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愛知製鋼、世界初の3万4000rpmを実現する「EV向け電動アクスル」を開発
Dyフリーボンド磁石「マグファイン」と高強度材料を融合させ、従来比40%の小型軽量化も目指す
2021年1月7日 15:31
- 2021年1月7日 発表
愛知製鋼は1月7日、2030年以降の電動車の本格普及とそれに伴う資源不足への対応として、従来品より40%の小型軽量化を実現する「EV向け電動アクスル」の技術実証に世界で初めて成功したと発表した。
電動アクスルはモーターが一体化された駆動ユニットで、電動車に不可欠な減速機。電動化を加速させるためには、小型軽量・省資源で電力消費率に優れた大量の電動アクスルが必要不可欠となり、開発品ではEV向けモーターとしては未知の領域となる最大3万4000rpmで回転させ、実用域まで高減速化することで電動車に求められるトルクを引き出すことが目標。
新たなEV向け電動アクスルは、愛知製鋼のDy(ジスプロシウム)フリーボンド磁石「マグファイン」と鍛鋼一貫による高強度材料を融合させたもので、従来比40%の小型軽量化の実現が見えてきたという。
なお、その成果は1月20日~22日まで開催される「第13回 オートモーティブ ワールド」および「オリジナル特設Webサイト」で公開される予定となっている。
EV向け電動アクスルの特長
小型軽量化
マグファインの特徴となる「高磁力」「高電気抵抗」「ロータコアへの一体成形」を活かした超高速回転によりモーターの小型化を実現。さらに、独自の鍛鋼一貫による高強度材料で構成したトランスアクスルギヤ(現行ギヤ比20%軽量化)を用いたことで、高減速機の小型化も実現。この組み合わせにより、従来の電動アクスル比で約40%の小型化に目途が立ったという。
優れたリサイクル性
マグファインはボンド磁石であるため、磁石使用後に樹脂だけ分解・除去することで、Nd(ネオジム)が含まれた磁粉の再利用が可能(実証実験で磁粉回収率90%を実現)。