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マクラーレン、「765LT スパイダー」発表 765PS/800Nmのコンバーチブルスーパーカーは4950万円から

2021年7月27日(現地時間) 発表

4950万円(限定765台)

765LT スパイダー

マクラーレン史上最もパワフルなコンバーチブル

 マクラーレン・オートモーティブは7月27日(現地時間)、ハイパフォーマンス スーパーカー「765LT(ロングテール)」のコンバーチブルモデルとなる「765LT スパイダー」を発表した。全世界765台限定で、日本での価格は4950万円からのカスタマーオーダー制。なお、2021年生産分は完売となっている。

 マクラーレン史上最もパワフルなコンバーチブル・スーパーカーと称される765LT スパイダーは、765LTの基本性能を引き継ぎつつ、わずか11秒でオープントップ走行が可能なカーボン・ファイバー製電動リトラクタブル・ハード・トップ(RHT)を装備。50km/hまでは走行中でも稼働でき、4本出しのチタン製エグゾースト・システムから放たれるドラマチックなサウンドを堪能できるとしている。なお、LTスーパーカー初のコンバーチブルモデル「675LT スパイダー」はルーフ開閉に17秒かかり、稼働可能速度は30km/hで、765LT スパイダーではより早く開閉でき、稼働可能速度も向上している。

 シャシーには、今回コンバーチブルのためにクーペ用モノコックと平行して開発されていた専用のカーボン・ファイバー製「モノケージII-S」を使用。周辺パーツはクーペと共用できるように開発されているというが、ドアはクーペとは異なり、上部のカーボン・ファイバー製フレームがなく物理的に小さく軽いため、ヒンジが1個のみとなっていて、ドアを開けると120mmほどクーペより大きく広がるという。

ドアはクーペモデルよりも120mmほど大きく広がる

 リトラクタブル・ハード・トップは、パネル内部にカーボン・ファイバー製フレームがあり、閉じるとカーボン・ファイバー製のセルを形作。ボディ剛性を引き締めて乗り心地を向上させている。さらに一体型パネルで中央に継ぎ目がなく、ルーフパネルの全長も伸びたことでAピラーの頂点が675LT スパイダーよりも80mm前方に移動し、広々とした印象が強まったほか、乗り降りもしやすくなったとしている。

ルーフを開けた状態
ルーフを閉じた状態

 765LT スパイダーは、リトラクタブル・ハード・トップとその作動メカニズムによる重量の増加が49kgに抑えられ、720S スパイダーより80kg軽く、最も近い競合モデルより約100kg軽い1388kgの重量を実現。アクティブ・リア・ウィングのキャリブレーションをルーフの開閉に対応するように変更するとともに、重量増加に合わせてダンパーをリセッティング。クーペに匹敵する空力パフォーマンスを備え、720S スパイダーを25%上まわるクラストップのダウンフォースも達成している。

アルカンターラで覆われたカーボンファイバー製レースシート
ルーフとリアウィンドウの開閉スイッチはセンターコンソールに配置される

 搭載するV型8気筒 4.0リッターツインターボエンジンは、最高出力765PS/7500rpm、最大トルク800Nm/5500rpmを発生。765LT スパイダーのパワーウエイトレシオは、最小乾燥重量(1278kg)でコンバーチブルクラス最高の598PS/tを誇る。また、0-100km/h加速は2.8秒で、0-200km/h加速は7.2秒。静止状態から10.0秒で400mを走破し、最高速は330km/hに達する。さらに、ドライバーとの一体感とパフォーマンスを高めるため、トランスミッションのギヤレシオが見直され、インギヤ加速が720Sより15%向上。これらの改良を経てコンバーチブルLTモデルの史上最速ラップタイムをマークしているという。

チタン製の4本出しマフラー

 さらに、Formula 1スペックの20NiChニッケルクロム合金を、ファイナルドライブユニットのピニオンとクラウンギヤに採用するほか、サーキット走行中にブレーキパッドの温度を最大50℃下げて、常に一定のフィールとパフォーマンスを発揮できるようにする冷却機能付きキャリパーといったFormula 1をヒントにした装備も採用されている。

 マクラーレン・オートモーティブCEO マイク・フルーウィット氏は「新765LT スパイダーの導入で、LTサブブランドはさらに拡大します。ロングテール・スーパーカーが、刺激的な究極のパフォーマンスと希少性で、お客さまをますます惹きつけているのは明らかです。765LTのクーペは765台がすでに完売しており、新LT スパイダーを公表する現時点で、2021年の生産分がすでに埋まっている状況です」と語っている。

 また、マクラーレン・オートモーティブ製品戦略ディレクターのジェイミー・コストーフィン氏は「マクラーレンのLTでは、驚異的なパフォーマンスだけでなく、ドライバーが最高レベルの一体感を味わえるよう設計・開発がなされています。765LTのクーペは、ドライバーとマシンの一体感を最大化する点で新たなベンチマークを打ち立てました。これをベースにしたスパイダーでは、オープンエア・ドライビングがさらなる魅力として加わり、チタン製エグゾーストの刺激的なサウンドをダイレクトに味わえます。電動リアウィンドウもあるので、リトラクタブル・ハード・トップを閉じているときも、この喜びを楽しめます」とコメントしている。

 マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ、マネージング・ディレクター アンサー・アリ氏は「私たちのミッションは、すでにエクスクルーシブなマシンをさらにユニークなものに変貌させることです。MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)では、お客さまを創造プロセスの第一に、パーソナライゼーションのあらゆる選択肢を網羅しています。MSOディファインドの豊富なメニューから、個々のコンポーネントやパフォーマンス強化パーツ、さまざまなフィニッシング方法を選択することができます。またビスポークのオプションやプロジェクトによって、唯一無二のマシンを生み出すことも可能です。765LTのクーペの場合、85%以上のオーナーがMSOを利用されました。スパイダーの購入者からはさらに高い関心が寄せられるでしょう」と述べている。