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ダイハツ、AI人材の教育プログラム開始 「AI道場」でAIエキスパート人材を養成

開発・生産・事務等の現場でのAI活用例公開

2021年3月4日 発表

本社(池田)工場の足まわり検査工程における打音検査の判定でAIツールを実装

 ダイハツ工業は3月4日、AI(人工知能)を積極的に活用すること目的に、2020年12月より全スタッフ職を対象としたAI啓発研修を開始したことを明らかにした。AIに関する基礎知識を習得することで、各職場での普及を目指している。

 今後、より高度なAI活用を検討する部門に対し「AI道場」などの専門研修を実施。これらの取り組みを通じて順次AIエキスパート人材を養成するとしている。

 同社では、すでに技術開発や生産、一般事務の現場など幅広い領域でAIツールの活用を進めてきているとし、将来的には誰もが当たり前にAIを活用することができるよう、さまざまなAI教育プログラムを実施して、全社的な普及を目指すという。

生産や開発の現場でAIツールを活用

 生産や開発現場では先行してAI教育を受けている従業員もおり、さまざまな領域でAIツールの活用事例も公開された。

 生産現場では現場従業員が中心となって2021年1月よりAIツールを活用し、京都工場では車両に取り付ける部品を物体検出して仕様検査を自動で行なうシステムを、本社(池田)工場ではプレス部品の精度を検知できるシステムを開発した。

 今後は検知精度の向上や他工場でのAIツールの活用を進めるとともに、工場の現場従業員がAIの知識を習得することで、身近な改善活動を積極的に行なうことが可能となり、生産性や品質の向上を目指す。

ノッキング(異常燃焼)音をAIに学ばせ機械が異常を自動識別

 技術開発分野では、エンジンなどのパワートレーン開発現場にて、2020年からAIツールを導入し、従来は経験豊富な従業員のみが行なうことができた官能検査や異音検査を機械で代替する取り組みを実施してきた。

 開発中のエンジンの計測試験中に発生するノッキング(異常燃焼)音をAIに学ばせ、機械が異常を自動識別できるようにすることで、計測設備の稼働率を向上させ、開発のスピードアップにつなげる。さらに、このノッキング音認識の技術を活用し、本社(池田)工場の足回り検査工程における打音検査の判定でもAIツールの実装を進めている。

ユーザーからの問い合わせ対応時の質疑応答システムに活用できるAIツールを開発

 一般事務の現場では「お客様コールセンター」における、ユーザーからの問い合わせ対応時の質疑応答システムに活用できるAIツールを開発、導入しており、今後はそのほかの一般事務でも活用を促進するという。