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ダイムラートラックAGとCATL、次世代バッテリーセルを共同で設計・開発 パートナーシップを2030年以降も継続
2021年5月22日 09:30
- 2021年5月20日(現地時間)発表
ダイムラートラックAGとリチウムイオン電池の製造・開発会社であるCATL(Contemporary Amperex Technology Co. Ltd.)は5月20日(現地時間)、CO2ニュートラルな電動トラック輸送という共通のビジョンに基づき、現在のパートナーシップをより強化することを発表した。
CATLは、2024年に量産を開始する予定のメルセデス・ベンツのバッテリー式トラック「eActros LongHaul(長距離輸送仕様)」のリチウムイオン電池パックを、2030年以降も継続して供給する。この電池は、高エネルギー密度、超長寿命、急速充電機能を兼ね備え、EV(電気自動車)である長距離トラックに求められる独自の要件を満たす性能を有していて、両社はトラックの用途に応じて、より高度な次世代バッテリーセルおよびパックを共同で設計・開発していく予定という。
2019年にダイムラートラックAGとCATLは、「メルセデス・ベンツ eActros」「フレイトライナーeCascadia」「フレイトライナーeM2」を含むさまざまな電動トラック向けに、リチウムイオン電池セルモジュールのグローバル供給契約を締結しているが、さらに2020年9月、ダイムラートラックAGは、計画的な長距離輸送ルートでのエネルギー効率の高い輸送を実現するために、航続距離が約500kmの「eActros LongHaul」を発表している。
ダイムラートラックAG取締役会会長兼ダイムラーAG取締役会メンバーのマーティン・ダウム氏は「パリ協定へのコミットメントと、道路上でCO2ニュートラルな輸送を実現するという究極の目標を達成するためには、パートナーシップが不可欠であり、私たちはそのために全力で取り組んでいます。CATLとの強力な協力関係を拡大・強化することは、当社が電動化活動を加速させ、トラック業界のゼロエミッション化をリードする上で、重要な役割を果たします。2021年以降、顧客志向で革新的なシリーズ生産の電気トラックを幅広く発売していきます」とコメントしている。
CATLの創業者であり会長兼CEOのRobin Zeng博士は「e-mobilityにおける共通のビジョンに基づき、ダイムラートラックAGとの既存のパートナーシップを強化できることを大変うれしく思います。CATLの電気自動車用バッテリーにおける革新的な技術と、ダイムラートラックの大型トラック業界における深い専門知識により、この強力なグローバルパートナーシップは、ダイムラートラックAGのe-モビリティステージにおける市場での地位をさらに高め、カーボンニュートラルへの推進を加速させると確信しています」と述べている。
ダイムラートラックAGは、持続可能な企業戦略を推進しており、2039年までに欧州、日本、北米において、走行時にCO2ニュートラルな新車(タンク to ホイール)のみを提供することを目指すとしていて、早ければ2022年には、ダイムラートラックAGの車両ポートフォリオには、主要販売地域である欧州、米国、日本において、バッテリー駆動システムを搭載したトラックが含まれる見込みという。また、2027年までには、水素を燃料とする燃料電池車の量産車の追加を計画。
また、2018年からドイツをはじめとする欧州諸国の多数のクライアントと、流通輸送用のバッテリー式メルセデス・ベンツeActrosの集中的な実用テストを実施するとともに、2021年の下半期にはeActrosの量産開始を予定。さらに、2022年にはeActrosをベースにした低床トラック「メルセデス・ベンツ eEconic」の量産開始も予定する。
一方米国では、中型トラックのフレイトライナーeM2と、大型トラックのフレイトライナーeCascadiaがクライアントとの実用テストを実行していて、フレイトライナーeCascadiaの量産開始は2022年半ば、フレイトライナーeM2は2022年後半を予定しているという。