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愛知製鋼、新開発の「省資源高強度高圧水素用ステンレス鋼」が新型「ミライ」に採用

レアメタル材不使用で従来と同等のすぐれた強度と耐水素脆化特性を実現

2020年12月10日 発表

新開発の省資源高強度高圧水素用ステンレス鋼「AUS305-H2」

 愛知製鋼は12月10日、トヨタ自動車が2020年12月より販売するFCV(燃料電池自動車)新型「MIRAI(ミライ)」の水素充填口などの高圧水素系部品として、新開発の省資源高強度高圧水素用ステンレス鋼「AUS305-H2」の供給開始を発表した。

 AUS305-H2は、JIS規格のSUS305相当鋼で、レアメタルである高価なモリブデン不使用の省資源高強度高圧水素用ステンレス鋼。モリブデン不使用でも、愛知製鋼独自の成分設計技術により、初代MIRAIに採用された「AUS316L-H2」と同等のすぐれた強度と耐水素脆化特性を実現する。

AUS305-H2の特徴
使用例の一部(新型MIRAIの水素充填口)

 さらに、快削元素の添加により、クライアントの工程における切削加工性を向上させている。これにより省資源化と低コスト化を実現し、FCVやインフラである水素ステーションのさらなる普及にも寄与。

 愛知製鋼は今後も、水素社会の早期実現と自動車の電動化を支える素材開発をさらに強化していくとともに、環境負荷の少ない製品の提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。

トヨタ自動車の新型FCV(燃料電池自動車)新型「ミライ」