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「ラリージャパン 2021」暫定カレンダー公表 11月11日~14日を第1希望で提出

ラリージャパン 2020開催断念についてのオンライン会見開催

2020年8月21日 開催

ラリージャパン2020実行委員会 会長 高橋浩司氏

 ラリージャパン2020 実行委員会は8月21日、11月に予定していたFIA世界ラリー選手権「ラリージャパン 2020」の開催断念に関するオンライン記者会見を開催。会見ではラリージャパン2020実行委員会 会長 高橋浩司氏から開催断念に至った経緯などが語られるとともに、2021年の開催に向けた意気込みが示された。

 会見の中で、高橋氏は「本年11月に開催を予定しておりましたFIA世界ラリー選手権 WRC最終戦『ラリージャパン2020』の開催を断念せざるを得ないことになりました。これは、世界中で猛威をふるっていて収束の目処が立たない新型コロナウイルスの影響によるものです。直接的な中止判断の根拠は、海外からの選手や関係者の来日の目処が立たないことです」と開催を断念した理由を説明。

 これまでの開催実現に向けた実行委員会の取り組みとしては、高橋氏は「同じ世界選手権でありますF1日本グランプリが6月に中止を発表している中、われわれも関係省庁に対してさまざまにヒアリングを行ないました。さまざまなアプローチを試みてはいましたが、入国に関わる貿易政策は国の重要な政策ということです。来年には今年から1年延期した東京オリンピックを控えておりますため政府の方ではスポーツ競技に関わる選手や関係者への特別な入国制限解除の措置について、政府でも検討が始まっているようですが、ラリージャパンにしてもどんなに人数を制限したところで、300名を超える外国人を迎えなければいけないと、そこまで大規模なイベントに対応する措置を11月までに整えることは非常に困難であるとの判断にいたりました」と明かした。

 また、開催断念を判断するタイミングについて、高橋氏は「セレモニアルスタートとしてラリージャパンが開幕する予定日からちょうど3か月前にあたりますのが、おとといプレスリリースを発行した日です。この3か月前という期限を念頭に、私どもではさまざまな調整や感染拡大状況の推移を見守ってまいりました。これ以上、判断を引き伸ばしすることは物流の観点から、またWRCのカレンダー再構築の観点からも影響が大きすぎると考えました。また、参加を検討してくださっている国内外のエントラントの皆さんや、われわれ運営側にとっても経済的なロスが大きくなりすぎるところもございます。日本の状況はFIA及びWRCプロモーターにも理解いただくことができまして、今週このような形で皆さまにご報告するということに至っております」と述べた。

 高橋氏は「2018年の1月に招致委員会を発足させてから、本日までスポンサーの皆さま、関係自治体や地元住民有志の皆さま、そして何よりも多くのファンの方々のご支援をいただきながら開催準備を進めてまいりました。この場をお借りして皆さま方にお礼を申し上げますとともに、2021年の開催に向けて引き続きご支援を賜りたく何卒よろしくお願いいたします」と締めくくった。

ラリージャパン2020実行委員会 会長 高橋浩司氏(左)、ラリージャパン運営事務局 事務局長の渡辺文緒氏(右)

ラリージャパン2021の暫定カレンダー公表 2021年11月11日~14日を第1希望に

ラリージャパン運営事務局 事務局長の渡辺文緒氏

 高橋氏の会見に続いて、ラリージャパン運営事務局 事務局長の渡辺文緒氏からは、ラリージャパン2020開催に向けたこれまでの取り組みの紹介と、2021年のラリージャパン開催に向けた現状の報告がなされた。

 渡辺氏は、2021年大会については、すでにFIAから2021年の選手権カレンダー入りを確約されていることが明かされるとともに、暫定として2021年11月11日~14日を第1希望として希望を提出していることが報告された。正式決定は、早ければ10月のFIA世界評議会にて示される見通しであるという。

 2021年のラリージャパンについても新型コロナウイルスの影響下において開催となることを想定しているといい、渡辺氏は「新型コロナ感染症がどのような形で収束に向かうのかは不明ですが、1年後の開催においてもその影響が完全になくなるとは考えられません。そのため、お客さまや関係者の皆さまの安全、健康を第一に、いわゆるニューノーマルの中で大規模なイベント開催のあり方を考えなければいけないと思っております」との考えを示した。

 渡辺氏は「2021年の大会におきましてはコースの設計などは基本的には今年のために準備していた内容をベースに再構築する予定です。はからずも一年間という時間の余裕ができました。これにより今年やりきれなかったこと、そして新たなアイデアなどをできるかぎり反映させまして、ラリージャパンがコロナ後のニューノーマル、つまり新しい日常の中にいても成功を収めたと、評価されるようなイベントを作りあげていきたいと思っております」との意気込みが示された。