トヨタ、「ジャパンタクシー」ベースの新型コロナ感染者移送用車両を千葉県に提供

フロントシート後方に隔壁を設置。リアシートに座る人などの飛沫がフロントシートに循環しないようコントロールしている

　トヨタ自動車は4月21日、タクシー専用車両「JPN TAXI（ジャパンタクシー）」をベースに、新型コロナウイルスに感染した軽症患者の移送用に開発・架装を行なった車両1台を千葉県に提供したと発表した。

　これは千葉県からの協力要請を受け、トヨタ自動車東日本 東富士研究所が開発・架装を担当した車両。ジャパンタクシーの運転席と助手席がある車両前方スペースと、Bピラー以降の車両後方スペースの間に隔壁を設置。前方を陽圧、後方を陰圧にすることで、後方スペースの空気が前方に循環しないようコントロールする「飛沫循環抑制車両」となっている。

　すでに、同様の対策を施した車両5台を東京都内の病院などにも提供して、軽症患者の移送に活用されているという。

トヨタ自動車のタクシー専用車両「JPN TAXI（ジャパンタクシー）」

　トヨタとトヨタグループ各社では、「安全・安心を最優先に現場で戦っている方々、苦しんでいる方々の気持ちに寄り添いながら、私たちにできることを即断、即決、即実行していく」との方針に基づき、社会的な最優先課題となっている感染拡大の抑制や医療現場の支援に向け、さまざまな側面から対策を検討し、迅速に対応。

　軽症患者を療養施設などに移送して病床を確保し、医療崩壊を防ぐことを目指した取り組みが日本各地で始まっているが、ドライバーの感染を防止して軽症患者を安全に運べる車両が課題になっているとの認識から、医療現場のニーズをヒアリングし、少しでも役に立てる車両を提供するため検討を進めてきた結果としている。