ。

 55号車は、レギュラーで走っている高木真一選手が、スーパー耐久で負傷してしまったため、今回は欠場。その替わりに、今シーズン途中までF2を走っていた松下信治選手が代役として加わっている。Q1は大湯選手が走行し、松下選手はQ2担当となる。

 Q2でもダンロップ勢の勢いは続いた。トップタイムをマークしたのは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。山内選手がドライブするBRZは、2番手に入った244号車 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組、YH)を0,230秒差引き離してトップタイムをマークしてポールポジションを獲得した。これで、61号車はポールポジションを獲得したことで1ポイント加え、ランキング5位は変わらないが、トップとの差を16点差に縮め、明日のレースで悲願のチャンピオンを獲得に向けて重要なレースを戦うことになる。

 3位はランキング2位の11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)。4位はHOPPY Porsche(松井孝允/佐藤公哉組、YH)、5位は360号車 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也組、YH)、6位はTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)となる。

 今回のレースがデビュー戦となった松下信治選手がドライブする55号車 ARTA NSX GT3は12位になり、明日のレースでは巻き返しを目指すレースになる。

予選2位は244号車 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組、YH)
予選3位は11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)
GT300クラス SUPER GT第7戦もてぎ予選結果(暫定)
順位カーナンバー車両名ドライバーQ1Q2タイヤウェイトハンデ
161SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝1分46秒9731分46秒200DL51
2244たかのこの湯 RC F GT3久保凜太郎/三宅淳詞1分47秒2091分46秒430YH-
311GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信1分46秒1571分46秒433DL62
425HOPPY Porsche松井孝允/佐藤公哉1分47秒1411分46秒801YH8
5360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/大滝拓也1分47秒1871分47秒026YH2
631TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴1分47秒1481分47秒075BS17
756リアライズ 日産自動車大学校 GT-R藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ1分47秒3751分47秒170YH54
85マッハ5G GTNET MC86 マッハ車検坂口夏月/平木 湧也1分47秒5831分47秒303YH29
918UPGARAGE NSX GT3小林崇志/松浦孝亮1分47秒0881分47秒361YH23
104グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也1分47秒4161分47秒363YH32
1134Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/ジェイク・パーソンズ1分47秒3551分47秒522YH12
1255ARTA NSX GT3大湯都史樹/松下信治1分47秒1761分47秒601BS57
1396K-tunes RC F GT3新田守男/阪口晴南1分47秒1201分47秒639DL23
1430TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学1分46秒8491分47秒721YH-
1510TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R星野一樹/石川京侍1分47秒5061分47秒979YH20
1648植毛ケーズフロンティア GT-R田中優暉/富田竜一郎1分47秒0821分48秒341YH-
172シンティアム・アップル・ロータス加藤寛規/柳田真孝1分47秒575-YH47
1852埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰1分47秒816-BS50
1935arto RC F GT3ショーン・ウォーキンショー/マティアス・ベッシェ1分47秒652-YH-
2065LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/菅波冬悟1分47秒835-BS77
2121Hitotsuyama Audi R8 LMS川端伸太朗/近藤翼1分47秒698-YH44
2233エヴァRT初号機 X Works R8ショウン・トン/佐々木孝太1分47秒907-YH-
2388JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥1分48秒292-YH30
247Studie BMW M6荒聖治/山口智英1分47秒999-YH8
259PACIFIC NAC D'station Vantage GT3藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ1分48秒391-MI3
266ADVICS muta MC86阪口良平/堤優威1分48秒181-BS35
2722アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹1分50秒129-YH-
2860SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本大樹/河野駿佑1分48秒663-MI-
2987T-DASH ランボルギーニ GT3高橋翼/山田真之亮2分40秒711-YH8
3050ARNAGE AMG GT3加納政樹/廣田築1分50秒274-YH-

GT500は、驚速ダンロップの64号車 Modulo NSX-GT(伊沢/大津組)がポールポジション。NSX-GTは1-2-3

GT500のポールポジションを獲得した64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)

 GT500の予選1回目(Q1)でもダンロップタイヤが活躍を見せた。トップタイムをマークしたのは、大津弘樹選手がドライブする64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)。GT300のQ1のA組、B組がいずれもダンロップ勢がトップタイムをマークしたのに続いてみせた。2番手は19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組、YH)。3位は午前中の公式練習でマシントラブルで思うように走れなかった100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)。ホンダ勢はもう一台の8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)が入っており、トップ4のうち3台がNSX-GTとなった。日産勢の最上位は5位に入った3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)。

 2点差の中に上位5台という激戦のポイントランキング争いでは、ランキング3位の23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)が7位、5位の36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組、BS)が8位でQ2へ進出した。それに対してランキングトップの14号車 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組、BS)、ランキング2位のKeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太組、BS)、ランキング4位のKEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)はいずれもQ1敗退となり、明暗を分けることになった。

 Q2でもダンロップ旋風は続いた。伊沢拓也選手がドライブする64号車 Modulo NSX-GT が1分34秒140をマークして、2番手に0.453秒差をつけてポールポジションを獲得した。これでダンロップタイヤは、GT300、GT500の予選の5つのセッション全てでトップタイムをマークした。伊沢選手と64号車のポールポジションは第3戦鈴鹿以来で2回目となる。2位は8号車 ARTA NSX-GT、3位は午前中の公式練習では全く走れなかった牧野選手がドライブする100号車 RAYBRIG NSX-GT。これでホンダ勢はフロントロー独占しただけでなく、1-2-3と予選上位を席巻した。

 日産勢の最上位は23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの4位、トヨタ勢の最上位は19号車 WedsSport ADVAN GR Supraの5位。6位は38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)、7位は36号車 au TOM'S GR Supra、8位は3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。

予選2位は8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)
予選3位は100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)
GT500クラス SUPER GT第7戦もてぎ予選結果(正式)
順位カーナンバー車両名ドライバーQ1Q2タイヤウェイトハンデ
164Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹1分36秒3681分36秒140DL15
28ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺1分36秒8611分36秒593BS28
3100RAYBRIG NSX-GT山本尚貴/牧野任祐1分36秒8251分36秒779BS38
423MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリ1分37秒2331分36秒885MI45
519WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/宮田莉朋1分36秒7141分37秒151YH9
638ZENT GR Supra立川祐路/石浦宏明1分37秒2261分37秒173BS36
736au TOM'S GR Supra関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ1分37秒2711分37秒500BS45
83CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/千代勝正1分37秒0781分46秒060MI24
914WAKO'S 4CR GR Supra大嶋和也/坪井翔1分37秒304-BS47
1017KEIHIN NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲット1分37秒328-BS45
1116Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/笹原右京1分37秒463-YH17
1239DENSO KOBELCO SARD GR Supraヘイキ・コバライネン/中山雄一1分37秒564-BS39
1337KeePer TOM'S GR Supra平川亮/山下健太1分37秒572-BS46
1412カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/平峰一貴1分37秒615-BS18
1524リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/ヤン・マーデンボロー1分37秒860-YH4