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住友ゴム、スーパーコンピュータ「富岳」利用開始

ゴム材料の分子運動に加えて化学変化まで表現できるシミュレーションを実現へ

2021年3月9日 発表

 住友ゴム工業は3月9日、同日から学術・産業分野へ共用が開始されるスーパーコンピュータ「富岳」の令和3年度HPCIシステム利用研究課題募集における「富岳」産業課利用枠に採択されたと発表した。

 スーパーコンピュータ「富岳」は、「京」の後継機。15万8976個の中央演算装置(CPU)を搭載し、1秒間に約44京2010兆回の計算が可能。2020年6月と11月に世界のスパコンランキング「TOP500」「HPCG」「HPL-AI」「Graph500」で2期連続の世界1位を獲得。社会的・科学的課題の解決で日本の成長に貢献し、世界をリードする成果を生み出すことを目的とし、電力性能、計算性能、ユーザーの利便性・使い勝手のよさ、画期的な成果創出、ビッグデータやAI(人工知能)の加速機能の総合力において世界最高レベルのスーパーコンピュータとしている。

 住友ゴムでは、摩耗や経年による性能低下を抑制し新品時の性能を長く持続させる技術「性能持続技術」の開発を進めている。この技術開発では、タイヤ使用時にゴムの中で起こっている分子レベルの化学変化を正確に理解し制御することが大きな課題となる。

 同社は、より詳細な分子の構造を考慮した分子運動の表現手法を確立・論文発表しており、今後「富岳」を利用することで、分子運動に加えて化学変化まで表現できるゴム材料のシミュレーションを実現させる予定。

シミュレーションでの分子の表現手法

 また、同社は2015年に独自のタイヤの新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN(アドバンスド フォーディ ナノ デザイン)」を確立し、タイヤの主要性能である低燃費性能、グリップ性能、耐摩耗性能を向上させるゴム材料の開発を行なってきた。「富岳」を利用することで「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を進化させ、今後進展していくCASE/MaaSといったモビリティ社会に貢献していくことを目指すとしている。