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ニスモ、スカイラインGT-Rのレストアビジネス「NISMO restored car」開始

「ホワイトボディねじり剛性測定」と「ボディ寸法測定」を含めた修復などを実施

2020年12月4日 発表

「スカイライン GT-R」(R32)

 NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は12月4日、日産自動車が販売した「スカイライン GT-R」(R32、R33、R34)のレストアビジネス「NISMO restored car」を開始すると発表した。

 NISMO restored carでは、ニスモならではの付加価値と品質、基準に基づいて性能を担保したレストアを実施。ニスモ直営店にてコンプリートカー販売や持込車への施工を実施するという。

 ニスモは、2017年11月より、製造廃止となっていた純正部品の復刻販売を行なう「NISMOヘリテージ」を日産自動車との共同プロジェクトとして実施してきた。その活動を進める中で、ニスモのスカイラインGT-Rでのレース活動を支えたクルマ作りのノウハウ、そして、ニスモ直営店で提供してきたメンテナンスやチューニングの知見や技術を土台とした「ニスモが考えるレストア車」を新たに定義。

 NISMO restored carの基準は、日産自動車の直系であることを活かして「性能の可視化」と「新車レベルの性能に近づける」を掲げる、ニスモが提案する新たなレストア施工になるとしている。

 ニスモが定義するレストア施工については、視覚的に綺麗にするレストアという一般的な考え方/手法を超え、すべての領域で「性能も可視化した形でレストアする」という新たな概念で行なうという。

 特にボディのレストアは基準値に基づいたニスモにしかできないレベルの施工とし、各パーツについても日産自動車で定められた点検や測定に準じ、すべてを数値化して性能を確認。また、車両1台を構成するすべての部品について、継続、交換(部品番号含む)、点検、再塗装などの履歴を記録し、提示するとしている。

1.ボディ:日産自動車の実績もベースにしたニスモ基準で「ホワイトボディねじり剛性測定」と「ボディ寸法測定」を含めた修復を行ない、劣化値修正がされた良好なバランスを維持した総合的な性能を確認。劣化したシーリングの再塗付後、車体すべてを希望色で再塗装。(オプション:電着塗装・メルシート交換)
2.エンジン:全分解でのオーバーホールとバランス取り後、ベンチ台上での性能測定とラッピングを行ない、新車時レベルの性能が出ることを確認。(オプション:NISMOチューニング仕様へアップデート)。駆動系 - 作動確認・点検・分解洗浄・オーバーホール・消耗劣化部品の交換・塗装。制動系 - (オプション:希望の部位構成部品の追加交換)
3.内装:クリーニング(オプション:NISSAN GT-R(R35)の表皮を使い、インテリアをトータルコーディネートした張替え。プラスティック部位の塗装リペア)。電装系 - 導通作動確認・点検・消耗劣化部品の交換
4.完成検査:シャシダイナモメータでの性能測定後、ニスモのテストドライバーまたはプロドライバーによるチェック走行で、性能の最終確認を行なう

 なお、同社では、世界的に新たな価値を獲得し始めたスカイラインGT-Rをはじめとする日本車をよりよいコンディションで後世へ残すことにもつながる活動と考えていて、この新たな活動をより多くの人に理解してもらうことを目的に、BH AUCTIONにて、BNR32をベースに製作されたNISMO restored carのプロト車の紹介、展示を2021年春より実施するという。