人とくるまのテクノロジー展 2019
自動車技術会、「人とくるまのテクノロジー展」開幕の概要説明会を開催
自動車産業は100年に1度の大変革期を迎え、CASEなどに対応していかなければ競争を生き残れない
2019年5月22日 12:03
- 2019年5月22日~24日 開催
- 入場無料
自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日まで。登録が必要だが入場は無料。
その開幕に先立って、9時20分からは自動車技術会 展示会企画会議 議長 豊増俊一氏、自動車技術会 総務担当理事 葛巻清吾氏が、自動車技術会の展示会場のステージにおいて報道関係者向けの概要説明を行なった。
自動車技術会の主要展示会のテーマは「新たな自動車技術が支える地域創生」
自動車技術会 展示会企画会議 議長の豊増氏は、人とくるまのテクノロジー展2019 横浜の概要やテーマなどについて説明した。豊増氏は「自動車技術会は、2050年までに想定される自動車技術の開発を促進する2050年チャレンジ宣言に沿って自動車技術の開発を推進しており、電力の活用や通信ICTの利活用、道路ネットワークとの融合などにより、プラットフォームベースでクルマの価値を拡大していく」と述べ、自動車技術会が現在の自動車が抱えているさまざまな課題を解決すべく技術開発を続けていくと述べた。
そのうえで、2019年~2020年の自動車技術会が行なう主要展示会のテーマは「新たな自動車技術が支える地域創生」で、横浜で行なわれる今回のイベントは「革新的社会インフラと融合した“くるま”進化の方向性」がテーマとなり、この夏に名古屋で行なわれるイベントでは「革新的社会インフラと融合した“くるま”進化を生み出す重要技術」とし、名古屋ではより新しい技術にフォーカスしたイベントになると述べた。
今回の自動車技術会の企画展示では「移動コスト最小、エネルギーコスト最小、ビジネス効率拡大」であると述べ、エネルギーコスト最小ではEV(電気自動車)とインフラ接続詞、エネルギーの地産地消を目指す取り組み、移動コスト最小では高度な自動運転技術で低コストで利用できる交通インフラ構築、ビジネス効率拡大ではコネクテッドカーのソリューションなどにより、遠隔接客を行なう様子などをデモンストレーションすると述べた。そして、それらを支える技術として、EVの充電ソリューション、5Gの受信技術、自動運転向けのダイナミックマップの技術などであり、従来の自動車の枠を超えたITなども取り組んでいくことになると説明した。
また、企画公演では自動車技術の第一人者による講演が行なわれると説明し、「これから3日間、この展示会が自動車技術を開発するエンジニアにとってよい交流や研鑽の機会になることを期待したい」とまとめて講演を終えた。
自動車産業を取り巻く環境は100年に1度の大変革期
自動車技術会 総務担当理事の葛巻氏は「自動車産業を取り巻く環境は100年に1度の大変革期を迎えている。CASEと呼ばれる通信、自動運転、シェア、電気という新しい技術革新の波が押し寄せている。今後は競争相手も、協業相手も、これまでの自動車産業だけでなく、IT産業も含まれるようになり、競争領域もハードウェアからソフトウェアへと変わろうとしている」と述べ、自動車産業が転換点を迎えており、CASEなどに対応していかなければ競争を生き残ることができないと指摘した。
その上で「昨今の悲惨な事故などもあり、自動運転への期待をとても感じている。また、高齢化社会ということで、その中での公共交通の代わりとしての役割も期待されている。その一方で社会的受容性などの課題もあり、解決していかなければならない」と述べ、そうしたクルマが社会に役立つために自動車技術会では「新たな自動車技術が支える地域創生」というテーマを掲げ、次の100年にも自動車が使ってもらえるようになるために、自動車産業の中で競争はしつつ、協業できることは協業していくことが重要だとした。
そして、自動車技術会の設立趣意書を紹介し「令和の時代になったが、もう1度自動車技術会の創立の原点に戻って、新しいステップを踏み出したい。自動車技術会の役割は、産官学連携であり他の業界との連携、国際連携、自動車産業の次の人材の育成などになる。まだ踏み出したばかりでスピードも遅いかもしれないが、今後もそうした取り組みに協力して頂きたい」と述べ、講演を終了した。