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横浜ゴム、シーリング材や接着剤などを扱う「ハマタイト事業」をスイスのシーカグループへ譲渡

2021年4月28日 発表

譲渡の想定ストラクチャー

 横浜ゴムは4月28日、横浜ゴムグループのハマタイト(横浜ゴムが製造・販売する接着剤、シーリング材、コーティング材の総称)事業を、スイスに本社を置くスペシャリティ・ケミカルカンパニーのSikaグループに譲渡すると発表した。

 譲渡は横浜ゴム100%出資の連結子会社である横浜ゴムMBジャパン、海外グループ会社であるYokohama Industries Americas Inc.(YIA)、Yokohama Industrial Products – Hangzhou Co., Ltd.(YIPHZ)、Yokohama Rubber (Thailand) Co., Ltd.(YRTC)のハマタイト事業が対象となり、Sikaグループへの譲渡実行日は2021年11月1日を予定。

 譲渡の背景および目的としては、横浜ゴムは1958年にハマタイト事業を創業し、自動車用、建築用のシーリング材や接着剤を中心に事業を成長。ハマタイトシリーズは高性能、高品質が支持される一方で市場環境は激しさを増し、ハマタイト事業のさらなる成長・発展を幅広く検討した結果、業界をリードするSikaグループのもとで、今後の成長ビジョンを構築することが最適であると判断したという。また、横浜ゴムは今後も2021年2月に策定した新中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)の各事業戦略に基づき、次世代の成長に向けた「変革」を追求するとしている。

 今回の譲渡に関して横浜ゴム 代表取締役社長 山石昌孝氏は「横浜ゴムのハマタイト事業は60年の歴史を持ち、高い技術力を強みとして、高性能・高品質な商品をお客さまへお届けしてまいりました。タイヤ事業を主とする当社の中でも、独自性の高い事業です。専業メーカーであるSikaグループとの協働はハマタイト事業のさらなる成長をもたらし、すべてのステークホルダーの期待にお応えできると確信しております。当社のMB事業としては、既存のコア事業にリソースを集中することで強化を図り、本年2月19日に公表した新中期経営計画『Yokohama Transformation 2023(YX2023)』を着実に実行してまいります」と述べている。

 また、譲渡先のSika AG CEO ポール・シューラ―氏は「今回の買収は私たちの成長戦略に完全に合致するものです。ハマタイトにより、自動車および建設産業へのシーカの市場進出を加速させる屈指の技術、ノウハウ、スキルを持った人材がグループに加わります。グローバルに展開する製造拠点により、世界中の自動車産業における私たちの顧客に対し、グローバルおよびローカルにおいて、サービスの提供を強化することができます。私たちはハマタイトの素晴らしいチームがシーカの仲間に加わることを心から歓迎し、これから共に働くことを楽しみにしています」とコメントしている。

 なお、横浜ゴムは本件に関する業績への影響については、売却益(税引後)約50億円を非継続事業の損益として継続事業と区分して計上する見込みだが、金額については現在精査中で、今後変動する可能性があるとしている。

Yokohama Transformation 2023(YX2023)