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コンチネンタルタイヤ、過酷な電動SUVレース「エクストリーム E」にモニタリング機能付きタイヤを供給

砂漠、砂利、ガレ場、泥地、氷路などあらゆる路面を走るためのサポートを実現

2020年12月16日(現地時間)発表

エクストリームEのワンメイクマシン「オデッセイ21」

 コンチネンタルタイヤは12月16日(現地時間)、2021年3月にスタートする新たなオフロードレースシリーズ「エクストリーム E」に、タイヤ・モニタリング・システム「コンチ・コネクト(ContiConnect)」を内蔵するタイヤをワンメイク供給すると発表した。

 EV(電気自動車)レースの「フォーミュラ E」と連動して開催されるオフロードレース「エクストリーム E」は、地球の最果ての地で行なわれるSUVモデルのEVで競うモータースポーツ。開催地は、サウジアラビアの砂漠、セネガルの海岸、グリーンランド、ブラジルの熱帯雨林、パタゴニアの氷河地帯が予定されていて、チームは異なる気候に対応するだけでなく、タイヤに過度の負担がかかる非常に困難な地形を克服しなければならない。

タイヤは、エクストリーム E創設パートナーのコンチネンタルが、この過酷なレースのために開発したスペシャルタイヤを提供する。

エクストリーム E用に開発されたスペシャルタイヤ

 エクストリーム EはSUVモデルのEV「オデッセイ 21」のワンメイクで催される。このオデッセイ21は最高出力約550hpで、フォーミュラ Eの第2世代車両(Gen 2)と比べて3倍のトルクを誇るマシン。また、各車のハンドルを握るのはプロのレーシングドライバーで、車両とタイヤの性能を最大限に引き出すことに集中した走りが求められる。なお、第1シーズンには10チームが参加すると予想されている。

過酷なレースがタイヤにも過酷な要求を課す

コンチネンタル プロジェクトマネージャー サンドラ・ロズラン氏

 コンチネンタルのプロジェクトマネージャーであるサンドラ・ロズラン氏は「このレースは、どこも同じようなアスファルト路面を持つサーキットでは行なわれません。参加チームは自然環境の中で、砂漠、砂利、ガレ場、泥地、氷路など変化に富んだ異なる路面でレースを行ないます。他にも急加速、急ブレーキ、急カーブでの高速コーナーリング、ドリフト、ジャンプなど、レース中に遭遇する典型的なシチュエーションもあります。加えてタイヤには、このレースのために特別に開発された車両の特徴によって多大な負荷がかかります。かつてないコース設定を考えると、モータースポーツにおいてタイヤがこれまでに直面したことのない最大の挑戦になります。また、ドライバーが車両と自分自身の安全を最大限に確保しながら、タイヤを限界まで使いこなすことができるように、車両には特別なタイヤ・モニタリング・システムが搭載されています」と述べている。

タイヤを管理することでより安全なレース運びが可能に

 タイヤ・モニタリング・システムのコンチ・コネクトは、各タイヤ内部のセンサーが空気圧や温度などのデータをリアルタイムに収集し、そのデータを測定・分析し、運転席のディスプレイに表示してドライバーに知らせるシステムとなる。

 タイヤの空気圧や温度の変化を光と音の信号でドライバーに警告し、ドライバーはそれに応じた行動をとることで、タイヤの故障を未然に防ぐことが可能となる。同時に、タイヤデータはテクニカルサポートチームのモニターやコンピューターにも送信され、レース後に分析するために保存されるようになっている。

 コンチ・コネクトによるタイヤの管理は、当初は商用車業界のためにレトロフィットソリューションとして開発されたが、2013年以降ユーザーのニーズに合わせて徐々に利用範囲が拡張され、現在は世界中で使用されている。

 コンチ・コネクトにより車両管理者は、ウェブポータルを介して所有車両すべてのタイヤ空気圧と温度データにアクセスすることができ、タイヤデータは、車両がヤードリーダーステーションの前を通過したときの静止状態と、ドライバーに情報を提供するコンチ・コネクト ドライバーアプリを使用した走行中のライブ状態の2つの方法のいずれかでウェブポータルに転送されるという。

アプリ画面のイメージ