コンチネンタル、スマホアプリで車両データを確認できるBluetooth対応超小型2輪車用EMS

コンチネンタルはBluetooth対応の2輪車用EMSなどを展示

　自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日まで。登録が必要だが入場は無料。

　コンチネンタルは、2輪車向けの超小型EMS（エンジン・マネジメント・システム）を展示している。Bluetoothによる通信機能を備え、EMSが扱うデータをスマートフォンなどとやりとりできるのが特徴だ。

　同社が扱う2輪車用EMSは、小排気量から大排気量まで幅広い車種向けに提供している。そんななか、とりわけインド・ASEAN市場では小排気量の2輪車の人気が高まっており、しかも既存の古い車両のキャブレターを高性能なものに交換するというトレンドもある。同社が開発している超小型EMSは、そうした車両で簡単に交換できるようになっているとのこと。

中央奥がBluetooth対応の小型EMS。左手前は2019年発売のドゥカティ「Panigale V4」に搭載されているというEMS。これもコンチネンタルが開発したもの

　この超小型EMSは、スロットルボディが一体化しているだけでなく、Bluetoothによる通信機能も備えている。ユーザーがスマホのアプリを介して2輪車のデータを取得・表示するといった使い方のほか、遠隔からのエンジンON/OFFといった制御も可能で、シェアバイクにおける鍵の管理といった用途にも利用できる。

　また、2輪車だけでなく、水上バイクや芝刈り機のような乗り物・機械にも対応可能。担当者によると、複数台の芝刈り機を自動制御する仕組みにも応用ができるとのこと。現在のところ、この超小型EMSは50～250ccの車両に対応できるとしている。

奥の黒い部分がEMS。手前のバルブ部分は車両に応じてカスタマイズして提供される

　同社のブースではそれ以外に、激しい振動にさらされていても静止時と同じように物体認識が可能なLiDARモジュールのほか、カメラ、LiDAR、レーザーの3種類を用いてカラー映像とセンサー情報を統合処理できるフュージョンセンサーをデモ展示している。

実際には激しく振動しているLiDARモジュール

しかし映像はわずかに揺れているように見える程度で、物体の認識精度は振動を止めたときと全く変わらない

さらに進化したLiDARモジュール、カメラ、LiDAR、レーザーの3種類のセンサーが組み合わされている

カメラで捉えたカラー映像と、モノクロもしくはドットデータのセンサー情報を統合し、より詳細な物体認識が行なわれる

　また、その国の無線通信の対応状況に応じて使用する通信規格を選べる、セルラーV2XとDSRC両対応の「Hybrid V2X」、速度メーターやナビ画面、電子サイドミラーの映像などをシームレスに表示できる曲面ディスプレイ、従来から重量を3割、コストを2割それぞれ削減したコンパクトな一体型電動パワートレーンなども紹介している。

セルラーV2XとDSRCの両方に対応した「Hybrid V2X」

メーターパネルなどに用いることを想定した曲面ディスプレイ。樹脂製で安全性にも優れる

メーターのほか、ナビ画面、電子サイドミラーの映像を表示することも考えられる

横から見たところ

樹脂パネル部分のみの展示。かなりの薄型であることが分かる

電動モーターにインバーターとギヤボックスが一体化されたEV向けのコンパクトなパワートレーン。インバーターなどが別体だった従来製品に比べて重量が3割、コストは2割削減された

リアルタイムの道路情報収集や危険予知を可能にするeHorizonのデモ

eHorizonが実現する仕組みの1つ。先行車両の走行情報をクラウドに送信し、後続車がその情報からコーナーのタイミング、適切な走行速度などの情報を得られる

欧州などで多く見られる速度を落とすためのバンプ。そういった路面の凹凸に関する情報や警告の事前通知もeHorizonによって実現する

コンチネンタルのブース