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トヨタ救急車「ハイメディック」2020年式デモカーのプロモーション動画を公開

トヨタ救急車「ハイメディック」2020年式デモカー

安全面が進化した救急車ハイメディック

 トヨタカスタマイジング&ディベロップメントは、毎年1月に開催されている全国救急隊員シンポジウムの併設展示会「救急資機材展」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったため、展示を予定していた救急車「ハイメディック」の新デモカーのプロモーション動画を特設サイトにて公開している。

 新デモカーは、2020年6月の一部改良により「事故を起こさないクルマ」の実現をめざし、ぶつからないをサポートする「自動(被害軽減)ブレーキ」プリクラッシュセーフティなどの機能を含めた衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」やVSC(車両安定制御システム)、TRC(タイヤ空転抑制機能)などを装備。さらに、道路とクルマ、クルマ同士が通信し、死角のクルマや歩行者の存在などを知らせてくれる「ITS Connect」も装着している。

「ITS Connect」も装着

近隣住民に配慮した赤色LEDライト「アクティビーコン」

3つの点滅モードを選べるアクティビーコン

 緊急車両の存在を知らせる赤色灯も進化していて、販売店オプションとなる「アクティビーコン」は、昼間でもハッキリと発光するLEDランプを採用。さらに3段階の点滅モードを搭載し、明るく点滅して周囲に存在をアピールする通常緊急走行時に使用する「ノーマルモード」、ノーマルモードに比べ、内部のLEDが大きく円を描くように強力に発光し、交差点進入時などのより他車へ接近を確実に知らせたい場面で使用する「ハイパーモード」、そして夜間の住宅街での活動時など、明るさや光の動きを控えめにし、近隣住民へ配慮した「ソフトモード」を状況に応じて選択できるようにした。

 なお、ハイパーモードは、モーターサイレンの各スイッチに、ソフトモードはパーキングブレーキに連動して作動する仕様となっている。

上から、ノーマルモード、ハイパーモード、ソフトモード

瞬時に切り替わる調光フィルム「QQスクリーン」

上が調光フィルムの「透明」状態で、下が「くもり」状態

 高規格救急車の半数以上が装着している布カーテンは、簡単で便利な装備ではあるものの「臭いが残る」「血液などが付着すると清掃が大変」「衛生管理上、定期交換が必要」「活動中にひっかけて破損してしまうことがある」といった声が救急隊員から寄せられていたという。そこで、活動負荷の軽減を目的に調光フィルムをオプション設定した。

 調光フィルムは、スイッチ操作1つで「透明」と「くもり」の切り替えが可能で、新デモカーは左側面とバックドアのガラスの上半分に施工済み。下半分は通常のくもりフィルムが施工されている。調光フィルムは、左側面とバックドアと個別に切り替えることが可能となっていて、さらに傷つきにくいハードコート加工で、オゾンガスを用いた消毒作業にも対応している。

救急車の車内

2次感染リスクを低減するビニールカバー「イーカプセル」

 2020年から開発が進められていたストレッチャー取付式簡易アイソレーター「イーカプセル」は、2次感染リスクを低減させる単回使用ビニールカバーで、高い集塵性能を残るULPAフィルターを採用したモデル。

 患者を搬送するストレッチャーを覆うビニール内側の空気を常に換気し、PTFE ULPAフィルターを採用することで、0.1~0.2μm粒子を99.9999%以上除去して排気するというもの。電源は乾電池と外部入力(DC12V、AC100V)を使用でき、車内、室内、屋外など幅広く対応する。

日々進化しているハイメディック

 救急車ハイメディックは、ベースとなる車両(ハイエース)を、初代は拡幅に、2代目はストレッチと専用の改造が施されてきたが、実は2台として同じ仕様・装備はないとのこと。

初代ハイメディック(1992~1997年)
2代目ハイメディック(1997年~2006年)