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横浜ゴム、新開発「ウルトラ吸水ゴム」採用の「アイスガード 7」 氷上性能14%、雪上性能3%向上させた乗用車用スタッドレスタイヤ新商品

2021年7月29日 発表

オープンプライス

 横浜ゴムは7月29日、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」の新商品「iceGUARD 7(アイスガード セブン)」を9月1日より順次発売すると発表した。発売サイズは155/65R13 73Q~245/40R20 95Qの全89サイズ。価格はオープンプライス。

 アイスガード セブンは「YOKOHAMAスタッドレスタイヤ」の第7世代の新商品。新開発の専用パターンと「ウルトラ吸水ゴム」の相乗効果によって、従来品に比べ、氷に効く「氷上性能」を14%、雪に効く「雪上性能」を3%向上させたほか、永く効く「性能持続性」、燃費に効く「ころがり抵抗」、ウェットに効く「ウェット性能」、音に効く「静粛性能」、「ドライ性能」「耐摩耗性能」は同等レベルを確保。アイスガードが一貫して追求してきた、氷に効く「氷上性能」をさらに向上させ、雪に効く「雪上性能」もレベルアップして、従来品「アイスガード シックス」で定評のあった永く効く「性能持続性」も兼ね備えたとしている。

 トレッドパターンは同社の新たな開発アプローチである「接地とエッジの両立技術」によって、YOKOHAMAスタッドレスタイヤ史上最大の接地面積と溝エッジ量を実現した専用パターンを開発。氷上性能では「マルチベルトブロックEX」「コレクティブビッグブロックEX」などにより接地面積の拡大とブロック剛性を向上。また、雪上性能では「マルチダイアゴナルグルーブ」「トリプルライトニンググルーブ」により溝エッジ量を増大させた。

 そのほか、50%摩耗時にサイプが太くなる新形状の「クワトロピラミッド グロウンサイプ」の採用により、使用後期まで氷上性能をキープ。加えて、新開発の「ダブルエッジマイクログルーブ」により装着初期の氷上性能も高めた。

 コンパウンドには「アイスガード セブン」専用の「ウルトラ吸水ゴム」を開発。実績のある「新マイクロ吸水バルーン」に加え、新採用の「吸水スーパーゲル」が氷上で滑る原因となる氷表面の水膜を素早く吸水。さらに新採用の「ホワイトポリマーII」によって「シリカ」を均一に分散させることで、ゴムがしなやかになり氷へ密着させ、加えて新採用の「マイクロエッジスティック」が氷や雪を噛むエッジ効果を発揮。また、実績のある「オレンジオイルS」がゴムのしなやかさを維持する劣化抑制効果を発揮するという。

発売サイズ
性能比較データ

新開発のアイスガード7専用トレッドパターン

 新開発のアイスガード7専用トレッドパターンでは、「氷に効く」をさらに追求する接地面積とブロック剛性を大幅に増加させ、アイスガード史上最大の接地面積とブロック剛性とした。IN側に幅広リブ、センター部には縦長のベルトブロックを配置することで氷上の発進/制動時にしっかりと接地。OUT側には互いに支えあう大型のブロックを採用しコーナリング時でもブロックが倒れこまずに路面に密着する。

アイスガード史上最大の接地面積とブロック剛性

 また、「雪に効く」を実現するため、エッジ量を大幅に増加させアイスガード史上最大のエッジ量とした。IN側には傾きの角度が異なる複数の横溝を配置することで雪上の発進/制動時にしっかりとグリップ。センター部とOUT側にはジグザグに刻まれた縦溝を採用。雪上コーナリング時のグリップと排雪に貢献させる。

アイスガード史上最大のエッジ量

 新開発のダブルエッジマイクログルーブとして、各ブロックの中央部とエッジ部で異なる傾斜を採用。ブロック中央部では、サイプの傾斜方向と交差させて横方向のエッジ効果を向上。ブロックのエッジ部では、サイプの傾斜と同じ方向に配置し、氷上の水膜を効率よく排水する。

ダブルエッジマイクログルーブ(新開発)

 従来のアイスガード 6では、摩耗と共にサイプは細くなる形状であったが、新開発のクワトロピラミッド グロウンサイプは、50%摩耗時にサイプが太くなり、ブロック剛性増加による初期の氷上性能向上への貢献に加えて、摩耗時のエッジ効果をキープすることで氷上性能の維持にも貢献する。

クワトロピラミッド グロウンサイプ(新開発)

 タイヤサイズに合わせてパターンをチューニングを実施、タイヤ断面幅235以上のサイズには、パターンNo.「IG70A」が採用される。

タイヤサイズに合わせてパターンをチューニング

新開発のアイスガード7専用コンパウンド「ウルトラ吸水ゴム」

 新規素材を採用した「ウルトラ吸水ゴム」は、氷が滑る原因は、凍結路面の上に存在する水膜が要因であることに注目。実績のある「新マイクロ吸水バルーン」に加えて、新採用の「吸水スーパーゲル」によって瞬時に吸水。続いて新採用の「ホワイトポリマーII」によって「シリカ」を均一に分散させることで、ゴムがしなやかになり氷に密着。加えて、新採用の「マイクロエッジスティック」が氷や雪を噛むエッジ効果を発揮することで「氷に効く」「雪に効く」性能向上に貢献。さらに、継続採用の「オレンジオイルS」がゴムのしなやかさを維持する劣化抑制効果を発揮して「永く効く」に貢献するという。

新開発のウルトラ吸水ゴムで吸水率7%向上

 アイスガード 7専用の「ウルトラ吸水ゴム」は、従来品のアイスガード 6と比べて、吸水率が7%向上することで氷に効く性能向上に大きく貢献。従来から実績のある「新マイクロ吸水バルーン」と新採用の「吸水スーパーゲル」との相乗効果によって、氷が滑る原因となる氷上の水膜を吸水する効率を向上させた。

シリカ配合のウルトラ吸水ゴムはゴムがしなやかなので路面に密着

 新採用の「ホワイトポリマーII」を配合することによって「シリカ」がより一層ゴムの内部で均一に分散することが可能になり、ゴムをしなやかにする「シリカ」の働きによって凍結路面への密着効果を発揮。また、しなやかなゴムはウェットやドライ路面への密着効果にも貢献するという。

ウルトラ吸水ゴムは時間が経ってもゴムが硬くなりにくい