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トヨタ、WRC第2戦でロバンペラ選手が史上最年少記録でドライバー選手権のトップに

ロバンペラ選手が自己最高位の総合2位でフィニッシュ

2021年3月1日 発表

69号車(カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組)

 TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)は3月1日、2021年WRC(FIA世界ラリー選手権)第2戦ラリー・フィンランドで、TOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamのヤリスWRC 69号車 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合2位でフィニッシュしたと発表した。

 ロバンペラ選手は20才の史上最年少記録でドライバー選手権のトップに立ち、チームはマニュファクチャラー選手権で首位を守った。

ヨンネ・ハルットゥネン選手、カッレ・ロバンペラ選手

 ロバンペラ選手は、これまでの自己最高位だった2020年のラリー・スウェーデンでの総合3位を上まわる、総合2位でフィニッシュ。また、最終のSS10は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されており、ベストタイムで最大ボーナスの5ポイントを獲得して、ドライバー選手権で初めて首位に立った。

 ロバンペラ選手は「2位という結果には本当に満足しています。非常に困難な週末でした。とてもハードに攻めていたので適度なスピードを常に保つことはできませんでしたが、最後まで攻めの走りを続けました。パワーステージでは自分の全てを出し切って走り、それが上手くいき多くのポイントを獲得することができました。初めてドライバー選手権をリードする立場となったことを、嬉しく思います。次のイベントには新たな状況で臨むことになりますが、今までのようにペースを守り、コンスタントに走る必要があります」とコメントしている。

1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

 第1戦ラリー・モンテカルロで優勝したオジエ選手は、総合20位でフィニッシュ。オジエ選手は、デイ2の最終ステージでデイリタイア。デイ3で再出走したが、不利な早い出走順での走行となった。一方、パワーステージでは5番手タイムを記録、ボーナスの1ポイントを獲得、その結果ドライバー選手権では、首位の座は失ったが2位のヌービル選手と4ポイント差の3位につけた。

 そのほか、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元選手は、最終のパワーステージでひとつ順位を上げ、前戦ラリー・モンテカルロに続き総合6位でフィニッシュ。2戦連続で8ポイントを獲得した。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

アークティック・ラリー・フィンランド デイ3の結果

1:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
2:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)
3:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4:クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
5:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC)
6:勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC)
7:オリバー・ソルベルグ/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
8:テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC)
9:ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ WRC)
10:エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)

チームオーナー豊田章男氏のコメント

 ラリー・フィンランドの結果発表に合わせて、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのチームオーナーである豊田章男氏がコメントを発表した、以下はその全文となる。

 チームのみんな、雪の中のラリーフィンランドおつかれさまでした。

 カッレ、ヨンネ、2位獲得、パワーステージ1位獲得、そして、選手権ポイント首位おめでとう! エルフィン、スコットも5位でポイントを獲得してくれました。 その仕事のおかげで、チームとしても首位キープができています。ありがとう!

 今回は我々の地元フィンランドでの戦いでした。雪道のラリーがスウェーデンからフィンランドに移り、1つ増えたホームラリーで、チームは、なんとしても勝ちたいと思っていたはずです。ですので、ラリー直後に、チームから私に送られてきたメールの一言目は「優勝を逃してすみません」でした。

 途中でデイリタイアを喫したセブも、一番悔しいのは自分であるはずなのに、コースオフしてチームに戻ってきた時の一言目は「申し訳ない」だったそうです。

 本当に良いチームと戦えていると思います。チームのみんなに「ありがとう」と、こちらからは返しました。

 改めて言いますが、みんなありがとう!

 今回のラリーは、チームとしては、決してベストコンディションではありませんでした。しかしチームは、起きた事に対して、すぐに優先順位を考えた行動をしてくれました。6位入賞の貴元も含め、こんなコンディションの中でのこの結果には感謝しかありません。

 今シーズンは安全第一に加えて、健康第一も求められます。フィンランドでも3月からロックダウンが始まると聞きました。 健康に留意しながら「もっといいクルマづくり」、そして、「チャンピオン獲得」を目指していきましょう。

 まずは来月のクロアチア戦に向けて、準備を進めてください。5ヶ月後には、もう一度、フィンランドでのホームラリーがあります。8月1日のフィンランドは、またあの場所でチーム全員が笑顔でヤリスを囲むことを願っています。
 そこには私も、また笑顔で、シャンパンでベタベタになりながら立っていたいと思います。

 ファンの皆さまも健康第一で過ごしながら、引き続きTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの応援をよろしくお願いします。