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新型ランクル、アイシン製「減衰力調整式アブソーバーシステム」「Direct Shift-10AT」など採用

2021年8月5日 発表

8月に発売されたトヨタ自動車の新型「ランドクルーザー」

新型ランドクルーザーの走破性の高さを支える技術

 アイシンは8月5日、トヨタ自動車の新型「ランドクルーザー」に新開発の商品や新技術が採用されたことを発表した。

 今回採用された新技術である「次世代オフロード制御(クロールコントロール)」「減衰力調整式アブソーバーシステム」「大型車向けキャリパ一体型電動パーキングブレーキ」は、ランドクルーザーの本質である“信頼性・耐久性・悪路走破性”に貢献し、世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現するクルマの一翼を担うとしている。

 また、新開発の商品として「減衰力調整式アブソーバーシステム」「Direct Shift-10AT」が採用されている。

減衰力調整式アブソーバーシステム

 アイシンは2012年から減衰力調整式アブソーバーシステムのシステムサプライヤーとして開発に取り組んでいて、車両状態を精度よく推定できるアルゴリズム、減衰力調整幅の広いアブソーバー、最適な制御を行なうECUをシステムで開発することで高い性能を実現してきた。

 今回は、新たにオフロード用制御を開発し、接地輪を高減衰、非接地輪を低減衰にし、対角輪の減衰力を適切に制御することで、険しい岩石路のような本格オフロードの走破性や車両安定性を向上させた。

 また、日立アステモ(Astemo)と共同で開発したアブソーバーは、減衰力の“伸び”と“縮み”を共通機構で行なっていたものを、個別調整可能な機構としたことで、より適切な減衰力制御が可能になり、優れた操縦性と快適な乗り心地を、さらに高いレベルで両立させたという。さらにこの機構をアブソーバーに内蔵化することで、従来品に対し省スペースも実現している。

Direct Shift-10AT(10速オートマチックトランスミッション)

 ランドクルーザーにふさわしい世界中の過酷な環境下での信頼性、耐久性を確保しつつ、クラストップレベルの動力性能と環境性能を両立した新開発のオートマチックトランスミッション。

 構成部品の効率改善・軽量化の技術を織り込むことで燃費向上に貢献するだけでなく、ギヤ比の差を小さく(ギヤ比を近く)して、変速前後のエンジンの回転速度(回転数)の変化を小さくする「クロスレシオ」による加速性能の向上により、SUV車両としての走りの魅力をより追求した。