KDDI、災害時の迅速な通信復旧を目指し「水陸両用車」「四輪バギー」を国内通信事業者として初導入

「水陸両用車」「四輪バギー」の導入で災害時の迅速な通信復旧を目指す

　KDDIは2月25日、自然災害時に携帯電話の利用が困難となったエリアでの早急な通信復旧を目的として、「水陸両用車」「四輪バギー」を国内通信事業者として初めて導入したことを発表した。

　KDDIは陸路が絶たれた場合に海上から電波を発信する船舶型基地局や、山間部の孤立地域における通信を可能とするヘリコプター基地局の実証実験など、東日本大震災から10年間さまざまな災害対策機材の導入・検討を推進している。

四輪バギー「OUTLANDER Hmr 1000R」

　近年、自然災害が激甚化し、長期間の降雨による浸水で被災地に進入できないなど、従来の機材では対応が難しい想定外の事象が多発。復旧要員のスキル向上のみでは対処できない甚大な被害への対策として、水陸両用車と四輪バギーの導入を決定した。

　この2台の導入によって、浸水被害が広く発生したエリアなどにおける復旧要員と機材の運搬が可能になり、迅速な通信の復旧が期待できるという。

　また、2月25日に宮城県にて、今回導入した2台に加え、ヘリコプター基地局など空で活躍する機材もあわせ、災害の発生から対策までの一連の流れを訓練する「2021 KDDI災害対策訓練」が実施される予定。

水陸両用車「AURORA 850SX HUNTMASTER」

　長期間にわたる降雨などにより浸水した地域の通行に活用。陸上および水上で走行可能な車両で、浸水エリアでの復旧機材運搬や復旧要員を現地へ派遣するといった用途を想定。浸水だけでなく、自然災害であらゆる散乱物に覆われた悪路でも進入が可能。

四輪バギー「OUTLANDER Hmr 1000R」

　災害現場への進入を阻む、倒木や散乱物、崖崩れなどで幅員が狭められた道路通行に活用。水陸両用車よりも小型な全地形対応型車両で、通常車両と比較し、道幅の狭い道路へ進入が可能。