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GM、新型バッテリー「アルティウム」を搭載した次世代EVプラットフォーム公開
「ボルトEV」「キャデラック リリック」「ハマーEV」など今後の展開にも言及
2020年3月10日 16:56
- 2020年3月4日(現地時間)公開
GM(ゼネラルモーターズ)は3月4日(現地時間)、同社のEV(電気自動車)に関する事業戦略を発表。この中で、モジュラー駆動システムと独自に開発したバッテリー「アルティウム(Ultium)」を搭載する第3世代のグローバルEVプラットフォームを公開した。新型グローバルプラットフォームはピックアップトラック、SUV、クロスオーバー、乗用車、商用車など幅広い車種に対応するという。
アルティウムは、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができるという、画期的な方式を採用。これにより、各車両のデザインに応じてバッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することを可能にした。
アルティウムのバッテリー容量は50~200kWhで、航続距離はフル充電で最大400マイル以上、0-60mph加速は3秒以内と推定。自社開発による電気モーターは前輪駆動(FWD)、後輪駆動(RWD)、全輪駆動(AWD)、パフォーマンスAWDに対応するとのこと。
アルティウムバッテリーを搭載するEVは、レベル2の直流(DC)急速充電に対応して設計。ほとんどの車両が400Vのバッテリーパックで最大出力200kWの急速充電機能を備え、ピックアップトラック向けプラットフォームは800Vのバッテリーパックで350kWの急速充電機能を備えたという。
なお、GMは2020年からシボレー、キャデラック、GMC、ビュイックの全ブランドで新型EVを発表する。シボレーブランドとして次に発表される新型EVは「ボルトEV」の新バージョンで、2020年後半の発表を予定する。2021年夏には2022年モデルの「ボルトEUV」がそれに続いて発表される予定。ボルトEUVは、キャデラック・ブランド以外では初めて業界初の高速道路用ハンズフリー運転支援システム「スーパークルーズ」を搭載するモデルとなり、GMは2021年中にもこのスーパークルーズを10種類のモデルに導入し、2023年までには22モデルに増やす計画を明らかにしている。
また、1月にサンフランシスコで一般公開したシェアリングサービス向けの電動式自動運転車「クルーズ・オリジン(Cruise Origin)」は、GMの第3世代EVプラットフォームとアルティウムバッテリーを採用した初の量産車となる。次に発表が予定されているのは、4月に公開されるラグジュアリーSUVの「キャデラック リリック(Lyriq)」になる。
さらに5月20日には、アルティウムバッテリーを搭載する「ハマーEV(GMC HUMMER EV)」の公開を予定する。同モデルはGMで最初のEV専用組立工場であるデトロイト・ハムトラミック工場で作られる予定で、2021年秋に生産を開始する。
今回の発表について、GMの会長兼CEOメアリー・バーラ氏は、「当社のチームは製品開発の変革と、全車電動化の未来に向け会社を位置付けるという戦略に挑戦することを受け入れました。私たちは、複雑さを排除し、柔軟性のあるフルサイズピックアップトラックの事業に匹敵するスケールメリットを備えたマルチブランド、マルチセグメントのEV戦略を構築しました」とコメントしている。