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F1アゼルバイジャンGP、レッドブル・ホンダのペレスが優勝しアルファタウリ・ホンダのガスリーが3位に 角田は7位入賞

セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1第6戦アゼルバイジャンGPがアゼルバイジャン共和国の首都バクー市のバクー市街地コースで6月4日~6日の3日間にわたって開催された。6月5日に行なわれた予選では、角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)がQ2でチームメイトのピエール・ガスリー選手を上回って4位に入り、F1デビュー6戦目にして初めてQ3(予選3回目)へ進んだ。日本人のF1ドライバーがQ3へ進んだのは、2012年の小林可夢偉選手以来約9年ぶりで、少しずつ進化している様子がうかがえる。

 角田選手は3回のフリー走行も順当に走行し、初めて走るバクー市街地コースに徐々に慣れていった様子が印象的だった。しかし、Q3の最後のアタックで、15コーナーでタイヤバリアに突っ込み予選が赤旗終了となる原因を作ってしまったのは余計だったが……。それでも、クラッシュ前に8位のタイムをマークしており、6位だったランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)が3グリッド降格になったことで、自己最高の7位からスタートすることになった。

 その角田選手のクラッシュにより予選は最後のアタックを残して終了。ポールポジションはそれまでにトップタイムをマークしていたシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、2位はメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)、3位にマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)と、3チームがトップ3に並ぶというスターティンググリッドになった。

 レッドブルのもう1台セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は6位(予選は7位だがノリス選手の降格により)、アルファタウリのもう1台ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)はキャリアベストの4位からのスタートとなった。

 6日の決勝レースでは、レースがスタートするとポールポジションのルクレール選手は2周目終わりにハミルトン選手に、その数周後にフェルスタッペン選手に、さらにその翌周にペレス選手と次々と抜かれて順位を下げていった。その結果、レースはメルセデスのハミルトン選手と、フェルスタッペン選手、ペレス選手のレッドブル2台による3台のレースになった。

 11周目にメルセデスのハミルトン選手がタイヤ交換をすると、通常であれば2~3秒程度のピット作業が4秒以上かかってしまった。その翌周にフェルスタッペン選手、その翌々周にペレス選手がピットインし、両車ともにハミルトン選手を抜きレッドブル・ホンダ勢が1-2体制を築くことになった。

Race Highlights | 2021 Azerbaijan Grand Prix

終盤フェルスタッペン、ハミルトンが脱落する中、ペレスがレッドブル・ホンダ移籍後初優勝

 レースはそのままフェルスタッペン選手、ペレス選手のレッドブル・ホンダが1-2体制を維持したままレースは折り返しを超えて進行。31周目、アストンマーティンのランス・ストロール選手(18号車 アストンマーティン・メルセデス)がセクター3で左リアタイヤのパンクからクラッシュを起こして破片がコースに散らばる。これによりセーフティカーが導入されることになった。

 36周目にレースが再開。フェルスタッペン選手、ペレス選手の1-2体制は変わらず、メルセデスのハミルトン選手が3位の状況は変わらなかった。ところが、46周目終わりのメインストレートで突然トップを走っていたフェルスタッペン選手の左リアタイヤにトラブルが発生し、ストレートでクラッシュ。レースを支配していたフェルスタッペン選手は今シーズン初のリタイアに終わり、ホンダにとっては1991年の日本GP以来の1-2フィニッシュの夢は潰えることになった。

 このクラッシュでセーフティカーとなり、その後レースは赤旗になった。長い中断を挟み、実質的に残り2周のスタンディングスタートでレースは再開された。

 残り2周のスプリントレース、このスタートでも波乱が起きた。2位のハミルトン選手は1コーナーを曲がることができず順位を大きく下げて16位に(最終的には15位でゴール)。これでハミルトン選手もノーポイントに。ハミルトン選手のチームメイトのボッタス選手も12位に終わったため、フェルスタッペン選手のドライバー選手権、レッドブル・ホンダのコンストラクターズ選手権の選手権リーダーの座は維持された。

 レースを制したのは2度目のスタートでトップを維持したセルジオ・ペレス選手で、レッドブル・ホンダに移籍して初の優勝を遂げた。2位はアストンマーティンに移籍して初めての表彰台となるベッテル選手。

 アルファタウリ勢は、ガスリー選手はスタートで順位を1つ落とした後、ずっと4位を走っていた。レース後半にセーフティカーがピットに戻った後、アストンマーティンのベッテル選手に抜かれ5位に落ちる。その後はフェルスタッペン選手のリタイア、ハミルトン選手の最後尾転落により3位に上がり表彰台を獲得した。

 角田裕毅選手は7番グリッドからスタートしたが、スタートでフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アルピーヌ・ルノー)に抜かれて8位に落ちたが、その後抜き返して7位に戻る。9周目にタイヤ交換を済ませると、そこから7~8位あたりの順位を維持しながらレースを続けた。レース終盤は前にフェラーリのルクレール選手、後ろにマクラーレンのノリス選手を従えて走行した。そして、フェルスタッペン選手のリタイアにより一時6位に上がったが、赤旗再開後のレースでは1つ順位を落として自己最高の7位でゴールした。

F1第6戦アゼルバイジャンGP 決勝結果(暫定)

順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
111セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ513:33.68625
25セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス51+1.385秒18
310ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ51+2.762秒15
416シャルル・ルクレールフェラーリ51+3.828秒12
54ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス51+4.754秒10
614フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー51+6.382秒8
722角田裕毅アルファタウリ・ホンダ51+6.624秒6
855カルロス・サインツフェラーリ51+7.709秒4
93ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス51+8.874秒2
107キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ51+9.576秒1
1199アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ51+10.254秒0
1277バルテリ・ボッタスメルセデス51+11.264秒0
1347ミック・シューマッハハース・フェラーリ51+14.241秒0
149ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ51+14.315秒0
1544ルイス・ハミルトンメルセデス51+17.668秒0
166ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス51+42.379秒0
1763ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス48DNF0
1833マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ45DNF0
NC18ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス29DNF0
NC31エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー3DNF0

ドライバーランキング(F1第6戦アゼルバイジャンGP終了後、暫定)

順位ドライバー車両ポイント
1マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ105
2ルイス・ハミルトンGBRメルセデス101
3セルジオ・ペレスMEXレッドブル・レーシング・ホンダ69
4ランド・ノリスGBRマクラーレン・メルセデス66
5シャルル・ルクレールMONフェラーリ52
6バルテリ・ボッタスFINメルセデス47
7カルロス・サインツESPフェラーリ42
8ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ31
9セバスチャン・ベッテルGERアストンマーティン・メルセデス28
10ダニエル・リカルドAUSマクラーレン・メルセデス26
11フェルナンド・アロンソESPアルピーヌ・ルノー13
12エステバン・オコンFRAアルピーヌ・ルノー12
13ランス・ストロールCANアストンマーティン・メルセデス9
14角田裕毅JPNアルファタウリ・ホンダ8
15キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
16アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ1
17ミック・シューマッハGERハース・フェラーリ0
18ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス0
19ニキータ・マゼピンRAFハース・フェラーリ0
20ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス0

コンストラクターランキング(F1第6戦アゼルバイジャンGP終了後、暫定)

順位チームポイント
1レッドブル・レーシング・ホンダ174
2メルセデス148
3フェラーリ94
4マクラーレン・メルセデス92
5アルファタウリ・ホンダ39
6アストンマーティン・メルセデス37
7アルピーヌ・ルノー25
8アルファロメオ・レーシング・フェラーリ2
9ハース・フェラーリ0
10ウイリアムズ・メルセデス0
トップ走行中にトラブルでリタイアとなったマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool