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ランボルギーニ、新型「ウラカン スーパートロフェオ エボ2」 ワンメイクレースで2022年から使用開始

2021年5月26日(現地時間) 発表

ウラカン スーパートロフェオ エボ2

ワンメイクレース「スーパートロフェオ」で使用するレーシングモデル

 ランボルギーニ・スクアドラコルセは5月26日(現地時間)、新型「ウラカン スーパートロフェオ エボ2」を発表した。

 ウラカン スーパートロフェオ エボ2は、世界3大陸で競われるランボルギーニのワンメイクレースシリーズ「スーパートロフェオ」で使用するレーシングモデルで、2022年から使用開始されるマシン。

ウラカン スーパートロフェオ エボ2

 先鋭的なエアロダイナミクスの改良と妥協のないデザインはランボルギーニ・チェントロスティーレ(デザインセンター)によるもので、2021年で13年目を迎えるスーパートロフェオ史上最高のパフォーマンスを誇るバージョンに仕上げられている。

 アウトモビリ・ランボルギーニプレジデント&CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は「ペブルビーチで初代のウラカン スーパートロフェオがデビューしてから7年、スクアドラコルセが歴史に新たな章を刻むことになりました。ウラカンはランボルギーニの歴史上最大のベストセラーの1つであり、スーパートロフェオもその成功に貢献しています」と述べている。

2009年以来、スーパートロフェオに参戦したドライバーの数は950人。世界各地の名サーキットで繰り広げられてきたレース時間は310時間を超えるという

 アウトモビリ・ランボルギーニのチーフ テクニカル オフィサーのマウリツィオ・レッジャーニ氏は「スーパートロフェオは、ロードカーとGTのどちらにも技術・エアロダイナミクス上のソリューションを試す最高の場となっていますが、今回のウラカン スーパートロフェオ エボ2で、私たちは間違いなくさらに一歩前進しました。2021年4月にウラカンのレースモデルの400台目を祝いましたが、スーパートロフェオ エボ2ではあと数年以内に500台という目標を狙っています」とコメントしている。

 スクアドラコルセとチェントロスティーレが最も力を入れたのは、エアロダイナミクスとデザインとのことで、外観では旧世代のデザインを極限まで追求しつつ、将来的にはロードカーでの登場を予感させるスタイリング要素を採用したという。

 大胆に変更されたフロントは、六角形モチーフをかたどる高輝度LEDと存在感あるオメガ形状のリップを特徴とし、カーボンファイバーのフィンをつなぐこのリップはウラカン STO(スーパートロフェオ・オモロガータ)のスタイルとのつながりを強く感じさせる存在。また、今回新しくなった点にはエアカーテンインテークもあり、気流をサイドに這うように流して整え、ダウンフォースも最適化するという。

 リアは大型のカーボンファイバー製ウィングが主役で、ミニマリズムと軽さがインスピレーションを付与。新しくなったLEDライトは「カウンタック」のデザインへのトリビュートで、それを効率よく支えるアーチ型のカーボンファイバー製バンパーは、ホイールの後部のエアロパーツを新デザインのディフューザーのフィンへと滑らかにつないでいる。

 ランボルギーニのヘッド オブ デザインのミィティア・ボルケルト氏は「ウラカン スーパートロフェオ エボ2のプロジェクトに着手して、すぐに『レーシング イン スタイル』というコンセプトが思い浮かびました。つまり、ウラカンのレースモデルのアグレッシブさとランボルギーニDNAのクラシックな様式美の組み合わせです。これに加え、ウラカン スーパートロフェオ エボ2は、次世代のロードカーのデザイン要素を予感させる、未来的な美へのアプローチも表現しています」と述べている。

 イノベーションに富んだ工夫はボディワークの随所に見られ、サイドメンバーパネルや先述のリアのエアロパーツは従来のプラスチック素材をカーボンファイバー素材に置き換えながらも、ランニングコストは最大限に抑制。また、リアフェンダーはサイドスポイラーの一部と一体化させ、ボディ表面の連続性が最適化されている。

 スクアドラコルセが設計、開発したブレーキシステムにも変更が加えられ、スチール製のフロントディスクは380mmから390mmになり、新しいキャリパーには新デザインのブレーキパッドを装着。表面積を広げて性能と燃費が最適化されている。駆動力はV型10気筒 5.2リッターNA(自然吸気)エンジンが担い、最高出力620HPは後輪駆動のエクストラックシーケンシャル6速ギヤボックスに伝えられる。

デザインスケッチ

 アウトモビリ・ランボルギーニのヘッド オブ モータースポーツのジョルジオ・サンナ氏は「スーパートロフェオは当社のカスタマーレーシングのコンセプトの基礎で、才能ある若手ドライバーとジェントルマンドライバーのどちらもが参加でき夢中になっています。ウラカン スーパートロフェオ エボ2は、2つのカテゴリーの両方のドライバーに捧げるもので、ランニングコストに細心の注意を払いながらも、今まで以上に心奪われるドライビングを提供するという狙いを焦点として開発しました」とコメントしている。

 ウラカン スーパートロフェオ エボ2は5月28日(現地時間)、ランボルギーニ・スーパートロフェオ・ヨーロッパの第2ラウンドが開催されるル・カステレで初披露される予定で、欧州での価格は25万ユーロ(税別)。また「ウラカン スーパートロフェオ エボ」のアップグレード専用キットも、2022年初旬に発売予定となっている。

【ランボルギーニ】 新型「ウラカン スーパートロフェオ エボ2」(4分25秒)
【ランボルギーニ】新型「ウラカン スーパートロフェオ エボ2」 B-Roll(56秒)