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アウディ、EVセダンコンセプト「grandsphere」世界初公開 新解釈のシングルフレームグリルで表情一新

2021年9月2日(現地時間) 発表

 アウディAGは9月2日(現地時間)、ミュンヘンモーターショー「IAA 2021」で発表するEV(電気自動車)セダンのコンセプトカー「Audi grandsphere concept」を世界初公開した。公開されたAudi grandsphere conceptは、新解釈のシングルフレームグリルでアウディブランドの表情を一新、コンセプトカーに採用されるテクノロジーとデザインは、数年後のアウディモデルに再現されるという。

 Audi grandsphere conceptのボディサイズは5350×2000×1390mm(全長×全幅×全高)で、ラグジュアリークラスのセダンであることを表現。3190mmのホイールベースは、現行A8のロングホイールベースバージョンを上回る。

 エクステリアデザインは、短いオーバーハング、フラットなボンネット、可能なかぎり前方に移動したフロントウィンドーなどのデザイン要素によってEV(電気自動車)の特徴を表現するとともに、そのデザインは未来的というよりは、伝統的な美しさの理想形を追求したものへと仕上げられた。

シングルフレームグリルに新解釈を与えたデザインを採用

 フロントエンドでは、アウディデザインの象徴となっているシングルフレームの革新的な解釈を採用。そのデザインは、平らな六角形のような形状を採用して、その透明なカバーの内面には走行中は上から間接照明が当てられ、印象的で圧倒的な存在感を実現する3次元的視覚効果を得るという。

 シングルフレーム上部のヘッドライトユニットは、薄く、凝視した時の目の表情を思わせるデザインを採用。ライティングユニットはアウディの4リングスエンブレムを連想させ、2つのリングが交差する領域は、瞳のように拡大、分離され、まったく新しい印象的なデジタルライトシグネチャーを生み出した。これらは、発光部の大きさが変化して、交通状況に応じてデイタイムランニングライトやダイナミックターンシグナルとして機能するだけでなく、状況に対応して変化することによって安全性の向上にも寄与。リアのライティングユニットにも、同様のグラフィックが反映され、アウディにおけるライトデザインの特徴的なキャラクターとした。

容量約120kWhのバッテリーモジュールを搭載するPPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)を採用

 Audi grandsphere conceptのテクノロジープラットフォームは、バッテリー駆動の電気駆動システム専用に開発されたPPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)をベースにして、EVの利点を最大限に活かせる仕様とした。

 PPEの主要なエレメントは、フロントおよびリアアクスル間に搭載された容量約120kWhのバッテリーモジュールで、アクスル間のベース部分全体を使うことで、フラットなバッテリーレイアウトを実現。大径ホイールと相まって、このレイアウトは、デザインの観点からだけでなく、完璧な基本プロポーションの創出にも寄与。

 主な利点は長いインテリアで、前席と後席の両方に十分なレッグルームを確保。また、ギアボックスカバーやセンタートンネルが存在しないため、電気自動車特有の空間快適性が生み出された。

アウディのコンセプトカー第2弾「grandsphere」

0-100km/h加速は4.0秒強、航続距離は750kmを超える

 quattroドライブシステムは、アウディブランドの象徴的なテクノロジーであり、Audi grandsphere conceptにも採用され、フロントやリアアクスルそれぞれに電気モーターが搭載され、電気モーターを制御することによって、ドライビングダイナミクスとエネルギー効率の完璧なバランスを取りながら、オンデマンドの4輪駆動システムを実現する。

 Audi grandsphere conceptには、530kWのシステム総合出力と、960Nmの最大トルクを発生する、2基の電気モーターを搭載。走行性能では、0-100km/h加速が4.0秒強。最高速については、航続距離を伸ばすためリミッターにより制限される。

 また、800Vの充電テクノロジーを採用して、急速充電ステーションを利用すれば、最大270kWの出力で充電可能。300km以上の走行に必要なエネルギーの充電は10分で完了し、容量120kWhバッテリーの充電レベルが5%まで低下した場合でも、25分未満でバッテリー充電レベルを80%まで回復させる。選択した駆動システムと最高出力にもよるが、Audi grandsphere conceptの航続距離は750kmを超えるという。