SUPER GT第3戦鈴鹿、GT500はダンロップを履いた64号車 NSX-GTが昨年に続きポール、GT300は新型BRZが今季2回目のポール獲得

8月21日～8月22日の2日間に渡り鈴鹿サーキットにてSUPER GT 第3戦「2021 AUTOBACS SUPER GT Round3　FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE」が開催されている

　SUPER GT 第3戦「2021 AUTOBACS SUPER GT Round3　FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE」（以下第3戦鈴鹿）が8月21日～8月22日の2日間に渡って三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催されている。本来であれば5月に開催される予定だった同レースは、COVID-19の感染拡大などにより8月に延期されており、7月に第4戦ツインリンクもてぎが開催された後に実質的な4戦目として開催されることになった（大会名称は変わらず第3戦のまま）。8月21日午後に予選が行なわれ、明日の決勝グリッドが決定した。

　GT500クラスは昨年の鈴鹿のレースでもポールポジションを獲得した64号車 Modulo NSX-GT（伊沢拓也/大津弘樹組、DL）が2年連続でポールポジションを獲得した。2位もダンロップとNSX-GTの組み合わせとなる16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT（笹原右京/大湯都史樹組、DL）、3位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI）となった。

　GT300クラスは第2戦 富士に続いて今シーズン2回目のポールポジションとなった61号車 SUBARU BRZ R＆D SPORT（井口卓人/山内英輝組、DL）。今回もグランドスタンド裏の特設ブースではスバルの新型BRZが展示されて注目を集めており、そうしたスバルファンの声援に応えた形だ。2位は5号車 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号（平木湧也/平木玲次組、YH）、3位は244号車 たかのこの湯 GR Supra GT（三宅淳詞/堤優威組、YH）。

GT500クラスは64号車、16号車というNSX-GT＋ダンロップの組み合わせが1-2に、23号車 GT-Rが3位

GT500クラスのポールポジションを獲得した64号車 Modulo NSX-GT（伊沢拓也/大津弘樹組、DL）

　8月21日の三重県鈴鹿市の天気は不安定で、朝から雨が降るという天気予報が出ていたが、よい意味でそれは裏切られた。直前に行なわれていたFIA-F4の予選ではミスト上の雨が降ったりしていたが、路面が完全にウェットになることはなく、SUPER GTの予選はほぼドライのまま行なわれることになった。

　GT500の予選1回目（Q1）は、通例であれば各車中盤までピットに留まっていることが多いが、今回の予選はやや様相が違っており、多くの車が早い段階からコースインしていった。路面温度や気温が上がっていないため、タイヤの温めを重視してより早めにコースインしていったのだと考えられる。このQ1でトップタイムをマークしたのは1分43秒733というコースレコードに迫ろうかというタイムを出した64号車 Modulo NSX-GT（伊沢拓也/大津弘樹組、DL）。昨年の鈴鹿のレースでポールポジションをマークした64号車は、このレースもポール争いの本命の1つだ。2位も同じダンロップタイヤを履いた16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT（笹原右京/大湯都史樹組、DL）とダンロップが1-2になっている。3位はヨコハマタイヤの24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R（高星明誠/佐々木大樹組、YH）、4位はミシュランタイヤの23号車 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI）となっており、ブリヂストン勢の最上位は8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/福住仁嶺組、BS）だ。

　サクセスウェイトが増え、50kgを越えるとエンジンのリストリクターが絞られる形になっているポイントランキング上位勢は、下位に沈む結果となった。鈴鹿ではウェイトが性能に与える影響は大きいと考えられており、ランキングトップの14号車 ENEOS X PRIME GR Supra（大嶋和也/山下健太組、BS）、2位の1号車 STANLEY NSX-GT（山本尚貴/牧野任祐組、BS）などが軒並みQ1落ちとなり、GR Supra勢は全車がQ1でノックアウトされてしまった。

GT500クラス予選2位は16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT（笹原右京/大湯都史樹組、DL）

GT500クラス予選3位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI）

　予選2回目（Q2）でもNSX-GT/ダンロップの組み合わせの席巻は続くかと思ったが、コース脇のスクリーンにはその64号車 NSX-GTがコースアウトしているシーンが映し出された。しかし、運良くグラベルに埋まることもなく、マシンにダメージを与えることもなくコースに戻ることに成功した。伊沢選手がドライブする64号車はその翌周にしっかりとタイヤのウォームアップを行ない、セクター1、セクター2、セクター3、セクター4と全セクターでその時点での最速タイムをマークし、1分45秒128をだしトップタイムをマークした。

　それに続いたのは16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTで2番手タイム。3番手は23号車 MOTUL AUTECH GT-R、4番手は24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R（高星明誠/佐々木大樹組、YH）となり、ブリヂストン勢の最上位は8号車 ARTA NSX-GTとなった。今回は4つのタイヤメーカーがトップ5の中にそれぞれの車両を入れており、どのタイヤメーカーも性能が拮抗しているという構図を予選が示していると言える。

24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R（高星明誠/佐々木大樹組、YH）は4位

8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/福住仁嶺組、BS）がブリヂストン勢の最上位となった

ランキングトップの14号車 ENEOS X PRIME GR Supra（大嶋和也/山下健太組、BS）はサクセスウェイト70kgとエンジンのリストリクターが絞られている影響で下位に沈んだ

GT300クラスは午前中の練習走行、Q1 Aグループ、Q2と全てでトップタイムをマークしたスバルの新型BRZ

GT300クラスのポールポジションを獲得した61号車 SUBARU BRZ R＆D SPORT（井口卓人/山内英輝組、DL）

　GT300の予選1回目（Q1）は、今シーズンの通例どおりAグループとBグループという2つのグループに別れて行なわれ、それぞれのグループの上位8台がQ2に進むことになった。

　Q1のAグループでトップタイムをマークしたのは61号車 SUBARU BRZ R＆D SPORT（井口卓人/山内英輝組、DL）。61号車 BRZは午前中の練習走行でもトップライムをマークしており、今回はかなり調子がよさそうに見える。2位は34号車 Yogibo NSX GT3（道上龍/密山祥吾組、YH）。今シーズン苦しんできた34号車だが、2戦連続でQ2へ進出した。

　その反面、ポイントランキング3位の56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R（藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH）は9位、ランキング5位の52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹/番場琢組、BS）は10位（今回レギュラードライバーの川合孝汰選手は病欠で番場琢が代役）、ランキングトップの65号車 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS）は13位となり、ポイントランキング上位勢が軒並みQ1脱落となった。

GT300クラス予選2位の5号車 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号（平木湧也/平木玲次組、YH）

　Q1のBグループでは、244号車 たかのこの湯 GR Supra GT（三宅淳詞/堤優威組、YH）がAグループの61号車 BRZのタイムを上回る1分57秒台のタイムでBグループのトップにたった。2位は10号車 GAINER TANAX with IMPUL GT-R（星野一樹/石川京侍組、DL）。こちらでもランキング上位勢はQ1で脱落し、ランキング2位の11号車 GAINER TANAX GT-R（平中克幸/安田裕信組、DL）が9位、ランキング4位の60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT（吉本大樹/河野駿佑組、DL）が10位と、ランキング5位までの車両はいずれもQ1で姿を消した。

　予選2回目（Q2）でも天候は崩れず、ドライのままセッションが開始。Aグループのトップである61号車 BRZ、Bグループのトップである244号車 GR Supraのどちらがトップタイムをマークするのか注目が集まるセッションとなった。先にタイムをマークしたのは61号車 SUBARU BRZ R＆D SPORTで、1分57秒322をマークして見事にポールポジションを獲得。今回もグランドスタンド裏では、新型BRZが展示されており、注目を集めており、詰めかけたスバルファンの声援に応えた形の今シーズン2回目のポールポジションを獲得した。

GT300クラス予選3位の244号車 たかのこの湯 GR Supra GT（三宅淳詞/堤優威組、YH）

　それに続いたのが5号車 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号（平木湧也/平木玲次組、YH）で2位になった。3位は244号車 たかのこの湯 GR Supra GT。4位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3（小暮卓史/元嶋佑弥組、YH）、5位は9号車 PACIFIC NAC CARGUY Ferrari（ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝組、YH）、6位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG（谷口信輝/片岡龍也組、YH）となった。