ホンダ、スクーター「PCX」をフルモデルチェンジ エンジンやフレームを刷新

ハイブリッドスクーター「PCX e:HEV」

　本田技研工業は、スクーター「PCX」シリーズをフルモデルチェンジし、新型「PCX」「PCX160」「PCX e:HEV（イーエイチイーブイ）」の3モデルを2021年1月28日に発売する。価格はPCXが35万7500円、PCX160が40万7000円、PCX e:HEVが44万8800円。

　新型PCXは、軽快なハンドリングと日常での取り回しやすさを追求した新設計フレームに、出力向上とさらなる低燃費を実現した、新設計の水冷4ストローク 124cc単気筒エンジン「eSP+（イーエスピープラス）」を搭載。

新型PCX

新設計の「eSP+」を搭載

　前後輪ディスクブレーキにフロントのみ作動する1チャンネルABSを標準装備するとともに、スリップしやすい路面での安心感に寄与する「Honda セレクタブル トルク コントロール」を新たに採用するなど、上質な走りとすぐれた環境性を高次元で両立させた。

　さらに、日常での使い勝手により配慮し、容量拡大を図ったラゲッジボックスの採用や、携帯端末の充電などに便利な「USBソケット」を標準装備するなど、使い勝手のよい装備もより充実させている。

ドリンクホルダーを装備

PCXとPCX160のラゲッジボックスは30Lに拡大

PCX e:HEVのラゲッジボックスは24Lに拡大

　新型PCX160は、PCXをベースに、エンジン排気量を156ccへ拡大することで、より力強く、快適な走行性能を実現。市街地の走行から、高速道路を経由した通勤や郊外へのツーリングまで、幅広い走行シチュエーションで余裕と充実の走りを提供する軽2輪スクーター。

新型PCX160

　新型PCX e:HEVは、PCXをベースに、高出力型リチウムイオンバッテリーをエネルギー源として、エンジンの始動や発電を担っているACGスターター（モーター）に駆動アシストの機能を追加させた「ハイブリッドシステム」を採用する原付二種スクーター。

　出力向上を図った新設計エンジン「eSP+」にモーターによるアシストを組み合わせることで、低回転域でのトルク向上を図り、機敏なスロットルレスポンスや高い動力性能を、静粛性などの上質感を保ちながら実現した。

新型PCX e:HEV

新型PCXシリーズの主な特徴

　動弁機構を4バルブ化することでバルブ面積を拡大させ、混合気の吸気効率と燃焼ガスの排気効率を高めることで高出力化を達成。さらに、シリンダー内径×行程のショートストローク化による摺動抵抗の低減と圧縮比を高めたほか、ピストン裏側へのエンジンオイルを噴射し、効率的な冷却と点火時期の進角化を可能とするピストンオイルジェットの採用などにより出力向上に寄与。

　また、油圧式カムチェーンテンショナーリフターを採用することで、フリクション低減と、騒音、振動の抑制を両立。さらにエアクリーナーからインレットパイプまでの吸気経路を拡大するとともに、スロットルボディー径を拡大することで吸気効率を向上。マフラー内部構造の最適化や排気抵抗の低減などを図るとともに、キャタライザーの配置を最適化し排気ガスの浄化性能を高めるなど、力強い走りと優れた環境性能を高次元で両立させた。

油圧式カムチェーンテンショナーリフターを採用

マフラー内部構造の最適化と排気抵抗の低減が図られた

快適で上質な走りを提供する車体・足まわり

　フレームを新設計し、剛性バランスを保ちながらフレームボディ単体での軽量化を実現。軽快なハンドリングや取り回しのしやすさをより進化させた車体パッケージングとなった。また、ラバーマウント構造のハンドルホルダーを採用し、車体からライダーの手に伝わる不快な振動を軽減。心地よいライディングを実現した。

　ホイールも新設計し、タイヤのワイドサイズ化を図るとともに、リアアクスルトラベルを伸長させることで、軽快なハンドリングと快適な乗り心地を両立。また、前後ブレーキにディスクタイプを採用。フロントのみ作動する1チャンネルABSも標準装備する。

充実の先進装備と日常での利便性を追求した各種機能

　前後輪の車輪速センサーとスロットルポジションセンサーの信号を基に、燃料噴射量制御を行なうことでエンジントルクを制御し、後輪のスリップを抑制する「Honda セレクタブル トルク コントロール（HSTC）」を新たに採用。

　また、USBソケットをフロントインナーボックス内に新たに標準装備。スマートフォンなどの携帯端末の充電などが行なえるほか、ラゲッジボックスの容量を、PCX/PCX160は30L、PCX e:HEVは24Lに拡大し、利便性を向上させている。

「Honda SMART Keyシステム」を採用。スマートキーを携帯して車両に接近することで、スマートキー自体を取り出すことなく、メインスイッチノブの解施錠が可能に。また、別売りの純正アクセサリーに「トップボックス35L スマートキーシステムタイプ」を新たに設定。Honda SMART Key システムと連動させることで、より便利にトップボックスの解錠が可能となる。

流麗で上質感のあるスタイリングデザイン

　水平基調で伸びやかなプロポーションと、シンプルでエレガントな面構成に、ダイナミックな流れを感じさせるエッジラインを合わせたデザインとすることで、PCXの先進性と上質感をより強調した外観に一新。

フロントビュー

リアビュー

　PCX/PCX160のカラーバリエーションは、上質な装いを表現した「キャンディラスターレッド」。精悍で落ち着きある印象の「ポセイドンブラックメタリック」。クリーンで上品な印象の「パールジャスミンホワイト」。

　金属感からくる力強い印象の「マットディムグレーメタリック」の4色を設定したほか、PCXにはさらに、フレッシュで若々しい印象の「マットコスモシルバーメタリック」を設定。PCX e:HEVは、ホワイトとブルーのコンビネーションで先進的なイメージを表現した「パールジャスミンホワイト」1色の設定となる。