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トライアンフ、新型「ストリート トリプル 765 RS」でブリティッシュスーパーバイク選手権に参戦

2021年5月20日 発表

新型「ストリート トリプル 765 RS」

市販バイクの性能を実証するためにレースへ復帰

 トライアンフは5月20日、イギリスで開催されている「クアトログループ ブリティッシュ スーパー バイク選手権」の2021年シーズン参戦用の新型「ストリート トリプル 765 RS」を発表した。

 新型ストリート トリプル 765 RSは、トライアンフのモータースポーツにおける重要な一歩になるモデルで、PTRチームとパートナーシップを組み、Dynavolt Triumphとしてクアトログループ ブリティッシュスーパーバイク選手権に参戦する。このレースへの挑戦は、765ccのトリプルエンジンと、ストリート トリプル RSのシャシー性能の信頼性を、トップレベルの過酷な環境下で実証することが目的。

 サイモン・バックマスター氏率いるPTRチームによってマネージメントされるDynavolt Triumphチームは、トライアンフにとって理想的なパートナーシップとなり、スーパースポーツレースにおける準備、トラックサイドオペレーション、およびトライアンフ社内のエンジニアリング部門との調整力において、高い能力が備わっていることがすでに実証されているという。

 また、今回Dynavolt Triumphのチームカラーを身にまとうファクトリーライダーは、元WSSブリティッシュライダーのカイル・スミス選手と、元ブリティッシュモトスターチャンピオンのブランドン・パーシュ選手の2名となる。

トライアンフがサーキットで何ができるのかを実証したい

トライアンフ チーフプロダクトオフィサー スティーブ・サージェント氏

 トライアンフのチーフプロダクトオフィサーであるスティーブ・サージェント氏は「私たちはチャンピオンシップの幅広いフォーマットの拡大のために、テストする機会を与えられました。そして、今年は性能を試すための1年とみています。今こそ私たちが十分に戦闘力のあるバイクを有していることを証明する時なのです。私たちの野心はこれだけに留まりません。来年にはスーパースポーツ世界選手権に参入します。これは長期に渡るレーシング戦略の一環となります。そして市販車をベースとするレーシングマシンの開発という点で、とても重要な戦略となります。お客さまが実際にショールームを訪れ、バイクを購入し、走行し、そしてレーシングマシンに改良できるバイクを手に入れることは、トライアンフのようなメーカーにとってとても重要です」

 また、サージェント氏は「私たちは、このバイクの戦闘力が本物であると確信していないならば、そもそもこのプロジェクトに参入していません。ストリート トリプルはネイキッドスポーツバイクです。しかしこれはDaytonaをベースとするバイク。つまり、私たちの考えでは、ジオメトリーの点から見ると、これはレーシングマシンにとってとてもいいベースなのです。スターティングパッケージとして、レースに使えるシャシーと765トリプルエンジンという優れたエンジンを手に入れることができました。私たちはこのエンジンをMoto2において、この2~3シーズンに渡り採用していました。このエンジンに対してのレスポンスと実証した性能により、このエンジンのパッケージとしての戦闘力は明らかになったと思います。このエンジンとシャシーという2つの要素の融合により、本当に素晴らしいスタート地点に立っていると思います」と述べている。

 さらに、2021シーズンの予想に関してサージェント氏は「私とサイモン・バックマスターは、2021シーズンに関して共に予想しました。言うまでもなく、われわれのどちらも先頭を行くこと以外は考えていません。もちろん、サイモンはその点に強くフォーカスしており、当社のパッケージはそれを実現できるものだと自負しています。また、そのパフォーマンスを引き出せる2人のライダーを擁しています。そして、トライアンフとしてトライアンフがサーキットで何ができるのか! それを実証したいです」と結論付けている。

Dynavolt Triumph チーム主任 サイモン・バックマスター氏

 Dynavolt Triumphのチーム主任であるサイモン・バックマスター氏は「PTR、Dynavolt、およびトライアンフを代表してお伝えします。私はこのマシンをとても誇りに思っており、レースの開始が待ち切れません。もちろん、自信はあります。しかし、同時にわずかな緊張感もあります。これは新たなプロジェクトですが、われわれは勝つために挑戦を続けなければなりません。これが今シーズンに向けたわれわれの目標となります」と述べている。

ディティールに対して費やす時間と努力に驚嘆した

 Dynavolt Triumphのファクトリーライダーであるブランドン・パーシュ選手は「トライアンフの工場見学は最高の経験でした。1つ1つのディティールに対して費やす時間と努力を知り私は驚嘆しました。それは、ライダーにさらなる自信を与えてくれるものです。その後、チームのスタッフに会って話し、Dynavolt Triumphのレーシングマシンと対面できたことも素晴らしい経験でした! 私は何か月もの間この瞬間を思い描いていて、ようやく思い描いていたものすべてを目のあたりにできたことは、とてもエキサイティングなことでした。間もなくここでテストが始まります。私はその時に向けて集中しています。トライアンフの歓待とサポートに対しては、どんなに感謝しても感謝しきれません。他の皆さんも、私が感じたのと同じように、この巡り合わせに興奮してくれるとよいのですが……」とコメントしている。

Dynavolt Triumph ファクトリーライダー ブランドン・パーシュ選手

 また、Dynavolt Triumphのファクトリーライダーのもうひとりであるカイル・スミス選手は「新しいマシンを操って新しい選手権で戦うという、自分にとっての新たなチャレンジの始まりに心が踊っています。サイモンから電話を貰った時、一切のためらいはありませんでした。基本的なセットアップを目的としたシルバーストーン・サーキットでのテストの開始がもう待ちきれません! トライアンフの新しいマシンは優れたマシンですよ、間違いありません。PTRのスタッフとは以前共に働いたこともあり、われわれのチームは戦闘力を発揮できると確信しています!」と語っている。