ニュース
デンソーテン、法人向けドラレコを活用した「安全運転管理テレマティクスサービス」に新機能を追加
ながら運転や居眠り運転をAIが自動検知する機能や道路交通法遵守を可視化する機能など
2021年3月29日 18:41
- 2021年3月29日 発表
「ながら運転」や「居眠り運転」のAI自動検知機能など
デンソーテンは3月29日、法人向け通信型ドライブレコーダー「G500Lite」を用いて安全運転を支援する「安全運転管理テレマティクスサービス」に、ドライバーの脇見・スマートフォン操作による片手運転などの「ながら運転」「居眠り運転」をAI(人工知能)が自動で検知する機能や道路交通法遵守を可視化する機能など、新たな機能のの提供を開始した。
社有車や営業車を管理している企業にとって、人の安全を守るために事故の未然防止を図ることが必要となるが、万が一交通事故を起こしてしまった場合、経済的な損失だけでなく、社会的な信用失墜による事業機会損失にもつながるため、今はさまざまな企業で広く安全管理の意識が高まっている。
そこでデンソーテンは、法人向けドライブレコーダーG500Liteのサービス利用者の映像データを分析したところ、前方不注意や漫然運転など「ながら運転」や安全確認が不十分といった事故要因が非常に多いことが判明したという。そこで、これらの事故要因を普段から意識して、事故を回避する必要があると考え、今回の新たな機能を追加したという。
この安全運転管理テレマティクスサービスは、社有車や営業車を管理している企業の、安全運転に関する「計画」「記録」「解析」から「教育・学習」までをトータルにサポートするもので、データ収集・分析などを自動化することで、運用の手間やコストをかけずに効率的な安全運転指導が可能となり、簡単でリーズナブルに安全運転管理が行なえるとしている。
なお、今回新たに追加されたサービスは、既に導入している企業も買い換えなしで利用でき、新たな機能を追加することで管理者は映像を用いてより具体的で効率的な安全運転指導を事後的に行うことが可能になり、事故予防だけでなく、ドライバーに対する法令遵守への習慣づけにつながるとしている。
主な新機能の特徴
クラウドサーバに送信された映像に対して、ディジタルメディアプロフェッショナルのAI画像認識ソフトウエアサービス「ZIA Cloud SAFE」を利用し、AIで顔の向きや目線などを画像解析。
AI解析精度を上げるためには、実際の事故に基づいた膨大な分析データが必要となるが、デンソーテンは長年蓄積した実際の事故データを、対象物・シーン・要因などに分類/タグ付けしながら分析を進めてきた結果、そのデータを元にAIを構築することで、事故につながる恐れのあるヒヤリハット映像の判別精度を高められているという。
さらに今回は、車室内カメラに映るドライバーの動作(挙動)についても同様にAIを活用することで、居眠り・脇見・片手運転などの分析を高い精度で実現したとしている。なお、このシステムではマスクを付けたままでも検知可能としている。
また、ドライブレコーダーで記録された走行データ(GPSによる位置情報など)をもとに、ナビタイムジャパンが提供する「NAVITIME運転分析API」と連携し、同社クラウドセンターで速度超過、通行禁止箇所侵入、踏切不停止、一時不停止が発生した可能性のあった場面を自動で検出。違反の疑いがあった発生日時、内容、件数のほか、仮想的な違反点数や反則金を安全運転管理システムで一覧表示させられるだけでなく、検出数などをもとにドライバーのランキングを表示させ、検出が頻発しているドライバーの特定も容易にできるという。また、検出時の映像取得が可能で、映像をエビデンスに安全運転教育も可能としている。