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ランボルギーニ、レーシングモデルから生まれた640HP/565Nmのスーパースポーツカー「ウラカン STO」日本初公開

2020年11月20日 日本初公開

3750万円

「ウラカン STO」日本初公開

 アウトモビリ・ランボルギーニ ジャパンは11月20日、新型スーパースポーツカー「ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)」を日本初公開した。日本での販売価格は3750万円。

 ウラカン STOは11月18日(現地時間)に発表されたばかりのモデル。レーシングモデルの「ウラカン スーパートロフェオ EVO」「GT3 EVO」から生まれた、スクアドラ・コルセの伝統を最も純粋に受け継いでいるという。

ウラカン STO
ボディサイズは4549×1945×1220mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2620mm
タイヤはフロント245/30R20、リア305/30R20サイズのブリヂストン「POTENZA」を装着。ブレーキはCCR-Rカーボンセラミックディスク、ベンチレーテッド/クロスドリルド(フロントΦ390×34mm、リアΦ360×28mm)と、フロント6ピストン・アルミニウムキャリパー、リア4ピストン・アルミニウムキャリパーの組み合わせ
エンジンボンネット
エアインテークを各所に配置
フロントボンネット、バンパー、フェンダーを一体化させた特徴的な「Cofango(コファンゴ)」は「ミウラ」のアイコニックなデザインを踏襲。フロントトランクにはヘルメットを収納できる
内装も軽量化が行なわれている
ペダル
ドアトリム
シート
リアアーチはアクラポビッチと共同開発した高級チタン合金製。ステンレス製に比べて40%軽量化されている

 ボディサイズは4549×1945×1220mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2620mm。最高出力470kW(640HP)/8000rpm、最大トルク565Nm/6500rpmを発生する自然吸気のV型10気筒 5.2リッターエンジンを搭載し、トランスミッションにはデュアルクラッチの7速LDF(ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ)を組み合わせ、後輪を駆動。最高速は310km/h、0-100km/h加速は3.0秒、0-200km/h加速は9.0秒というパフォーマンスを誇る。

V型10気筒 5.2リッターエンジンは最高出力470kW(640HP)/8000rpm、最大トルク565Nm/6500rpmを発生。ウラカン スーパートロフェオ EVOと同じパワーウェイトレシオを達成している

エアロダイナミクスを向上させた生粋のレースマシン

 発表会では、9月1日に着任したカントリーマネージャーのダビデ・スフレコラ氏からのビデオメッセージが紹介され、その中でスフレコラ氏はウラカン STOの公開について「今日、再びウラカン・ファミリーのパフォーマンスの水準を引き上げることになるでしょう。これから発表するクルマのモットーは、“BASED ON A TRUE STORY(実話に基づいている)”ということです。ランボルギーニはモータースポーツにおいて、われわれのスクアドラ・コルセが得た技術的進歩、そのヘリテージをロードカーに活かしたいと思っていました。その技術的進歩は2018年、2019年、2020年と3年連続でデイトナ24時間耐久レース GT3カテゴリーにおいて優勝した事実に基づいています。この車両性能の技術とノウハウが注ぎ込まれた結果が、今日発表するクルマなのです。豊富なカーボンファイバーを使用した非常に軽量なクルマで、エアロダイナミクスを大幅に向上させた生粋のレースマシンが誕生しました」と、レースの技術を活用したハイパフォーマンスカーであるとコメント。

アウトモビリ・ランボルギーニ ジャパン 代表 ダビデ・スフレコラ氏

 さらに、「11月18日の世界発表のあと、日本はその真新しい衝撃を目撃する初めてのマーケットとなります。このことは、私たちがいかに日本を愛し、また世界で最も重要なマーケットの1つとして優先しているのかの裏付けでもあります。ですから、今皆さまも私たちと同様に、本日のこのクルマをとても楽しみにしていることと思います」と日本市場に対する想いを語った。

 続けて、アウトモビリ・ランボルギーニ ジャパン セールスダイレクターの竹村明夫氏がウラカン STOについて解説した。

アウトモビリ・ランボルギーニ ジャパン セールスダイレクター 竹村明夫氏

 ウラカン STOの空力性能は、フロントのルーバーによってドラッグの最適化が、フロントスプリッターによって、ダウンフォースとドラッグの最適化が、エアダクトとルーバーを組み込んだ「Cofango(コファンゴ)」によってダウンフォースとクーリングがそれぞれ高められている。

 なお、コファンゴとは、フロントボンネット、バンパー、フェンダーを一体化させたコンポーネントのことで、「ミウラ」のアイコニックなデザインを踏襲。フロント側に開くユニークな機構を持ち、軽量化、空力性能を向上している。

フロントのエアロダイナミクス
モータースポーツでも活用されているCofango

 リアまわりでは、リアボンネットの上にエアスクープを搭載し、クーリングを向上。セントラルシャークフィンによって、ヨー安定性を高めるとともに、ウイングへの気流を整える役割も果たし、コーナリング時のウイング効率を高めている。

 特徴的なダブルのリアウイングは、中央部分が可変式となり3つのポジションを選択可能。サーキットの特性に合わせてドラッグを最適化するだけでなく、空力バランスを最大13%変えることができ、さまざまな運転スタイルやドライビングコンディションに適応させられるとした。

 リアフェンダー部には航空機などにも見られるNACAダクトを配置。これらの空力アイテムにより、280km/h走行時のダウンフォースは420kg、クーリング効率を最大化した。加えて、「ウラカン ペルフォルマンテ」に対してドラッグを37%向上、ダウンフォースを53%アップしている。

リアのエアロダイナミクス
ウラカン STOに採用されたエアロダイナミクスによる効果

 ボディは徹底的に軽量化され、外装パネルの75%以上をカーボンファイバー製とし、航空宇宙業界で活用されるカーボンファイバーのサンドイッチ構造をリアフェンダーに採用。これにより、構造的な剛性を維持しながらカーボンファイバーの使用を25%削減した。また、ウラカン ペルフォルマンテよりも20%軽いウィンドスクリーンを採用するとともに、内装も軽量化を行なったほか、マグネシウムホイールを用いることで乾燥重量は1339kgと、すでに軽量化を行なっているウラカン ペルフォルマンテに対して43kgの軽量化を実現した。

軽量化について

 ドライビングモードを変更する「ANIMA」には「STO」「Trofeo」「Pioggia」3つの新モードを搭載。ストリート向けとなるSTOはデフォルトのモードで、「LDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)」をあらゆる路面コンディションを想定して最適化するとともに、サスペンションをロード向けに変更。Trofeoはレースモードとなり、ドライ状態のアスファルトで最高のラップタイムを出せるように全システムを最適化。“雨”という意味のPioggiaはウェット向けのモードで、トラクションを効かせて安全に走行するといったことが可能となる。

 ブレーキシステムは、F1のテクノロジーを活用した新CCM-Rブレーキシステムを採用。カーボンセラミックブレーキと比較して4倍の熱伝導率で、ストレス耐性は60%高く、最大制動力は25%、減速性能は7%向上している。

ドライビングモードについて
クーリングシステムについて。フロントバンパー下部からブレーキのあたりまでエアが流れるようになっており、ブレーキのクーリングに寄与。上部はリアのパワートレーンをクーリングするエアフローが最適化されている
F1のテクノロジーを用いたCCM-Rブレーキシステムを採用
ブレーキ温度監視システムを搭載し、空気圧や温度などが瞬時に分かるようになっている

 そのほかにも、小さい舵角で曲がるようなステアリングレシオ、サーキットで安定したパフォーマンスを実現するブレーキフィーリング、心地よいエンジンサウンドや高回転時のシャープさ、よりダイレクトなレスポンスのペダルフィーリング、RWS、トルクベクタリング、電磁ダンパー制御「マグネライド」など、レーシーなセットアップを採用している。

数々のレース用セットアップを採用
レース用セットアップを再現するテクノロジー
「Lamborghini Unica」アプリを使用するとスマートフォンでドライビングが確認できる