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警察庁と国交省の連携で「ゾーン30プラス」設置へ 通学路などの交通安全対策に物理的デバイス設置

2021年8月26日 発表

 国土交通省道路局と警察庁交通局は8月26日、最高速30km/hの区域規制と物理的デバイスによって交通安全の向上を図る区域を「ゾーン30プラス」として設定すると発表。国交省と警察庁では、現在各地で実施中の通学路における合同点検を踏まえた対策の1つとして「ゾーン30プラス」の整備を図っていくとしている。

 これまで、国土交通省道路局では防護柵等の設置や速度抑制・通過交通の進入抑制のためのハンプや狭さくといった物理的デバイスの設置を、警察庁交通局では「ゾーン30」の整備による低速度規制等を、生活道路の面的な交通安全対策としてそれぞれ進めてきた。

 今後は、道路管理者と警察が検討段階から緊密に連携しながら、最高速30km/hの区域規制と物理的デバイスとの適切な組合せにより交通安全の向上を図ろうとする区域を「ゾーン30プラス」として設定し、生活道路における人優先の安全・安心な通行空間の整備に取り組んでいくとしている。

ゾーン30プラス

生活道路の交通安全に係る新たな連携施策「ゾーン30プラス」

ゾーン30プラスの取り組みフロー

 ゾーン30プラスでは、警察による交通規制として、最高速30km/hの区域規制等「ゾーン30」に加えて、道路管理者による進入抑制対策として「ライジングボラード」「ハンプ」「スムーズ横断歩道」、速度抑制対策として「狭さく」「クランク」「スラローム」といった物理的デバイスを設置。

 今後、「ゾーン30プラス」の内容や効果などを認識・実感してもらうことや通学路などにおける交通安全対策の参考としてもらうことを目的として、各地のゾーン30内に物理的デバイスの1つである「スムーズ横断歩道」を全国で設置予定。8月26日現在、9月末までに全国17地区で設置が完了予定としている。

9月末までに「スムーズ横断歩道」の設置が完了する予定の地区

北海道 札幌市 手稲区 西宮の沢(札幌市)仮設:2021年9月上旬~10月上旬
青森県 青森市 北中野(青森市)仮設:2021年9月中旬~11月中旬
岩手県 滝沢市 室小路(滝沢市)仮設:2021年9月上旬~11月上旬
秋田県 秋田市 土崎港東(秋田市)仮設:2021年9月中旬~11月下旬
山形県 山形市 城北町(山形市)2021年9月中旬~10月下旬
愛知県 名古屋市 昭和区 白金(名古屋市)仮設:2021年9月下旬~11月下旬
三重県 津市 久居新町(津市)仮設:2021年9月中旬~10月中旬
京都府 舞鶴市 桃山町(舞鶴市)本設置:2021年8月下旬~
兵庫県 明石市 王子(明石市)本設置:2021年9月下旬~
兵庫県 神戸市須磨区 大黒町(神戸市)本設置:2021年9月上旬~
奈良県 奈良市 法蓮町(奈良県)仮設:2021年9月下旬~10月下旬
和歌山県 和歌山市 木広町(和歌山市)仮設:2021年9月下旬~10月上旬
岡山県 津山市 山北(津山市)仮設:2021年9月上旬~9月下旬
山口県 下関市 秋根東町(下関市)本設置:2021年9月上旬~
福岡県 北九州市八幡西区 千代ヶ崎(北九州市)本設置:2021年9月中旬~
長崎県 佐世保市 浜田町(佐世保市)仮設:2021年9月下旬~10月中旬
大分県 別府市 青山町(別府市)本設置:2021年9月上旬~

 なお、仮設に用いる「可搬型ハンプ」については国土交通省地方整備局等から貸与。設置時期は、今後の天候等の状況により変更することがあるとしている。各地の設置状況は国土交通省のWebサイトへ掲載される。