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ミシュラン、新プレミアムコンフォートタイヤ「e・PRIMACY」発表会 ターゲットは電動車に乗っている低燃費志向ユーザー
2021年6月30日 19:23
- 2021年8月3日 順次発売
- オープンプライス
メーカーだけでなくユーザーも環境課題に貢献できるタイヤ
日本ミシュランタイヤは6月30日、ミシュラン史上最高の低燃費性能を誇るプレミアムコンフォートタイヤ「e・PRIMACY(イー プライマシー)」の新製品発表会をオンラインで行なった。
冒頭で日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長 須藤元氏は、ミシュランの掲げている成長戦略や2050年までに100%サスティナブルを宣言していることなどを紹介しつつ、法人向けのソリューションビジネスやミシュランガイドといったエクスペリエンス事業などに取り組みながらも、常にタイヤビジネスを中心に添えて動いているとあいさつ。
また、今の時代はどんな事業においても環境問題の考慮が必須条件となっていることから、ミシュランはこれまでに培ってきた技術を駆使して、プレミアムコンフォートタイヤに求められる高い性能を維持したままで、環境性能を取り入れた新製品を開発したと紹介。そして「このタイヤを多くのユーザーが履くことで、安全で快適な乗り心地を体感しながら、環境課題にも貢献できる」と語った。
電動車に乗っている低燃費志向ユーザーがターゲット
続いて乗用車・商用車タイヤ事業部 マーケティング部 ブランド戦略マネージャーの大河内昌紀氏より、イー プライマシーのプレゼンテーションが行なわれた。
大河内氏は、ミシュランが2001年に発売してから、ユーザーだけでなく自動車メーカーも含めたさまざまなニーズに応えて進化させ続けているプレミアムコンフォートタイヤブランド「プライマシー」の歴史を解説すると同時に、プライマシーシリーズが、セダン、ミニバン、スポーツカー、SUVなど、幅広いカテゴリーの新車に装着されていることを紹介。
プライマシーシリーズの第4世代となるのが「プライマシー 4」で、摩耗しても高いウェットブレーキ性能が長続きするという特徴を与えたことで、プレミアムコンフォートタイヤ界に新たな基準を作ったと解説。そして今回発表したイー プライマシーは、ミシュラン史上最高の低燃費性能を誇るプレミアムコンフォートタイヤであり、イー プライマシーの頭文字の「e」は、「環境(environment)」「低燃費(Fuel econom)」「電動車(Electrified vehicle)」の3つのeに由来していると明かした。
また、大河内氏は「イー プライマシーは世界中の自動車メーカーと共同開発してきた知見も活かして作りあげた製品で、主に電動車に乗っている低燃費志向ユーザー向けとし、ウェット性能に優れたプライマシー 4も継続して併売する」と説明した。
続けて大河内氏は、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、自動車業界で加速している電動化の流れを取り上げ、新車販売の電動車比率は2019年は35%で、政府や自治体も100%電動化の方針を打ち出した背景を受け、「今後さらに電動化の普及は加速し、数年後にはほとんどの新車がイー プライマシーのターゲット層になる」とメーカーとしての狙いも語った。
また自社で行なったユーザー調査により、電動車のオーナー像やニーズを細かく分析し、「ガソリン車オーナーよりも環境意識が高く、タイヤには確かな信頼と性能(低燃費性、乗り心地、静粛性、摩耗しにくさ)を求めていることが分かった」と大河内氏。そんな電動車オーナーのニーズに応えるために、転がり抵抗性能「AAA」を達成した低燃費性能、モーター走行時でも快適な優れた静粛性、偏摩耗や急激な排水性能低下を抑え安心が長く続くといった3つの特徴を実現したのが新製品のイー プライマシーだという。
3つの特徴を実現した技術を解説
低燃費性能に関する新技術について大河内氏は、路面と接するトレッド部に採用された新開発の高弾性ゴム「エナジー パッシブ コンパウンド」によって、シリカとのカップリングを改善。ゴムの変形によるエネルギーロスを抑えることができ、転がり抵抗を低減することができたという。また、内部構造に採用した「スリムベルト」は、強度と軽さを併せ持つ新素材をスチールベルトに用いて、ベルトに求められる耐久性を犠牲にすることなく、内部構造のより薄型化を実。同シリーズの「プライマシー 4」と比べて18.4%も転がり抵抗を低減できたと紹介した。その結果、転がり抵抗性能「AAA」を達成し、ミシュラン史上最高の低燃費性能を実現したという。
快適性については、すでにプライマシー 4にも採用されている「サイレント・リブテクノロジー」を採用。これはトレッドパターンからのノイズを低減する技術で、接地面の接地部分と溝を常に一定になるように設計してあり、タイヤパターンから発生する音圧を一定にすることで、優れた静粛性を実現している。静粛性についてはプライマシー 4と同等レベルを維持しているとのこと。
「マックスタッチ コンストラクション」は、内部構造の最適化により、トレッド面のより均一な接地圧分布を実現したことで、加速時、ブレーキング時、コーナリング時でも接地面が安定して偏摩耗耗を抑制することができる技術。また、主溝にはU字型のグルーブを採用し、摩耗末期においても排水性能を確保。一般的なV字型のグルーブよりも急激な排水性能の低減を防ぎ、安心感が長く続く特徴を持たせているとした。
サイズは15インチ~20インチの27サイズで、サイズによって異なるが8月より順次発売。今後もサイズ拡充を図るのと同時に、車両の導入と合わせて新車装着されている承認タイヤもラインアップに加えるとした。また、イー プライマシーはミシュランが行なっている「全額返金保証」の対象商品となり、購入から60日以内であれば、取り付け工賃を含む購入時の代金が全額返金されるため、期待した性能か不安だというユーザーでも安心して購入できる体制を整えているとした。
大河内氏は最後に、「イー プライマシーは低燃費志向の電動車オーナー向け製品で、プライマシー 4は、雨の日の安全性をもっとも重視するユーザーにおススメする製品とし、この性能を補完しあう2つの製品でプレミアムコンフォートタイヤセグメントの消費者ニーズに応える」と締めくくった。