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トヨタ、WRC第4戦でオジエ選手が優勝 勝田選手も総合2位で初表彰台を獲得

2021年6月28日 発表

勝田貴元/ダニエル・バリット組(18号車)がWRC初の表彰台を獲得

 TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)は6月27日(現地時間)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦サファリ・ラリー・ケニアにて、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組ヤリス(WRC 1号車)が優勝。また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムで参戦中の勝田貴元/ダニエル・バリット組(18号車)は、自己最高位の総合2位でフィニッシュして、WRC初の表彰台を獲得した。

 さらに、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合6位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合10位と、前日のデイ3よりも順位を上げ、ポイントを獲得。セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組は今シーズン4勝目となり、ドライバー選手権首位の座を守った。

カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)

 19年ぶりにWRCを迎えたサファリ・ラリー・ケニアの最終日は、ナイバシャ湖周辺で5つのステージで開催され、そのうちSS15「ヘルズゲート1」は、当初の予定より4.93km短い5.63kmに短縮され、5本のステージの合計48.56kmで競われた。最終日の朝は気温12度と冷えこんだが、日中は24度程度まで上昇し、ステージの路面は1日を通してドライコンディションが保たれた。

エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)

 デイ3終了時点で総合7位につけていたロバンペラ選手は、安定した走りを続け、SS15で総合6位に順位をアップさせ、最終のパワーステージでは2番手タイムを記録しボーナスの4ポイントを獲得。また、デイ3終了時点で総合12位につけていたエバンス選手は総合10位に入り、パワーステージは3番手タイムでボーナスの3ポイントを加算。ドライバー選手権2位の座を堅守した。チームは、オジエ選手とロバンペラ選手、エバンス選手が獲得したポイントにより、マニュファクチャラー選手権首位を守り、2位のライバルに対するリードを59ポイントに拡大した。

喜びを分かち合うセバスチャン・オジエ選手と勝田貴元選手

チームオーナー豊田章男氏コメント全文

 セブ、ジュリアンおめでとう! ファンの皆さまも応援ありがとうございました! だけど……今日は先にこっちの想いを爆発させることを許して欲しいです。

 タカ! 本当にすごい! 少し悔しいけど、すごく嬉しい! あのセブをリードして最終日を迎え、そのままずっと優勝を争って2位表彰台! 震えるほど感動しました。今日は昼から君のお父さんとずっとタカのことを見守ってました。二人とも、タカのことが気になって他のことが何も手につかず、ことあるごとにラインで会話をしていました。今日は仕事が休みで本当によかった。君のお父さんは仕事だったみたいですが(笑)

 初めて走る厳しい道で、世界最高のドライバーとトップ争いをしながら走り切る……タカはこの一戦だけで今までの何倍も成長したと思います。今シーズン、残り6戦、最後はラリージャパンもある。さらに楽しみでしょうがなくなりました。

 だけど、やっぱりセブはすごい! それも今回、心から思ったことでした。ケニアの道は写真を見ているだけでも、いかに厳しいかが伝わってきます。最後の3ステージ、タカに追いつき抜いていく走りをセブができたのは、そんなに厳しい道でも、タイヤを大切にしながら走っていたからだと思います。そんな尊敬すべきドライバーがTOYOTA GAZOO Racingの一員として戦ってくれていること、そして、その走りを我々の仲間の成長に繋げてくれていることに心から感謝します。

 チームのみんなにも感謝の言葉を伝えたいと思います。19年ぶりのケニア開催でした。アフリカの道はみんなにとって初めての経験です。過去の経験値がない中で、レッキの情報を日夜分析したエンジニアの頑張りで、ドライバーたちは安心して走り出せました。ケニアの現地にいたメンバーも、フィンランドからサポートしてくれたメンバーも、みんなのおかげです。ありがとう。

 エルフィンとカッレは残念ながら途中で戦線離脱となってしまったけれど、その後の走行で得た情報をチームに共有してくれていたおかげで、セブとタカは最後まで、トップ争いができたと思います。エルフィン、スコット、カッレ、ヨンネ、ありがとう! シーズン後半戦、もっと安心して走れるクルマを用意していくことで、恩返しすることを約束します。

 リエゾンを走り抜けるシーンも見せてもらいました。子供たちが手を振り、動物たちが一緒に走り、国をあげて、ラリーを迎える雰囲気を感じました。ケニヤッタ大統領もWelcome Backというメッセージを出されていました。ケニアの皆さまにも感謝申しあげます。数ヶ月後に迫ったラリージャパンも、同じような温かい雰囲気で、多くのラリーストを迎えられたらと願います。

 最後に、もう一組感謝の気持ちを伝えさせてください。アフリカにいる豊田通商の仲間達が、現地で応援してくれていました。そして現地の様子を我々日本の仲間に伝えてくれていました。お陰で私たちTOYOTA GAZOO Racingは、ケニアも母国の道として走ることができたと思います。アフリカのトヨタファミリーのみんなに感謝します。ありがとうございました!

HATU JAMBO!ASANTE SANA!(私たちは元気です!とてもありがとう!)

追伸
 表彰セレモニーで手違いでしょうか……君が代ばかり流れていました。セブとジュリアンには申し訳ない思いもありましたが、ケニアで流れた君が代はとても誇らしく、何度も聞けたことは素晴らしかったです。

サファリ・ラリー・ケニア デイ4の結果(現地時間6月26日19時00分時点のリザルト)

1:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(トヨタ ヤリス WRC)
2:勝田貴元/ダニエル・バリット(トヨタ ヤリス WRC)
3:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4:ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン(フォード フィエスタ WRC)
5:アドリアン・フォルモー/ルノウ・ジャムール(フォード フィエスタ WRC)
6:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(トヨタ ヤリス WRC)
7:オンカー・ライ/ドリュー・ストロック(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)
8:カーラン・パテール/トーシーフ・カーン(フォード フィエスタ R5)
9:カール・トゥンド/ティモシー・ジェソップ(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)
10:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC)