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ジャガーは全車EV化、ランドローバーは今後5年間で6種類のEVラグジュアリーSUVを投入する新戦略「Reimagine」発表

新CEOのティエリ―・ボロレ氏が新戦略について語る

2021年2月15日(現地時間)発表

ジャガーは全車EVラインアップを目指す

デザインによるモダン・ラグジュアリーの未来を再構築

 英ジャガー・ランドローバーは2月15日(現地時間)、最高経営責任者(CEO)であるティエリ―・ボロレ氏が、今後の電動化計画やカーボンニュートラルなど重要な戦略に関する発表をオンライン中継にて行なった。

 ジャガー・ランドローバーは、2つのブランドを通じてデザインによるモダン・ラグジュアリーの未来を再構築すると発表。目の肥えたユーザーに向けて、世界で最も魅力的なラグジュアリーカーとサービスを提供するという。

Reimagine戦略を語るボロレ氏

両ブランドの電動化を中心とした新たな「Reimagine」戦略

 Reimagine戦略の中心となるのは、ランドローバーとジャガーの両ブランドの電動化で、ユニークな個性を持つ別々のアーキテクチャを採用するという。ランドローバーでは「レンジローバー」「ディスカバリー」「ディフェンダー」の3つのファミリーを通じて、ラグジュアリーSUVの世界的リーダーであり続けるため、今後5年間で6種類のEV(電気自動車)ラグジュアリーSUVを導入する予定で、最初のモデルは2024年に登場する予定だと明かされた。

ランドローバーは今後5年間で6種類のEVラグジュアリーSUVを投入予定

 一方ジャガーブランドでは、10年以内にデザイン的に美しく次世代テクノロジーを備えた、純粋なEVのラグジュアリーブランドとして浮上すると明言。

 また、2030年までにジャガーラインアップでは100%、ランドローバーラインアップでは約60%がテールパイプの無い(排出ガスの出ない)パワートレーンを搭載する予定であることが語られた。ディーゼルエンジンについては2026年までに廃止する方向だという。

 ジャガー・ランドローバーの目標としては、2039年までにサプライチェーン、製品、オペレーション全体でCO2排出量をゼロにする目標を掲げており、その一環として水素燃料についても準備を進めているという。開発はすでに進行中で、今後1年以内にプロトタイプが英国で走行する予定であることも今回明かされた。

 また、今後も継続的に年間25億ポンドを投資し、ADASの発展や自動運転技術を高め、デジタル体験やコネクテッドサービスなど新たな体験をユーザーに提供するという。

3つの新たなプラットフォームを開発

 Reimagine戦略では2つのブランドの異なる個性を確立するために、3つのプラットフォームを用意。2つはランドローバー用で、1つはジャガー専用のピュアEV用プラットフォームという。

 最初に登場するのはランドローバー用のMLA(Modular Longitudinal Architecture)というフレックスプラットフォーム。内燃機関(ICE)も搭載するが、今後5年間で電動化へと移行させる予定だという。その次にはEMA(エレクトリック・モジュラー・アーキテクチャー)を投入する予定で、これはハイブリッドエンジンなどにも対応できるプラットフォームとなる。

 そして現在MLAプラットフォームを製造している西ミッドランド州のソリハル工場が、ジャガーの純電気プラットフォームの製造本拠地になるという。