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日産、金型を使用しない新技術でR32型スカイラインGT-R用「NISMOヘリテージパーツ」を商品化

「対向式ダイレス成形」を採用してリアパネルを商品化

2021年3月15日 発表

R32型スカイラインGT-R リアパネル

 日産自動車は3月15日、R32型スカイライン GT-R用「NISMOヘリテージパーツ」に対して、金型を用いずにボディパネルを成形する「対向式ダイレス成形」や3Dプリンター技術など日産の新技術を活用して、商品化をしたと発表した。

R32型スカイラインGT-Rのリアパネル

 今回、新たに商品化されたR32型スカイラインGT-Rのリアパネルには、ボディパネルの少量生産に対応する技術として2019年10月に発表した「対向式ダイレス成形」を活用。棒状の工具を取りつけたロボットが、パネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」技術を用い、成形工具を対向側にも配置することにより複雑な形状の成形を可能とした工法となる。

 商品化にあたっては、基盤技術である「対向式ダイレス成形」工法および、鏡面化ダイヤモンドコーティング工具による無潤滑加工をベースに、熟練作業者の板金ノウハウを取り入れながら試作を繰り返した。あわせて、サプライヤーとも連携することで、自動車部品に求められる高い品質を実現したという。

R32型スカイラインGT-Rのハーネス用プロテクター

R32型スカイラインGT-R ハーネス用プロテクター(樹脂部品)

 また、R32型スカイラインGT-Rのハーネス用プロテクター(樹脂部品)には、SOLIZEと共同開発した3Dプリンター技術を活用。日産は、ハーネス本体を製造するサプライヤーとも協力の上、3Dプリンターの性質に合わせた部品の再設計・性能試験を実施し、高い品質基準が求められる自動車部品の商品化を短期間で実現させたとしている。

 NISMOヘリテージパーツは、日産自動車、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルとオーテックジャパンの3社が、サプライヤーと共同で製造廃止となった純正補修部品を再供給する取り組み。日産のパフォーマンスカーユーザーに少しでも長く乗り続けてもらえるよう、できる限りサポートする活動の一環として、2017年12月より販売を開始したもので、約3年間で販売開始時の80部品から、300部品以上に拡大させた。

 今後も日産は、総合研究所や生産技術研究開発センターの技術を活用して、「NISMOヘリテージパーツ」の供給アイテムのさらなる拡大に貢献していくとしている。