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救急搬送時のウイルス感染防止機材「陰圧搬送用簡易カプセル」。トヨタカスタマイジング&ディベロップメントが開発中

医療従事者に向けた治療時飛沫感染防止機材も開発実験中

2020年4月10日 発表

救急医療従事者に向けた搬送時ウイルス感染防止機材として開発中の「陰圧搬送用簡易カプセル」

 トヨタカスタマイジング&ディベロップメントは4月10日、新型コロナウイルス対策に向けた取り組みとして、救急医療従事者に向けた搬送時ウイルス感染防止機材となる「陰圧搬送用簡易カプセル」を開発中であることを明らかにした。

 同社が開発をすすめる陰圧搬送用簡易カプセルは、患者を搬送するストレッチャーを覆うビニール内側の空気を常に換気し、特殊フィルターを採用することでウイルスの99.9995%以上を除去して排気するというもの。電源は乾電池式にすることにより、軽量化や電源の入手性を確保した。

ビニール内側の空気を常に換気して、特殊フィルターの搭載でウイルスの99.9995%以上を除去して排気する

 同社では、ウイルス除去フィルターを国内生産可能なメーカーとタイアップして開発を進めており、すでに試作を終えて近日デリバリーが可能という。

 日本の救急車で大きなシェアを持つ同社は、救急医療中の感染拡大防止に向けた開発を急ピッチで進めているといい、特殊救急資機材の枯渇がある中で、海外依存品の国内生産化と搬送車両とのマッチングなど多くのメリットを提供できるとしている。

医療従事者に向けた治療時飛沫感染防止機材の開発

 このほかにも、同社は次世代救急医療に向けた研究を共同で行なっている都内大学病院の依頼で、医療従事者に向けた治療時飛沫感染防止機材を開発実験中。4月下旬までには現場実証に投入するという。

 新型コロナウイルスばかりではなくそのほかの感染症を含めた防護機材の準備ができない中で、患者個々をガードする機材の必要性があり、医療用フェイスシールドだけでは防御しきれない広範囲の飛沫拡散を最小限度に抑えるという。