ニュース

「車中泊に適した車」の検索数5倍に! コロナ禍前後のビッグデータを読み解く「自動車業界向けヤフー・データソリューションセミナー」

2021年7月7日 開催

ヤフーのビッグテータをもとにまとめられたコロナ前後で変化した自動車関連のニーズ

 ヤフーは7月7日、コロナ禍における自動車業界への影響と変化についてヤフーのビッグデータから解説する「自動車業界向けヤフー・データソリューションセミナー」を開催した。

 当日のアジェンダとして「コロナ禍における自動車業界への影響と変化」と「withコロナ、after コロナ時代と自動車業界の今後の流れ」と題して、ヤフー データソリューション事業本部 新庄匠氏がヤフーのビッグデータをもとに、コロナ禍により変わりゆくクルマの価値について解説した。

ヤフー株式会社 データソリューション事業本部 新庄匠氏による「自動車業界向けヤフー・データソリューションセミナー」
ヤフー株式会社 データソリューション事業本部 新庄匠氏
当日のアジェンダ
冒頭はコロナの前後で増えた、減ったニーズについて解説

 同セミナーでは、Yahoo! JAPANで検索されるキーワードにコロナ禍前後で変化があったことが紹介され、新庄氏は「Yahoo!の検索データというところで、ユーザーが検索する行動というのは、ユーザさんが知りたいとか、関心を持っているとか、悩んでいる、困っているみたいな、人々のニーズを表しているというふうに仮定すると、検索が増えているものはコロナ前から比較してより人々が興味をもっているキーワード、減少しているのはコロナの影響も含めて関心が薄くなっているキーワード」との見方ができるとの前置きがなされた。

中古・軽自動車、アウトドア、コストの見直し関連の検索が増加

コロナ禍で増加した検索キーワード

 コロナ前後で自動車関連のニーズ変化をまとめると、増加傾向が見られたのが中古・軽自動車関連で、「軽自動車 中古」で142.5%、「中古車」で110.7%、「軽バン中古車」で150.5%。アウトドア関連では「車中泊に適した車」で546.9%、「キャンピングカー 中古」で175.1%、「アウトドア 車」で144.7%。コストの見直しとして「車維持費」で117.1%、「車両保険 必要性」で172.1%、「エコカー 補助金」で147.7%という数字が現れた。

 コロナ禍前後で、546.9%という検索数の伸びを示した「車中泊に適した車」ついて、新庄氏は「人と会うことなくレジャーができるアウトドアという部分で、車中泊に適した車がすごく伸びています。キャンピングカーであったり、アウトドア 車みたいな、クルマでなにか身近でレジャーができる関心がコロナ前と比較して増えている検索キーワードになっています」と解説した。

レコーダー・ナビ、新型、お出かけ関連の検索が減少

コロナ禍で減少した検索キーワード

 一方、減少傾向が見られたのが、レコーダー・ナビ関連で、「ドライブレコーダー 人気」で65.1%、「ドライブレコーダー」で75.5%、「カーナビ 人気」で80.8%。新型モデルでは、さまざまな車の名前における「○○ 新型」という検索が大幅減となった。お出かけ関連では、「成田空港 駐車場」で25.1%、「レンタカー」で74.5%、「ガソリンスタンド」で86.9%となった。

消耗品、固定費まわり、メーカーへの関心は変わらず

コロナ禍で変化の少ない検索キーワード

 コロナ禍においても変わらずにニーズがあるものとして、消耗品関連では「車オイル交換」で100.5%、「タイヤ交換」で101.6%、「車バッテリー交換」で100.5%。固定費まわりでは、「自動車保険」で103.3%、「車検費用」で104.6%、「車 税金」で100.6%。メーカーへの関心も変わらず、「トヨタ」で102.1%、「日産」で96.4%で、「ホンダ」で98.3%などの数字が示された。

 コロナの前後で増えた、減ったニーズについて新庄氏は、「コロナ禍においても軽自動車/中古車の検索は伸びており、メーカー名の検索もコロナ前と比較してほぼ同じ水準だったのに対し、“○○ 新型”という検索が減っていることから、人々の自動車への関心が一時的に新型車種→軽自動車/中古車へ変化している可能性が考えられる。固定費や消耗品関連の検索数は大きく変わらず、元から自動車に乗り続けている人たちには大きな変化がないように見える一方で、維持費や補助金の検索は大きく伸びているため、やはりコロナの影響かコスト見直しに迫られている人たちが一定数いることが見受けられる」とまとめた。

クルマの資産価値に注目。リセールバリューに関連するキーワードの検索数が増加

 同セミナーでは、続けてAfterコロナ時代を見据えた自動車業界の今後の流れについて、いくつかの傾向が示された。

リセールバリューに関心がある人の特徴キーワード分布抽出

 先行き不透明な経済状況によりクルマの資産価値に注目が集まり、リセールバリューに関連するキーワードの検索数が増加傾向という。リセールバリューに関心がある人の特徴として「レクサスNX」「レクサスUX」「ゲレンデヴァーゲン」「ハリアーハイブリッド」「ハリアーハイブリッド中古車」「残価率の高い車」といったキーワードが浮かび上がった。

お金に関する関心を示すデータ

 新庄氏は、不安定な世の中になり、自身の資産について考える人が増えた。自動車に対しても資産性を重視する人たちが 今後ますます増えていく可能性があるのではないだろうかとの見方を示した。

「電気自動車」への注目と合わせて「ガソリン車 いつまで」にも注目が

 また、昨今の「電気自動車」に対する注目の高まりに合わせて「ガソリン車 いつまで」といったキーワードにも注目が集まっており、「ガソリン車 いつまで」と検索する人の傾向として「ハイブリッド車」に関心があることが明らかとなった。

電気自動車への関心の高まりを示すデータ
ガソリン車に関心のある人の動きを示すデータ

 新庄氏は、ガソリン車に関心がある人は、一足飛びに電気自動車に移行するのではなく、中間のハイブリッド車を今後ますます検討していくことになるのではないだろうかとの仮説を示した。

 セミナーの締めくりとして、新庄氏は「コロナ前後で比較すると、人々の自動車へ関心を持つポイントが変化してきており、軽自動車/中古自動車への興味の高まりやコスト見直しという新たな問題にも直面している」「先行きの不安な世の中で、コロナが自身の資産について考え直すきっかけとなり、自動車に対しても資産性をより重視する人たちが増えていく可能性を示唆している」「SDGsなど環境問題に対する意識の高まりも追い風となり、今後ますますハイブリッド車を検討する中間層が増えていくのではないだろうか」との考え方を示して同セミナーをまとめた。

ヤフーのビッグデータからわかる変わりゆく車の価値
ヤフーで提供するデータソリューションのサービス紹介