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国交省、豪雨に備えてクルマに「脱出用ハンマー」装備を呼びかけ

2021年6月25日 発表

国土交通省が公開した「豪雨に備えて、車に脱出用ハンマーを備えましょう!~脱出用ハンマーの使用方法と選び方~」の中の実験映像

 国土交通省は6月25日、豪雨などの水害への備えとして、クルマに脱出用ハンマーを装備することを呼びかけるため、脱出用ハンマーの種類・使用方法などをまとめた実演動画や製品の選び方として破砕性能試験の結果をまとめて公表した。

 公開された実演動画では、JAF(日本自動車連盟)が行なった実際に人が乗車した車両での浸水実験を紹介。その中で、水没した車両からの脱出手順としては、水位が低いうちにドアを開けて脱出する。水圧等でドアが開かない場合、窓を開いて脱出する。ドアも窓も開かない場合は、脱出用ハンマーで窓を割って脱出するとの流れが紹介された。

 そして、脱出用ハンマーを使う場合の注意点として、フロントガラスに使用されている「合わせガラス」は割れることはなく、さらに、一部の車種ではドアガラスやリアガラスにも「合わせガラス」が採用されていることがあるとしている。

 さらに、脱出用ハンマーを持っていなく車両から脱出できない場合においても、浸水により車両の内外の水位が同程度になると、ドアが開く可能性が高まることを紹介。同省では、あきらめないでくださいと説明している。

【国土交通省】豪雨に備えて、車に脱出用ハンマーを備えましょう!~脱出用ハンマーの使用方法と選び方~
公開したビデオの概要

脱出用ハンマーの破砕性能試験結果

 また、脱出用ハンマーの破砕性能試験結果としては、自動車用品販売店、通信販売サイト、雑貨店などで販売されている51銘柄の脱出用ハンマーに対して、JIS規格、GS規格に準拠した2通りの破砕性能試験を実施、その結果を踏まえて製品の選び方をまとめてWebサイトに公表している。

 その結果によると、同省が確認したすべての製品について、自動車用ガラスの破砕が可能であることを確認。特に、十分な破砕性能が確保されていた「JISマーク」「GSマーク」を取得している製品や各販売店などが推奨する製品(純正品など)の購入を推奨するとしている。

脱出用ハンマーの破砕性能試験結果

 同省では、台風等による豪雨時においては、道路が冠水する前に早急に避難することが重要であるとしながら、万一避難が遅れ水没した車両内に閉じ込められた場合、脱出用ハンマーを備えることで車両からの脱出に有効であるとして、今後も脱出用ハンマーの普及拡大と製品の正しい使用方法の周知に努めていくとしている。