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三菱ふそう、新型「スーパーグレート」に商用車国内初ドライバー異常時対応システムを採用

2021年6月4日 発表

 三菱ふそうトラック・バスは、大型トラック新型「スーパーグレート」を6月から順次販売を開始する。

 新型スーパーグレートには、商用車国内初となる車線内停止方式のドライバー異常時対応システム「エマージェンシー・ストップ・アシスト」を新たに追加した運転自動化レベル2の高度運転支援機能「アクティブ・ドライブ・アシスト2」を新搭載した。

ドライバー異常時対応システムを追加した「アクティブ・ドライブ・アシスト2」採用

 アクティブ・ドライブ・アシスト2は、追従型クルーズコントロールにステアリング制御による車線維持アシスト機能を加えた高度運転支援機能。

 新型モデルに新規搭載された「エマージェンシー・ストップ・アシスト」は、アクティブ・ドライブ・アシスト2の作動中にドライバーが体調急変などで運転操作ができなくなった場合に、ハンドル操作を感知するハンズオン検知システムを通じてドライバーの異常を検知し、約60秒間ハンドル操作が検知されない場合にモニター表示と音で警告を行ない、同一車線内で車両を減速して緊急停止する。アクティブ・ドライブ・アシスト2によって、安定した走行による疲労軽減に加えて、さらなる安全強化を実現させたとしている。

商用車国内初の先進運転支援システム「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」

 また、新型モデルでは被害軽減ブレーキ機能を新たに追加することで、左折時の巻き込み防止を強化した商用車国内初の先進運転支援システム「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」も新規搭載した。

 アクティブ・サイドガード・アシスト1.0は、ドライバーの死角になりやすい車両左側の対象物をレーダーで検出すると運転手にランプで警告し、さらに左方向にハンドル操作やウインカーを出すと警報音で警告する安全装置。

 今回の新型モデルでは、ランプと警報音での注意喚起に加えて、レーダーが車両左側で並走して動く対象物を検知し、走行を続けると衝突の危険があるとシステムが判断した場合に、車両の走行速度が時速20km以下の領域で被害軽減ブレーキを作動して車両を緊急停止することで衝突時の被害軽減を図るシステムを新たに搭載した。

法規施行に先行して助手席シートベルトリマインダーなども採用

 新型スーパーグレートでは各種法規にも対応して、強化された法規に適合した突入事故防止のための突入防止装置(Rear Underrun Protection:RUP)に加えて、後写鏡(ルームミラー)装着時の法規適合に対応して衝撃緩和構造を備えたルームミラーを採用した。

 また法規施行に先行して、明るい時間帯でも車両の被視認性を高めるデイタイムランニングライト、夕暮れ時のヘッドライトの点灯忘れを回避できるオートライト、そして燃料漏れ防止基準に対応した燃料タンクを搭載。さらに、助手席に座る人がシートベルトを締めていない場合にも、インジケーターにて警報することで注意を促す助手席シートベルトリマインダーも採用した。

メルセデス・ベンツの大型トラック「アクトロス」新型モデルも2021年6月発売予定

 なお、新型スーパーグレートに新規搭載したアクティブ・ドライブ・アシスト2は、ダイムラーグループのメルセデス・ベンツブランドの大型トラック「アクトロス」でも、同機能を搭載した新型モデルを2021年6月に発売予定。

 三菱ふそうは、日本、欧州と米国を拠点とするダイムラーのグローバルネットワークを通じて、商用車の自動化技術の開発を進めていて、親会社のダイムラートラックでは、自動運転技術開発を行なう米ウェイモやダイムラートラック子会社の米TORC Roboticsとの提携を通じて、SAE(米自動車技術会)が定めるレベル4の自動運転トラック開発の実現に向けて取り組みを進めている。

 三菱ふそうでは、ダイムラーグループの一員として、これらの自動化技術の開発における技術と知見を共有することで、レベル4の自動運転トラックを市場にいち早く投入することを目指すとしている。