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GM、ブランド初のEV「リリック」記者会見 価格は5万9990ドル~で9月から米国で予約開始

2021年4月21日(現地時間)発表

GMブランド初の新型EV「LYRIQ(リリック)」の記者会見を開催

 米GM(ゼネラルモーターズ)は4月20日(現地時間)、米国で記者会見を開催し、同社が開発してきたEV(電気自動車)「Cadillac LYRIQ(キャデラック・リリック)」の予約受付を9月から米国で開始し、2022年の第1四半期から生産を開始することを明らかにした。

 価格は5万9990ドル(1ドル=108円換算で647万8920円)からとなり、同クラスのジャガー「I-PACE」の7万1000ドル、アウディ「e-tron」の6万6995ドルに比べて安価な価格設定になっているとGMでは説明している。

フル充電で約483kmの航続距離を持つLYRIQ、内装は33型の液晶ディスプレイが印象的

33型の液晶ディスプレイが印象的なLYRIQのコクピット

 GMのLYRIQは、2020年8月に発表されたCadillac(キャデラック)ブランドとして初めてのEV(電気自動車)となる。その詳細に関しては関連記事をご参照いただきたい。

 LYRIQはモーターを後輪に配置した後輪駆動(RWD)になっており、オプションでAWDモデルも用意される。フル充電で300マイル(約483km)の航続距離を実現し、ACおよびDCによる充電に対応している。DC充電時には190kW(発表時には150kWだったが、増えている)の急速充電が可能になっている。

特徴的なグリル
リアのテールライト
ドライバーが近づくとLEDがウェルカムライトでお出迎え
インテリア

 また、内装も特徴的でコクピットには33型の大型液晶ディスプレイが採用されており、デジタルメーターやIVI(In-Vehicle Infotainment)などが分割して表示される。また、前面のグリルやテールランプなどは、ドライバーが近づくと照明演出で迎える仕組みなどが導入されている。

LYRIQの予約は9月から、出荷は2022年第1四半期から

LYRIQの予約開始は9月

 General Motors グローバル・キャデラック担当副社長 ロリー・ハーベイ氏は「われわれは成長を続けており、2020年はパンデミックという難しい年だったにもかかわらずグローバルで3番目の出荷台数を実現した。また、2021年の第1四半期も前年同期と比較して66%の成長を実現しており、8か月間連続で成長している」と述べ、GMがパンデミックという難しい状況の中でも成長を続けていると強調した。

General Motors グローバル・キャデラック担当副社長 ロリー・ハーベイ氏
2020年にはグローバルで3位の出荷台数
8か月連続で成長中

 また、「ATP(Average Transaction Prices、平均取引価格、実際に顧客に販売された価格の平均のこと)はメルセデスに次いで2位で、最新の調査によればキャデラックはラグジュアリーセグメントのブランドイメージでトップになっている。またディーラーレベルでの顧客満足度も高くなっている。そうしたディーラー網でLYRIQを注文できる」とアピールした。

ATPではメルセデスに次ぐ2位

 その上でLYRIQの出荷時期、価格に言及し、「LYRIQは今年の9月から予約注文を開始する。出荷は2022年の第1四半期から順次行なう計画だ。価格は5万9990ドルで、ラグジュアリーセグメントのEVとしては競争力のある価格だと考えている」と説明した。

 5万9990ドルという価格については、ハーベイ氏が示したスライドには同クラスのラグジュアリーEVとなるジャガー I-PACEが7万1000ドル、アウディ e-tronが6万6995ドルという価格が示されており、それよりも安価な設定になっていることで価格競争力があるということを強調していた。なお、これらのスケジュールや価格は米国での予定で、日本を含むグローバルの販売に関しては特に言及がなかった。

 また、General Motors Cadillac LYRIQ主任エンジニアのジェイミー・ブリューワー氏は「現在は量産車の生産開始に向けて最後のファインチューニング(微調整)を行なっているところだ。元々のターゲットに比べて18か月前倒しで出荷できるようになったが、それはコンピュータのシミュレーションを多用した結果で、それらをうまく活用することで開発期間を短縮することができた」と述べ、CAE(Computer Aided Engineering)を上手に活用した結果として、元の予定よりも前倒しにして出荷できる見通しが立ったと説明した。

General Motors Cadillac LYRIQ主任エンジニアのジェイミー・ブリューワー氏
ファインチューニングの様子