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トヨタ、2021年シーズンのWRC参戦体制発表 ヤリ-マティ・ラトバラ氏が新チーム代表に

ドライバーはセバスチャン・オジエ/エルフィン・エバンス/カッレ・ロバンペラの3名

2020年12月18日 発表

ヤリ-マティ・ラトバラ氏がチーム代表に就任

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は12月18日、2021年シーズンのWRC(FIA世界ラリー選手権)参戦体制を発表した。

 発表によると、2021年1月からトヨタ自動車のモータースポーツアドバイザーに就任するトミ・マキネン氏の後を継いで、新たにヤリ-マティ・ラトバラ氏がチーム代表に就任。ドライバーはセバスチャン・オジエ選手、エルフィン・エバンス選手、カッレ・ロバンペラ選手の3名が務める。

 ラトバラ氏は、今回の発表について「豊田章男さんが私を信頼し、チーム代表に任命してくれたことを本当に光栄に思います。ドライバーとして初期からこのチームの一員だったので、章男さんとトミが一緒になってやってきたこの仕事を、引き継ぐことができるのは大きな喜びです。チーム代表として、今後は大きなビジョンで物事を見ていく必要があります。チームの全員が協力して最高の結果を出せるように、モチベーションを高めていかなければなりません。自分にとっては新たな挑戦ですが、とてもやり甲斐を感じています。チームをゼロから築き上げ成功に導くなど、トミは素晴らしい仕事をしてきました。それでも、さらに改善する余地はありますし、ドライバーとして長年学んできたことを活かし、チームの各ディレクターと協力しながらこのチームにできるだけ多くの成功をもたらしたいと思っています。2021年のシーズンはもうすぐ始まりますが、チームには既に実績のあるマシンと強力なドライバーが揃っていますし、1月のラリー・モンテカルロに向けて何をすべきか、誰もが理解しています」と述べている。

新チーム代表 ヤリ-マティ・ラトバラ インタビュー(4分56秒)

 なお、チーム総代表の豊田章男氏もコメントを発表している。


豊田章男氏(TGR チームオーナー)

 ヤリ‐マティへ。ドライバーとしての君をチームから送り出したのが1年前。その1年後に、また君にメッセージを出せていること嬉しく思います。2021年から新たなチームにしていくと考えた時、私の中でヤリ‐マティの顔が浮かびました。なぜなら、君に出会ってからこれまで、多くの場面で共感できるところがあったからです。

 君は誰よりもファンやチームメイトを大切にしています。ドライバーだった君は、いつもサービスパークでクルマを降りると、真っ先にファンのところに行っていました。そしてメカニックやエンジニアなど、チームメンバーみんなを気にかけ、常に声をかけてくれていました。当時、それが計り知れないチームの力に繋がっていたし、そんな君の人柄が、チームタイトルにつながる強さの源だったと思っています。

 また最初に君と会ったとき、君はフォルクスワーゲンのユニフォームを着たトップドライバーだったにも関わらず、自分が大切にしているセリカやカローラの話ばかりをしてくれました。翌年、トヨタのユニフォームに着替えてくれた君は、ヤリスを愛し、本当に大切に乗ってくれました。私もクルマを愛するカーガイの一人として、君のクルマ愛、トヨタ愛が本当に嬉しかったのを今でも覚えています。

 そして最後に共通しているのは、「負け嫌い」です。2017年のオーストラリアラリーでリタイヤしてしまった時、君は誰よりも悔しかったはずなのに、サービスパークに戻ってきてチームのみんなに、自分のせいだと謝っていましたね。君には強い責任感がある。「負け嫌い」の心が、チームとクルマを強くしてくれることを私は知っています。

 マネージャーとしての君の力は未知数です。私も、君にどんな可能性があるかは、分かりません。ただ、先に挙げた共通点が、君にチームを託す決め手になったことは間違いありません。君は絶対にチームの強さに結び付け、強いチームを作ってくれると信じています。新しいTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamを頼みます。一緒にヤリスの屋根に乗る日を楽しみにしています。