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トヨタ、WRC第3戦で1-2フィニッシュ ヤリスWRC 1号車のオジエ選手が優勝

2021年4月25日(現地時間) 発表

 TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)は4月25日(現地時間)、ヤリスWRC 1号車のセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が、2021年WRC(FIA世界ラリー選手権)第3戦クロアチア・ラリーで優勝。また、ヤリスWRC 33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合2位となり、トヨタの1-2フィニッシュを果たした。

 オジエ選手とエバンス選手が1-2フィニッシュを飾ったことで、ドライバー選手権では、オジエ選手が首位に復帰、エバンス選手が単独3位。また、マニュファクチャラー選手権では、トヨタはトップの座を守り、2位のヒュンダイとの差を27ポイントに拡大した。

 クロアチア・ラリーの最終日、オジエ選手はリエゾン(移動区間)でのロードアクシデントでクルマの右サイドと空力パーツにダメージを負ったものの、アクシデントでは怪我をした人が誰もいなかったため、オジエ選手は競技を続行。

 最終ステージのSS20では、首位のエバンス、2位のオジエ選手、ふたりのタイム差は3.9秒。最終ステージでは、エバンス選手よりも先にスタートしたオジエ選手は、渾身のアタックでその時点で最速のタイムを刻んだ。エバンス選手は最後のセクションまで首位を守りきれるくらい速いペースで走行したが、フィニッシュ付近のコーナーでラインが膨らみタイムロス。ベストタイムのオジエ選手から4.5秒遅れの4番手タイムでステージを走り終え、僅か0.6秒差で総合2位となった。

 オジエ選手が逆転で開幕戦モンテカルロ以来となる今季2勝目を獲得。0.6秒というタイム差は、WRCの歴史において史上3番目の僅差という。

1号車(セバスチャン・オジエ選手、ジュリアン・イングラシア選手)

 オジエ選手は「まるでジェットコースターのように、感情が大きく揺れ動いた週末でした。何よりも重要なのは、今朝のロードセクションでのアクシデントで、怪我をした人がいなかった事ですし、私にとってはそれが最大の気がかりでした。私のラリーはそこで終わってしまうのではないかとさえ思いましたが、クルマのダメージはそれほど大きくなく、競技を続けることができました。あれだけのことが起きたので、優勝できるとは思っていませんでしたが、皆さんが知っているように私は決して諦めない男ですし、最後まで戦い続けようとしました。今週末、よい仕事をしていたエルフィンには同情していますし、特に今朝は強かったです。しかし、われわれもこの週末ペースはよかったのに、いくつか問題が起きその都度タイムを失いました。チームのために、今回も1-2で表彰台に立つことができて、嬉しく思います」とコメント。

 エバンス選手は「最後のステージでラリーをリードしていながら、総合2位で終わるというのは望んでいた結果ではありません。最後のステージでセブが本当に速かったのは事実ですが、私は最後のコーナーでミスをしてしまいました。とても悔しいですが、決してわるくない結果だと思いますし、チームにとっては非常によいリザルトです。チームはセブと私のためにとてもよい仕事をしてくれましたし、今週末は素晴らしいクルマを用意してくれました。最初から最後まで全力で戦い、ラリーを楽しむことができました」。

 なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場した勝田貴元選手は、安定した走りで最終日の4ステージを走行。前日よりもひとつ順位を上げ、開幕から3戦連続となる総合6位でフィニッシュした。

33号車(エルフィン・エバンス選手、スコット・マーティン選手)
エルフィン・エバンス選手、スコット・マーティン選手

 トヨタの1-2フィニッシュに対して、チームオーナーの豊田章男氏がコメントを発表。以下はその全文となる。

チームオーナーの豊田章男氏コメント

 WRC初開催のクロアチアでオジエ、イングラシア組がわれわれのチームに勝利をもたらしてくれました。セブ、ジュリアン、そしてチームのみんな、おめでとう! 2人はリエゾンを走っている時に事故に遭い、その後走りにくい状況に陥ったにも関わらず、諦めずに走り続けて勝利を手にしてくれました。2人の走りに感謝したいと思います。最後まで勝利を争ったエルフィン、スコットの2人も素晴らしい走りでした。ワンツーフィニッシュをありがとう。

 貴元はステージトップタイムを2回もとってくれました。WRCでのトップタイム、本当にすごいことです。先日、帰国した際の私からのアドバイスが役に立ったね…と言いたいところですが、努力を続けている貴元自身の成長の結果だと思います。次戦以降も楽しみにしてます。

 序盤戦のカッレのコースオフにも驚きました。カッレもヨンネも無事で本当によかったです。ほとんど走れませんでしたが、学びの多いラリーになったと信じています。

 ヤリ-マティのチームを見ていると毎戦、メンバー全員でその力を発揮してくれていると思います。次戦ポルトガル以降、またインターバルなくイベントが続いていきますが、みんな健康第一で戦いに備えてください。

 ファンの皆さま、今回も応援ありがとうございました。次戦以降もTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamにご期待ください。引き続き応援よろしくお願いいたします。

クロアチア・ラリー結果

1位:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC)
2位:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC)
3位:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4位:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
5位:アドリアン・フォルモ?/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC)
6位:勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +3m31.8s
7位:ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC)
8位:クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
9位:マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2)
10位:テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2)